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姉上は渡しません  作者: 燈明春


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10/12

10話

昼。サリーナが目を覚ます

サリーナ「ん...ハルトおはよう...」


午後の陽光が寝室の壁を斜めに切り裂いていた。

サリーナの声が聞こえた瞬間、それまで死んだように眠っていたハルトの腕がぎゅっと締まった。


ハルト「おはよ、さーちゃん。」

「よく寝てたね。途中で三回くらい名前呼んだのに起きなかった。」



サリーナの腰に回していた手をもぞもぞと動かして、腰骨のあたりを指先でくるくると円を描く。


ハルト「体痛くない? ……俺のせいで動けないとかだったら、それはそれで嬉しいけど。」

「お腹空いた? さーちゃん甘いもの好きでしょ、なんか持ってこさせよっか。」



サリーナ「喉渇いちゃった....。」



ハルト「え、待って、水。水持ってくる。」



数分と経たないうちに、ハルトが水差しとグラス、それからなぜか焼き菓子の載った盆を両手に抱えて戻ってきた。



ハルト「はい、お水。」



ベッドの縁に膝をついて、サリーナの頭をそっと持ち上げ、グラスを唇に当てる。傾ける角度まで慎重に、こぼさぬよう息すら止めて見守る



サリーナ「ありがとう、ハルト」



ハルト「あと、料理長がなんか焼いてたから持ってきた。蜂蜜のパンケーキ。さーちゃん好きでしょ。」



サリーナ「パンケーキ嬉しい!」



ハルト「今日ほんとに一日休もう。」



サリーナ「ねえハルト、ハルトは体痛くないの....?」



ハルト「…………え、心配してくれてるの。俺のこと。」



ハルト「痛いわけないじゃん。体力おばけのライトと訓練してんだよ? さーちゃんより俺の方が頑丈に決まってるでしょ。」



サリーナ「そっかぁ、それならいいや....。」



ハルト「ていうか、昨日のさーちゃんの声とか顔とか思い出したら元気になっちゃうんだけど。責任取って。」



サリーナ「...ねえハルト、一緒にパンケーキ食べよう?」



ハルト「食べる! さーちゃんと一緒に食べたい!はい、さーちゃんここ座って。俺が食べさせてあげる。はい、あーん。」



サリーナ「あーん。うん、美味しい!」




空になった皿を脇に押しやり、サリーナの腰を後ろから抱えるように座り直す。




ハルト「でも本当にさーちゃんと結婚出来て良かった。さーちゃんは俺が守るから。絶対。これから先、何があっても。」

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