もう半年近い付き合い
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最近シロカの様子がおかしい。
以前に怪しい薬屋を取り逃してからというもの、心ここにあらずとでも表現すれば良いだろうか。常にそわそわしてるような、そんな感じだ。
明らかにあの時のシロカは変だったものな、と今ならば思う。前々から暴走することはあったものの、自分から人に向けて剣を向けようとする姿勢は見たことがない。
ふと似たようなことを考えたことがあると思い出す。あれはいつのことだったか。確か、教会のある村で。そうだ、神の名前を色々言った時だ。あの時もシロカは動揺していたというか、様子が違った。
何が理由でこうなっているんだろうか。考えてみれば、アタシは彼女の過去をいくつか教えてもらったものの、彼女自身のパーソナリティを知らない。彼女の好きなものも嫌いなものもよくわかっていない。
それって、よく考えるともやもやするなぁ。
「ブレッドさん?」
考え事をしていたせいか、気がつけば目の前でシロカがアタシの顔を覗き込んでいた。悩みを抱えた表情を見られてしまっただろうか。
「どうかしました?」
「何でもない。それより、そろそろ次の町に着くんじゃない?」
かなり強引に話題を変えるが、噂をすればなんとやら。視界の遠くには小さな町並みが見えた。
「それじゃ、行こうか」
「…ん。わかりました」
シロカの手を引いて走り出す。小さく見えた町並みが段々と大きくなっていった。
たどり着いた町は長閑なところだった、と言えば聞こえはいいのだろう。言い方を変えれば、特徴のない田舎町だ。
ギルドもない町のようだし、あまり長居することもないだろう。数泊して体を休めたら次の場所に行くことにしよう。
いつものようにシロカより先に宿屋を探してチェックインを済ませ、部屋へと荷物を運ぶ。いつもならばこのあとにシロカを探しに行くのだが、今回はそのままベッドへ倒れ込んだ。疲れたわけではない。記憶の中に浸りたかったのだ。
シロカとはなんやかんやで、もう半年近い付き合いだ。初対面の時は妄想の激しい変な子だとか思ったっけ。ステータス低かったし。今も低いけど。
でもその後一緒にいてわかった。勇者と言われるのに値するような優しい人ではあると思う。
だからこそ、彼女の助けになってあげたいと思うのだけど。一体どうすれば良いだろうか。
良い考えが生まれないまま、気がつけばアタシは突っ伏したベッドの上で夢の世界へと走っていった。




