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第1話 転生で最強の継承者

 私は市上のどか。

 ある日、大学の帰りに事故って死んでしまったの。それもあっさりと。

 その日は変な女の占い師に「あなたは偉大になれる」とか言われたけど、そんなのあるわけないんだよね。

 だって、運命ではここで死ぬことが決まってたのだから。


『あなた様は受け入れられました。大魔法使いアルメリアの娘としての転生を許可します』


 はっ?なにそれ?誰の声だか知らないけど頭いかれてるんじゃないの?こんなに血を流してるんだよ?

 バスと瓦礫の下敷きだよ?こんな時に変なことを言うなんて変人とかでしょ。

 と思ったけど、ちょっと頭を上げてみたらあの占い師が立ってるよ。どうやって事故現場に入ってきたんだよ。


『あなた様には転生の権利があります。ここで運命に負けて死ぬか。転生して人生を楽しくやり直すか。二択でお選びください』


 変な占い師が私のなにを知ってるのよ。運命に負けるか、人生をやり直すか?

 やってやろうじゃない!選択は一択よ!


「やっ…ってやろうじゃ…ない!」


 私が死にかけで意識が薄れる中で言った一言で、その占い師は笑み浮かべた。


『ようこそ。()主人(あるじ)、我らの世界はあなたを認めます』


 その声を聞いたところで私は完全に死んでしまった。享年19歳だった。若かったなぁ。







 死ぬ前に私が会話していたことが本当なら、私はこれから転生でアルメリアとかいう人の子どもになるみたいね。

 知らない人の子どもになるのに私って冷静だなぁ。


『アルメリア様よりあなた様はアスタリアの名を与えられました。魔力の譲渡および魔法の取得を開始します』


 なに?次のお母さんから名前をもらったの?ついでに魔力の譲渡までしてくれたの?

 なんか嫌な予感がするな。


『この世界からのプレゼント《万能の魔法(デウスエクスマキナ)》を獲得しました。これから私がサポートします』


 はいはい、さっきの占い師と似た感じの声の機械ボイスだけど、あれとは全く別という考え方でいいのね。


『あなた様に適した魔法を選択しました。《高速治癒》《目視模倣》《無音世界》《魔力毒素》《魔力吸収》《魔力変換》これらを獲得しました』


 いやいや!一度に得る魔法が多いし強すぎるでしょ!

 てか、この世界だと魔法はスキルみたいな物なんだ。多分使うごとにごっそりと魔力を持っていかれるんだろうな。


 最初はそう思ったけど、すぐに《魔力吸収》で他人から奪って《魔力変換》で自分のものにすれば、吸える相手がいる限り無限に魔力を使える!ということに気づいた。

 って、これじゃあ魔王かなんかみたいじゃん。


『獲得した魔法と名前を魂に記録します。……成功しましたので、次は魔力を変換してご自身のものにします。……成功しました。準備ができたのでこれから転生に移ります』


 ようやく霊体から実体になれるんだ。

 どんな体になるのか結構楽しみだな。前は普通の女の子だったから、今度は美少女になろう!





