全滅もあり得る
土曜日の睡眠時間がえぐいです。気付いたら昼過ぎ…
「そういえば、皆さんはあの洞窟に何をしに行ったんですか?」
少し強引に話を切り替える。一度話題を作り替えることができればこの悪い雰囲気からも逃れられるだろう。想像通り姉妹の口喧嘩は一度中断され、視線は三人の方へと移る。
「あぁ、依頼だよ。ギルドの依頼。あそこの洞窟の地図を作って欲しいって」
それに答えてくれたのはやはりドリーさんだった。
「地図ですか?」
「どうやらあの洞窟には光る苔みたいな植物があるらしくて、それが薬になるらしいんだけど、地図がまだ完全じゃないらしいんだ。それを完成させるっていう依頼がギルドにあってさ」
「完成したんですか?」
「したと思うかい?」
ダメだったのか。いや、想像通りではあるが。
「何割くらいできました?」
「体感三十分くらいは歩いていたかな。そこでモンスターと遭遇してこの有様さ。二人は勝手に傷つけ合うしね」
「それは何というか、お疲れ様ですね」
そのモンスターがどれほど強いのかはわからないが、仲間割れが起きている中、この程度の傷で帰ってこれたのはかなりの幸運だろうな。
「依頼はどうするんです?」
「破棄はしない、報酬が良いんだ。と言っても策を練らないとな」
この分だと次回で全滅もあり得るとぼやいていた。可能性は高い。話題を変えて一度静かになった二人も、私がドリーさんと話している間に再び口喧嘩をしているくらいだ。これでは地図が完成するまでにどれくらいの時間がかかるかわからないぞ。
「ブレッドさん」
「手伝いをするって?」
思考でも覗いたのだろうか。思わずドキリとしたぞ。
「いいんじゃない。放っておくのも気分が悪くなるでしょ?」
そして考えることさえ私と一緒だった。
「貴女、段々と私に似てきました?」
「元から似てたんじゃない?あとシロカが他に考えていること、当ててあげよっか」
「え」
「アタシの母親のところに行くのが遅れるけど、良いのかなって思ってるでしょ」
完全に見破られてしまった。そんなに私はわかりやすいだろうか。
「気にしないでよ。もう何年も会ってないんだから、今更数日会うのが遅れるくらい何ともないよ」
「本当ですか?」
「こんなことで嘘をつくと思う?」
「…まぁ、そうですね」
本人が言うんだ。私にできることはそれを信じることだけだ。
彼女には悪いが、この人助けに手伝って貰うとしよう。




