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第2話 大魔法使いの行動

 世界中で騒ぎになってることなんて全く知らない大魔法使いアスタリアは普通に森を歩いていた。

 マキナは万能で収納魔法にもなったので、その中に小屋で集めた本や着替え、食料、母の遺品のいくつかを入れているので、必要なものは揃っている。

 しばらく目的地に着くまでかかってもこれなら問題はない。


「そう思ってるけど、もしかして目的地は結構近かったりする?」


『いえ、近いどころかもう見えてきています』


 えっ?マジで?

 そう思って奥の方を目をこらして見てみると、普通に村がぽつんと存在していた。

 マジかー。普通に近くにあるんなら大荷物は必要なかったよ。でも、あそこは捨てる予定だからよかったのかな。



 目的地が見えれば後は強者らしくゆったりとした態度で行こう。

 そう思って歩き出すと、雑魚の魔物達が絡んできた。

 めんどくさかいからお母さんからもらった《魔女の威圧》を使うことにした。


「アハッ!死んどくか?」


 魔物達に対して殺意と魔力を向けて威嚇する。威圧感たっぷりのアスタリアだから出来ること。

 それによって魔物達はそそくさと逃げて行った。

 意気地なしめ。


「シュル。私を倒そうなんて愚かなんだよ」


 そうやって雑魚に威圧をしながら村へと向かった。

 当然だけど、近くに来た時点で威嚇するのはやめた。





 村はお母さんが魔法をかけた柵に囲まれていた。

 それは私が触れようとしたら敵と認識して反発してきた。ムカついたから普通に魔法を破壊したけどね。

 その破壊時のバチって音で村の獣人達は怯えた。あれを解けるような強力な存在はこの村の近くに居なかったせいだろう。


「怯えなくていいよ。私は〈蛇のアスタリア〉、アルメリア母さんからここを任されたの」


 本当のことと嘘を混ぜたこの一言で村人達は警戒を解いてくれた。

 そんなにお母さんは信頼されて愛されてたんだね。敵には耐性がないみたい。


「アルメリア様がいらっしゃらないということは、その命を犠牲になされたのですね」


 長老らしき獣人が杖をつきながら私に向かってそう言ってきた。

 だから、私は残念な顔をして現実を伝えてやることにした。


「お母さんは私にその命をくれた。そこで私はお母さんから全てを託されたの」


「そうですか。では、アルメリア様に頭を下げましょう」


 気がついたら柵のところに集まってきていたみんなが一斉に頭を下げた。私に向けて。

 命を使って私を作ったことを察してくれたんだろうね。全員があの人に感謝して頭を下げている。その中には泣いている人もいたけど、私はちょっと申し訳ない気持ちになる程度だった。

 だから、今度は私がここの支配者になる!


「アスタリア様、柵を越えて村に入ってください」


「わかったわ」


 私は村長の許しを得て村に入った。

 すると、マキナが突然話しかけてきた。


『アスタリア様、この村はアルメリア様に守られてはいましたが、配下にしていたわけではないようです』


 私は村長の家に案内されながらその話を聞いていた。

 つまり、どういうことなの?


『この世界ではなんでも魂に刻まれます。大魔法使いが魔物を配下にした場合、その方の紋章が魂に刻まれます。それがこの狼の獣人にはありませんでした』


 なるほどね。つまり、私が契約して守ってるなら、その魔物の魂に蛇の紋章が刻まれるわけね。

 だけど、この子達にはそれがないのね。


『その通りでございます』


 誰の配下にもなってないなら私のものにすることも可能だ。

 相手がよければ私の配下にして、働かせてここを発展させよう。

 獣人なら丈夫で力もあるだろうからうまく使えば森を切り開いて国に出来るかも知れないね。

 それも人間への復讐の準備になるかも知れない。お母さんも苦しめた人間への復讐。


 マキナと話して考え事して歩いていると、村長の家にすぐについて中の椅子に座ることを勧められた。

 その椅子に座ると村長は向かいに座った。

 家は木造でまあまあな作りをしていた。獣人の中にはこういうのが得意な人がいるのかも知れない。

 キョロキョロと周りを観察していると村長に話すかけられた。


「アスタリア様、アルメリア様には断られましたが、どうかこの村を治めていただけませんか」


 家に案内して何を話すつもりなのかと思えば、そんなことを向こうから言ってくれるとは思わなかった。

 私はそれへの返答を一つしか持っていないから、印象よくするために笑顔で返すことにした。


「私は最初からここを任されたと言ってるでしょ。お母さんと違って断らないからここを立派にしてあげる」


 私がそう答えると村長には後光が見えているようで再び頭を下げた。

 でも、今度はお母さんではなく私に対して下げてくれている。

 その光景を見て私は感動した。生前に誰からも頼られるなんてことはなかったから、こんな状況は生まれて初めてだ。運命に負けなくてよかった。

 私は心底そう思った。


『では、これから魔物との契約の手順を教えます』


「よろしくね」


 マキナの案内に従って私は村長のウルガと契約の儀式を始めた。

 この世界では種族か団体のトップと契約すれば、全体の7割が許してるなら団体に契約が適応されるらしい。

 だから、私はウルガ村長に契約するかの有無を聞いて、血を一滴垂らした水を飲ませた。これには私の魔力が混ぜられていて、ちゃんと契約が成立すれば魂に私の魔力で紋章が刻まれる。