 そんなことを一人で騒いでいると、ふっと新しい体に魂が入るのを感じた。

 恐る恐る目を開けてみると、視界になんかモヤモヤしたものが映るけれど一応転生に成功したらしい。


「やったー!今度も女の子だ!」


 自分の体をペタペタ触りまくって性別を確認した。それで女だと分かっていきなりはしゃいだ。


 しばらくして背後で誰かの咳が聞こえて振り返ってみると、そこには綺麗な女性が立っている。

 ただ、その体はだんだんと消えてきている。

 それを見た私にはそれがお母さんなのだとすぐに分かった。自分の命を犠牲にして私を生み出したんだ。


「アスタリア!女の子なのにはしたないですよ!なんてね」


 優しそうなその人は微笑みかけてそう言った。その声まで薄れている。


「初めまして、お母さん?」


 私はまだ確証を得られたわけではなかったので一応疑問符をつけて挨拶した。

 すると、彼女はクスクスと笑って私を愛情たっぷりに抱いた。その体は大きくて小さな私なんて簡単に包み込まれてしまった。

 てか、色々と羨ましい体をしてるよ。この人。


「あなたが死ぬ運命なのは知ってたわ。だから、あなたにチャンスを与えようと思ってこの命を犠牲にしたの。私は大魔法使いだから命を代償に命を作るなんて簡単だったわ」


 いきなり重いことを言われたけれど、それは魔力を譲渡すると言われた時点で予想ができていた。

 お母さんはその命を犠牲にするから魔力を受け渡せるんだろうなって。


「あそこで死んだ私のためにその命をくれたんだね。やり残したことがあるなら私が代わりにするよ」


 私を不憫(ふびん)に思ってくれたんだろうけど、これだと私程度に命を使ってくれたお母さんの方が不憫(ふびん)に思えたから、何かの役には立ってあげようと思ってそう言った。


「そうね。それなら〈蜥蜴(とかげ)のアルメリア〉の後を継いで大魔法使いとして、この大陸の歴史を壊して欲しいかな」


「分かった。〈蛇のアスタリア〉がその役目を引き継ぐよ」


 この会話でとっさに出てしまったが、私もお母さんの種族と力を継承してすでに称号も持ってるらしい。


「ありがとう。これで心置きなく全てを託せるよ」


 それを最後の言葉にしてお母さんは旅立ってしまった。満面の笑みで娘と別れられたのは良かったのだろうか。

 逝ってしまった今では聞くこともできない。






 ちょっと寂しくはあったけど、約束もしたからすぐに切り替えた。

 それから、周りをチェックしつつ、お母さんが消える間際に渡してくれた魔法もチェックしよう。


『アルメリア様が残した魔法は《魔力感知》《絶対支配》《魔女の威圧》《スケルトン召喚》《ゾンビ召喚》これらになります』


 意外とアンデット系の魔法使いだったらしい。見かけによらずってこういう時に使うんだね。

 こうやってもらった魔法をチェックしていて、《魔力感知》が目に止まった。


「ねぇ、もしかして視界のモヤモヤって魔力だったりする?」


『その通りです。ここは高濃度の魔力が充満してるので、魔法使いや魔物はそれがはっきりと感知できなければ邪魔になります』


「なら、魔力感知を受け取ったから使えるようにしてくれない?」


『チッ、かしこまりました』


 うん?今この魔法の声が舌打ちしなかった?絶対に主人に対して舌打ちしたよね!

 まぁ、とりあえずそのことは置いておいて、視界は魔力を感知して視界が邪魔されないようにそれの感知レベルを調整してはっきりした。

 視界が手に入ればこっちのもの。お母さんの部屋から色々と調べられる。

 と思ったけど、ここは小屋でそんなに物は無かった。大魔法使いと言ってたけど、隠居でもしてたのかな?


「マキナ、この小屋に大陸の地図はある?」


『おそらく、本棚に一緒にあるものと思われます』


 その声に従って本を片っ端から出していくと、本の間に大陸の地図が挟まっていた。

 それを開いて今いる場所をマキナに教えてもらった。


『現在地は大陸中央のウィリア魔法界南部です』


 横長の大陸の北の海に面する広大な土地の南にこの小屋はある。


 それ聞いてさらに調べたいと思ったら、近くにこの世界についての本があったのでそれを読んでさらに知ることにした。





 《大陸説明書》

 この世界には大陸が存在して、その中央に魔物と大魔法使いの巣窟〈ウィリア魔法界〉が存在する。

 そのウィリア魔法界は8人の大魔法使いが支配していてる。

 北を〈鷹のキルスタン〉南を〈蜥蜴(とかげ)のアルメリア〉西を〈蝶のニーチェ〉東を〈龍のジュラル〉中央を〈獅子のグルーガー〉北西を〈鮫のカタルシア〉南西を〈蜂のビーシス〉南東を〈猫のケルタ〉

