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悪役令嬢の義母~将来の嫁を守るのは私だ!!~  作者: 景華
母であり、義母である、らしい。

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11/25

11・気まずい帰省

 

 聖女様による防御壁の修復を終えて、私の父と兄のいる実家──ラフレシス公爵家へ向かった。


 門をくぐった瞬間、思わず全身の力がふっと緩んだ。

 だって本当に久しぶりなんですもの。

 ああ、帰ってきたんだなって、ふとそう思った。

 王妃になってからというもの、こうして気兼ねなく戻れる機会なんてほとんどなかったし、王妃がどこか固定の家に入り浸るのはよろしくないものだから……。


「ようこそ王妃さ──いや……。おかえり、リーゼロッテ」

「っ……ただいま、戻りましたわ」

 3年ぶりにお父様の声を聞いた瞬間、危うく泣きそうになったのは秘密だ。

 隣にお兄様もいて、私に優しく微笑んでくれる。うん、変わらない。

 大好きな家族たちそのままだ。


 そんな柔らかい空気も束の間、次に私の隣に立つ人物にお父様たちが向けた視線は、明らかに私に向けたそれとは違うものだった。


「陛下、お久しぶりにございます」

「あぁ」


 空気がピリッと張りつめるのがわかる。

 その原因はきっと、私の隣にいるセドリックと、そのさらに隣にいる聖女────ローラ。


 そしてお父様がゆっくり口を開いた。


「ここまでもしっかりと聞き及んでおりますとも。セドリック国王陛下と聖女様は、大変仲睦まじい、と」

 ああもう、その言い方。完全に棘がある。

 誰が聞いても、その噂についての苦言だというのがわかるほどの鋭い言葉。

 だというのに当の本人はというと──。


「言わせておけばいい。噂は噂だ」

 うん、……まったく気にしていない。

 いつものことだけど、この人は本当にこういう場面でも平然としている。

 本当、何を考えているのか……、私にもさっぱりだわ。


 その返答を聞いて、お兄様のこめかみがぴくっと動いたのを、私は見逃さなかった。

 あぁああああっ、お願いだから、ここで剣を抜いたりしないでね!?

 ありがたいけれど、私のことは本当に気にしなくていいから!!

 いのち、だいじに!!!!


 心の中で必死にそう祈っていると、セドリックがふと真面目な顔になった。

「公爵。少し、三人で話がしたい」


 三人――つまり、お父様とお兄様と、セドリック。

 え、ちょっと待って。

 ってことは────。


「リーゼロッテ、君はここでローラと待っていてくれ」

 そうさらっと言われて、私はにっこり笑ったまま固まった。


「………………はい?」


 え、これまさか………聖女様ローラと、二人きり?



 うそぉ……。



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