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骸骨さん


骸骨さんは死体を自分の仲間にすることができることが発覚し、俺は【念話】を使って骸骨さんに質問をする。


『ゴブリンたちは骸骨さんが自由に命令したり操ったりできるんですか』


骸骨さんはコクリと頷く。疑うわけではないが、どのようなものか気になる。なにか命令してみてくださいと言うと骸骨さんはしばらく考えた後、3体のゴブリンに騎馬を組ませ、それに乗った。俺はその一連の様子を見ながら考える。


(どうやら命令するには俺が触角を虫たちに触れさせてたように、骸骨さんも手を触れさせる必要があるようだ。もし【念話】を習得したら同様に距離があっても操作できるようになるかもしれない。もしそうなれば虫を操る俺と死体を操る骸骨さん、、、、これはなかなかいいパートナーになれるかもしれない。俺が虫を使ってて倒した敵の死体や虫に集めさせた死体を骸骨さんの仲間にしたらきっとすごいことになるぞ。・・・しかし目の前のゴブリンが組んだ騎馬に乗る骸骨の光景、なかなかシュールだな。)


おれは命令の様子を見せてくれた骸骨さんに向かって拍手をする。すると骸骨さんは少し照れたようにして騎馬から降りる。そして騎馬を指さした後、次は俺に乗るよう勧めてくる。


おれは少しためらったが断わるのも気まずい気がして騎馬にのる。・・・おお、自分の視線が高くなってちょっと偉くなった気分になる。これはいいな。高くなった視線を楽しんでいると骸骨さんがこちらをみて拍手したのでおれも少し照れて騎馬から降りた。


そのあとは俺が【念話】で一方的に骸骨さんに喋り骸骨さんはうんうんと相槌打ちながら拠点へ向けて歩いていく。早く【念話】を覚えて会話をしたいな。相手が念話を使えない以上どうしようもないことだが、一人だけ喋っているというのは何か相手に悪い気がしてくる。ああ、俺が念話を使えない間、もしかしたらソフィアもこんな気分だったのかもな。


そんなことを考えながら歩いているとしばらくして拠点が見えてくる。どうやら拠点はまた少し増築されて大きくなっているようだ。今も遠目にアントとキャタピラーたちが拠点を強化している様子が見える。


『みんな、今帰った。俺の他に骸骨とゴブリンが3体いるが敵ではない。攻撃するな。』


俺は拠点に着くと【念話】を使用して仲間たちが骸骨さんたちを攻撃しないように伝える。


『おかえりなさい、カヤイさん。、、、えーっと、なにがあったのですか?』


拠点内でソフィアがこちらに近寄りながら【念話】で話しかけてくる。


『ああ、ちょっと話すことがあるな。でも腹が減った。食事でもしながら話そう。』


おれは念話でそう返すと、俺、ソフィア、骸骨さんの3人とゴブリン3体でぞろぞろと食糧庫へ行った。


食糧庫につき、三人で輪になるように座った。ゴブリンは従者のように骸骨さんの後ろで立っている。


『ソフィア、俺は今、蟲人だが実はもともと違う世界で人間だったんだ。』


俺は食糧庫にあった果物を食べながらソフィアに念話を使って話す。


『そうだったんですか!?・・・そういえば蟲人にしては変に協力的で違和感がありましたがそういうことだったんですね。もっと詳しく聞いてもいいですか?』


俺は念話を使い、違う世界で研究者を目指していたこと、事故で亡くなったこと、死んで気づいたらこの世界で蟲人として生まれ変わっていたことなどをかいつまんで話す。


『なるほど、なるほど。そうでしたか。実は昔話などで異世界から来た登場人物などが出てくることがあるのですが本当にそういう人に会ったのは初めてです。』


ソフィアは念話でそう話す。そうなのか、どうやら俺たちのようにこの世界に転生してくる存在は全くなかったわけではなさそうだ。かなり希少だろうが。


『そしてソフィア、この骸骨さんも俺と同じ世界からこの世界に生まれ変わった人だ。そういえばちょっと聞きたいんだが、骸骨が動くといいうのはこの世界では、その、普通なことなのか?』


『えーと、珍しいと言えば珍しいかもしれませんがそこまで異常なことではないと思いますよ。魔術師の中でもネクロマンサーとして死体を使役させる者がいると本で読んだことがあります。私の街ではいませんでしたが知り合いが他の街で一度だけ見たことがあると言っていました。』


俺はそう聞いて安心する。それならいつか街に行くとき彼女も同行することができるな。仲間と行けば心強いし、何より一人で行くより何倍も楽しいだろう。そしてそこでまた、念話を使うためには名前が必要だったことを思い出す。俺は念話を使ってソフィアと骸骨さんに話しかける。


『ソフィア、念話を使うためには名前が必要なんだったよな。申し訳ないんだが彼女の名前を考えてあげてくれないか?骸骨さん、そういうわけなんですが彼女に名前を付けてもらうことでいいですか?』


骸骨さんはこちらを見て、少し悩んだ後、首を横に振った。どうやら嫌らしい。出会ってから間もないが初の拒否だ。俺は念話で質問する。


『何か都合の悪いことでも?』


骸骨さんはこちらを見たあと、少しためらった後地面に指で字を書いた。カタカナで《ネラ》と書いてあった。どうやらこの名前がいいということか。なるほど、自分で自分の名前を考えたいという人もいるだろう。


『この名前がいいということですね。ではこれからネラさんと呼びます。ソフィア、そういうわけで彼女の名前はネラで。俺が先走ったせいで空振りさせるようなことを言った。悪い。』


『いえいえ、だいじょうぶですよ。ネラさんですね。よろしくお願いします。』


頭の中でアナウンスが流れる。


【仲間であるスケルトンの名前がネラになりました。】


こうして仲間である骸骨さんの名前が決まった。


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