 内部はこのメンバーが治めているが、この大陸は4割を占めるウィリア魔法界の他に13カ国が存在している。

 ウィリア魔法界とその南部にくっついている一国を境に、六国ずつが左右対象になるように置かれている。


 《大陸魔法界の書》

 この世界では大魔法使いが最強の位置づけで存在している。

 それは人間の国から稀に生まれて、今では8人になっているがこれを人間達は災厄と呼んで自分達から切り離そうとしていた。

 それに対して大魔法使い達は何百年も前から人と見られなくなった恨みを募らせている。

 その大魔法使い以下ではあるがこの世界には8人の魔王も存在する。その強さは種族にもよるが、大抵は大魔法使いの配下になったり、個人で建国したりしている。

 つまりは魔王は大魔法使いにほとんど勝てないくらい弱い。





 この世界の事情や背景を知って、私はこの世界で生まれて初めて怒りというものを覚えた。

 この世界の人間はお母さんを苦しめてから捨てた。そんな非人道的行為がよく出来るな。

 あまりにも汚すぎて、反吐が出そうだ。


 だって、この世界で最強を誇る大魔法使いは元々人間なのに、人として扱ってくれれば何の危害も加えない人達を、ただ強すぎて制御できる自信がないってだけで森に捨てるなんて許せない!

 ってあれ?なんで私はこんなことまで知ってるんだろ?


『おそらく、アルメリア様の全てを託された際に記憶も一部ですが渡されたのだ思われます』


 なるほどね。これがお母さんが言ってた大陸の歴史の破壊の目的なわけだ。

 これなら私でも出来そうだ。人間ではない大魔法使いにかかればね。


 そう思いながら私は部屋の隅にあった鏡に向かった。

 そこに映った姿は150cmくらいの少女で、黒髪のセミロングに青い瞳と真っ黒なドレスに真っ黒な靴と、黒蛇のように全身真っ黒な14歳の見た目だった。


「シュル。これが〈蛇のアスタリア〉の姿なのね。随分と暗闇に紛れて狩りができそうだね」


 その姿を鏡に近づいてまじまじと観察して私は自分にシャー!と威嚇してみた。その姿を見てクスクスと笑った。


「さて、お母さんは大陸の歴史を壊して欲しいと言ってたから、まずはここから出ようかな」


 色々と調べ終わったので出る準備を始めた。

 この小屋は森の中にポツンと建っているが、この近くにはアルメリアの領地に住む魔物の村があるらしい。

 お母さんから全てを託されたのならそれも私の物になったってことだから、早速それの所有者を私に変更したいと思う。

 だから、最初の目的地は魔物の村〈ケイオス〉に決定だ。




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 こうして新たな大魔法使いが新しい人生を楽しみ始めた頃、世界中では〈蜥蜴(とかげ)のアルメリア〉の死亡が騒ぎになっていた。

 なぜならその死んだ場所に〈蛇のアスタリア〉が誕生してしまったのだから。


 アスタリアはその名も称号も13カ国のすべてに大魔法使いであるが故にバレている。

 彼らは自分達の脅威になる大魔法使いを監視するために、ウィリア魔法界に魔法を張り巡られせている。

 だが、この監視を無視できる者もいてあまり役に立ってはいない。その代わりに中にいる4人の魔王の動向をチェック出来ている。

 残り4人は外の13カ国の仲間に入っていて、四国の土地を自分達のものにしている。


 そうやってアスタリアの情報を得たが、今は情報不足で何も出来ないのでただの監視対象にすることになった。





 その魔法で得たアスタリアのデータ


 個体名:アスタリア

 種族:大魔法使い

 称号:蛇

 所属:無し

 究極魔法:無し

 固有魔法:《万能の魔法(デウスエクスマキナ)》《目視模倣》《無音世界》《アンデット召喚系》

 特殊魔法:《魔力吸収》《魔力変換》《魔力毒素》《高速治癒》《絶対支配》《魔女の威圧》

 普通魔法:《魔力感知》

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― 新着の感想 ―
[一言] これが転生ものかあと、 初めて拝見させていただきました。主人公が割と冷静に死を受け入れているなーと思いました。 大陸名や魔法の属性が一気に出てくるのは追いつくのが大変でした。一気に大冒険に…
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