アタシ未成年なんです
…んん。
気がついたら窓の外が暗くなっていた。自分が想定していた時間よりも眠ってしまったようだ。
シロカは…部屋にはいない。しかし彼女の荷物がここにあるということは、寝ている間に一度部屋までは来ていたようだ。
探しに行こうか。ついでに町を歩いてこよう。この町に来るのは初めてだから、何があるのかわからない。
そう思って外に出ると、町にたどり着いた昼頃と比べて随分と賑やかなことに気がついた。町の至る所に灯りがついており、人通りも多い。祭りか何かかと思ったが、その割に露店などが開かれていなかった。
「おぅ。おねーさん、一人かい?」
シロカを探して人混みの中を歩いていると、明らかに酔っ払った様子のおじさんが話しかけてきた。ナンパかとも思ったが、そこまで頭が回っていなさそうだ。
「良かったら、おっさんと一緒に飲みに行かないかい。良い店を知ってるんだ、酒と飯が旨いんだぜ」
その話を聞いて周りを見てみると、この賑やかさの理由がわかった。ここは飲み屋街なのだろう。酔っ払った人々が楽しそうに肩を組んで歩いている。
「悪いけど、アタシ未成年なんです」
「ははぁ。んじゃ、飯を旨い店を紹介するわ。酒はまぁ、成人したら飲めや」
そう言うとおじさんはお店の方角と名前だけ教え、ふらっと違う店に入っていった。
シロカを探す必要はあるだろうが、一旦腹ごしらえをするくらいはしておこう。おじさんに聞いた店へと向かうと、確かに美味しそうな匂いがする。
店に入りパンを頼むと、バゲットの上にハムが乗ったものが出てきた。ちょうど良い塩加減で脂の乗ったハムと、素朴な味付けのパンの組み合わせは中々相性が良いものだ。食欲がそそるその味のおかげで、四枚くらいあったパンをペロリと食べ切ってしまう。
この店もお酒は出しているようだが、周りを見てるとアタシと同じようにご飯を食べている人が多いように思える。そしてここにいないということは、もしかしてシロカはお酒を飲みに行っているのだろうか。もちろん他の店を見ていないから何とも言えないところではあるが。
勘定をして店から出た後に、アタシはしらみつぶしにシロカを探し出すことにした。