 それを《魔力感知》の応用で確認した。


 村長は契約の際に400年越しでようやく願いが叶うと喜んでいた。

 アルメリアとの契約は400年前からの夢だった。それは亡くって魔力も引き継いだ今のアスタリアも同一と考えれば叶う。

 だから、親子とも継承者とも認めて契約をする。

 準備が出来るまで思い出とかにふけっていると、すぐに進めてカップに契約の血水を入れて差し出してきた。

 それを村長は躊躇なく一気飲みして飲み干した。

 すると、自分の体の中で魔力が混じるのを感じた。これで契約成立だ。


「アスタリア様、このウルガはこれからあなた様の配下です。何なりとご命令ください」


「なら、付いて来て。今からこの村の守護のために魔法を仕掛けるから」


 私は契約したばかりのウルガを引き連れて家から出た。

 そこから少し歩いて村の中心に立った。そこでマキナの力を借りて村一つを守れるだけの防護魔法を張る体制に入った。


「ここで何をするおつもりで?」


「黙って見てれば分かるよ」


 そう言った時に準備が出来たので、しゃがんで地面に両手で触れた。

 その瞬間、手元から大量の魔法式が出てそれが一気に広がって村の全体を囲んだ。

 完全に書き終えるとそれは完全形になって魔方陣になった。しかも、それは二重で出来ている。


『お見事です。《守護魔法付与》《結界魔法付与》ともに取得しました』


 かなり魔力を使ったけれど、どうにか高度で頑丈な守りを張れた。

 これは大魔法使いレベルでも破壊するのに手間取る感じの結界で、張っておいてなんだけど自分でも壊せる自信がない。

 もう一つが中にいる限りどんな攻撃もダメージが軽減される空間で、魔法陣が残ってる限り外部干渉は軽減される。

 この2つを同時に使用することで誰が敵でも簡単に負けるつもりはない。私がここを守り切る。


「すごい!高難易度の魔法をいともたやすく使うとは!」


「思いつきでやったから持続期間は保証できないけど、私がいる限り魔力を少量補給して補強できるようにはしてるけどね」


 黒蛇のマンガやゲームの知識から勝手に作られた魔法は獣人達に驚きを与えた。

 大魔法使いができる高難易度の魔法の作成は、獣人や他の魔物でもできないことである。

 つまり、私はこの村において最強の守護者であることを示せたということ。

 これでこの村を中心に国を作って、そこで軍隊を用意して人間に殴り込めるように、私とお母さんのための準備をできるということだね。


ここで私はこの魔法の設置でみんなにチヤホヤされていたが、契約でかなりの魔力を使ったらしく倒れてしまった。

急に意識が遠くなってばたりといってしまったそうで、それをみんなが囲んで心配しながら空いてる木造の小屋に連れて行ってくれたらしい。




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このアスタリアが村を自分のものにして守りを固めている間に大魔法使いも動き出していた。

少し前に13カ国の連盟が話し合いを始めたがその後に、7人も大魔法会議(ワルキューレ)を開催した。


「様子は見てきてたけど、今はそんなに警戒するほどでもないよ」


猫口の少年がそう言うとオレンジと黒の短髪少女が反発した。


「うちも見てきたけど、あれは回りくどいやり方に特化してるタイプだよ。直接的な攻撃はあまり持ってなくても、蛇らしく低いところから狙ってくるね」


その2人の意見を聞いて紳士はこれをどうするべきか他のメンバーに尋ねることにした。


「他の皆さんはこの蜥蜴(とかげ)の後を継ぐ蛇をどうしたいですか?私なら何もせずに成り行きを見守りますね」


この紳士の発言に大魔法使いは自分達の考えを提示することにした。

彼女という仲間にしても敵にしても食えない相手になりそうな蛇について。


「キルスタンは何もしないのね。まぁ、それが妥当ね。下手に巣を(つつ)いて小蛇かと思ってたら大蛇に喰われたなんてことになったらシャレにならないものね」


つまり、この緑髪ショートボブのお姉さんも何もしないということだ。


「シャーハッハッ!我なら一度はその巣に手を出して噛まれてみるがな!今回はあまりにもあちらに分があるから様子見ということにしよう!」


水色ツインテールの服の下に水着を常備している少女も動かないと言った。


「ニャー、僕は面白そうなことをしてるから手を組むつもりでいるよ。僕の手持ちには魔王の猫王タルトもいるからね。彼との関係を餌にして釣るさ」


茶髪ショタの〈猫のケルタ〉はアスタリアのいる南からの隣である南東だからそんなことができるのだ。


「うーん、ならうちも魔王デルタをお土産に遊びに行くとするわ」


オレンジと黒の髪の〈蜂のビーシス〉のこの発言で場は凍りついた。

その理由はアスタリアより危惧される存在である魔王デルタを使うと言ってるからだ。


「あー、俺は見てるだけにするぜ。これこそ成り行きを見守る以外にできることは無いからな」


「俺もやめておくことにします。別にお姉さんはデルタと関わりたくないわけじゃないですからね!」


残りの金髪の男性と銀髪の女性も見守る側になった。

これでアスタリアに手を出すのが南側に近い2人だけになって、5人はこの2人でどうなるかを離れて観察することになった。


この軽率な大魔法使いの行動で後々大変なことになると知らないで。

ここからタイトルが変更になりました。

変更理由はわかりにくい気がしたからです。今後もよろしくお願いします。

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