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ツヨイチカラ  作者: 桃馬 穂
第7章 「深海の攻防」(ROV降下〜妨害対処〜接近戦の縁)

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第7.2 量子パルス:見ている目

 ≡ Quantum Pulse 7.2 / The Watching Eyes


 二十時三十四分、沿岸監視センター。半灯の室内で画面の青は抑えられ、報告は代表ひとつに集約されている。紙帯は乾いた音で送り出され、椅子は鳴かない。

 海上の主対象は浅い水路の内側に留まり、推力の脈は外から拾えない。波形の立ちは検出されず、船影は低いまま角から角へ等間隔に移る。速度変動は小さく、方位は一七一で固定されている。

 水中の副対象は降下を継続し、砂の巻き上がりは観測域以下に抑えられている。底面散乱は微で視程低下は短く、ケーブルの撓みは許容内で姿勢の戻りも遅れない。記録上の拍は、操作側と整合している。

 学園端末は二系統で稼働し遅延は三分の一拍、研究側の計測は温度揺れがなく補正が保たれている。三点の重なりは九割付近で安定し、抜けは見えない。沿岸の耳は杭と柱影に固定され、増設なしでも足りている。

 同帯域に一本の直線が現れ、周期は一定で角度はわずかにこちら寄りだ。海底の濁りは微増しても収まりが速く、粒が立つ前に沈む。誘導は効き続け、上からの注視は緩く分散されている。

 主任は輝度を半分で止め、紙帯の端に指を置いた。空調は低く回り、蛍光の唸りは切られている。秒針のない時計の点が静かに滑る。

 主任「宣言は保留。測り続けろ。」

 一致率は八割台で推移し、外乱は少ない。数字は短く、順番は変えない。見えないものには触れず、見えたものだけを束ねて残す。

 主任「以後、代表のみ。次報は六分後だ。」


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