レベルとスキル
ニュートン君を説得できるよう、俺たちが強くなるためアダムズさんからの話が始まる。
『それでは早速始めるかの。さて、どこから始めたらよいか、、、。そもそもの話になってしまうのじゃが、三人はレベルやスキルというものがどういうものかわかっておるかの?』
俺は昔遊んだRPGなどの知識をなんとなく思い出しながら答える。
『レベルはその個体の成長度を、スキルは習得した能力を表したものでしょうか?』
『ふむ、そうとも言えるが、、、それではなぜモンスターを倒すとレベルが上がるか説明できるかの?』
俺は答えられなかった。確かに、なぜモンスターを倒すとレベルが上がるのだろう。なんとなく戦闘によって経験値を得たからではないかと思ったが、それなら戦闘時にレベルアップしてもいいし、相手の命を奪わなくてもいいはずだ。しかし少なくとも、これまでのレベルアップはどれも必ず相手を殺した直後に起こった。ということはレベルアップの条件には相手を殺すことが含まれているはずだ。だがそれがなぜなのかはわからない。当たり前のように考えていたがなぜ相手を倒した後なのだろう?
『モンスターを倒した時にレベルが上がるのは、相手の魂の一部といえるべき部分を吸収するからじゃよ。そもそも、レベルというのはその生き物の魂の大きさを表しておるのじゃ。』
アダムズさんの話によると、この世界ではすべての生き物には魂というものがあり種族によって差はあれど最初はどの生き物も一定の魂の大きさらしい。魂の大きさは体力と魔力の器のような役割を果たし、大きくなるほど体力や魔力を保持できる。レベルを上げるという行為を言い換えれば、他の生き物の器を壊して自分の器を拡げる材料にすることなのだとか。
『レベルが上がるほど魂の器が大きくなり体力や魔力が増える、その分戦闘において強くなれるわけじゃ。納得できたかの。よし、次はスキルの話に移るとしよう。三人のレベルやスキルを教えてもらおうかの。』
俺たちはアダムズさんに言われるがまま、各々のレベルやスキルなどを伝える。
名前:カヤイ
種族:蟲人(幼体)
体力:34/34
魔力:4/31
レベル:8
スキル:虫モンスターテイム、自己修復、蟲生成、生命力譲渡、念話、生成蟲強化
名前:ソフィア
種族:人間
体力:14/14
魔力:9/9
レベル:4
スキル:基礎魔術(火、水)、隠密行動、念話
名前:ネラ
種族:スケルトン
体力:13/13
魔力:16/16
レベル:3
スキル:暗視、不眠不食、死体使役、念話
『ふむ、なるほどの。三人ともまだまだレベルが低くこれから成長の余地がありそうじゃな。しかしその強さではこの森で生き残るのも簡単ではなかったじゃろうて。大変じゃったな。』
確かにアダムズさんの言う通り、これまで危ない場面が多かった。湖での舌を出して引きずり込もうとしてきた謎の生物、拠点にしていた洞窟を奪ったジャイアントリザード、夜襲をかけてきた盗賊団、どれも手も足も出ず、一歩間違えば死んでいてもおかしくなかっただろう。
『スキルとは、先ほどカヤイが答えたように能力を表すものと思ってもらってよい。スキルの名称で大体の内容がわかるはずじゃが、なにかスキルでわからないところはあるかの?』
『スキルを得るための条件は何があるの?』
ネラさんによる質問だ。
『ふむ、スキルは種族によって決まっているものと、経験によって得られるものの2種類があるの。例えばカヤイの【蟲生成】やネラの【死体使役】は種族特有のもので、人間のソフィアや木人であるわしらには習得できないものじゃ。これら種族特有のスキルは一定の魂の器になれば、つまりレベルを上げることで得られる。それ以外の【念話】などのスキルはそれぞれ必要な条件が決まっており、努力による部分が大きい。例えば、【念話】を取得する条件には名前を持つことと一定の知能があることで、その二つをクリアしておれば大抵習得できる。習得の早さには個人差があるがの。』
『なるほどね、勉強になるわ。アダムズさん、私の場合どのようなスキルを覚えたらいいと思う?』
『ふむ、そうじゃの。ネラは【死体使役】のスキルがあるからの。肉体を修復したり改造するスキル【手術手術】があるとよいんじゃがのう、これにはかなりの経験が必要となるため後回しじゃ。今やるとしたら【死霊術】じゃな。このスキルは死者の霊とコミュニケーションをとることができるようになる。使い方次第のスキルじゃが、うまくいけば死体に死んだ戦士の霊を憑依させることができるようになるぞ。』
『取得するための条件などはわかるかしら?』
『条件じゃな。それは死者の霊とコミュニケーションをとろうとすることじゃが、、、すまん、その前に【霊視】のスキルが必要じゃった。【霊視】は幽霊を見ることが可能になるスキルで、死者の霊を見ようと意識し続ければ取得できるようになるはずじゃ。アンデットであるネラならすぐに習得できるじゃろう。』
『とりあえず、【霊視】を、その次に【死霊術】を取得すればいいのね。わかった、頑張るわ。ありがとうアダムズさん。』
『どういたしましてじゃ、成功を祈っとるぞ。』
どうやらネラさんのやるべきことが決まったようだ。若い頃に旅をしていたというアダムズさんの知識は豊富で、俺たちの知らないスキルなど貴重なことを教えてくれる。俺とソフィアにはどのようなアドバイスをくれるのだろうか。期待が大きくなってきた。




