背後から近づく何かに気がつかず
誤字報告ありがとうございます…!
基本スマホで文章打っているのですが、こんなにミスするならpcから更新するようにした方がいいかな…。
段々と毒らしき液体が水溜りの如く地面に溜まってきた。色といい、感触といい、まるで血の海だ。本当に私の後ろにブレッドさんがいたならば、冗談抜きでギョッとするぞ。
過ぎてしまったことだと割り切り、ようやく色鮮やかな草花だらけの場所を突破すると、今度は先の見えない洞穴が現れた。壁を触ってみるが蔦が這っている様子はない。これならいつも通り火球を作り出しても大丈夫だろう。
火の玉を作り出して景色を鮮明にすると、これまた地面に幾つかの花が咲いていた。しかし何故だろうか。これらの花は先ほどの毒々しい液体を出すものと異なり清廉な、触れたくなるような印象を持ってしまう。
この中にナタァカイセの花はあるだろうか。花に引火しないように気をつけながら、記憶の中にあるあの花を探す。
洞穴はかなり奥の方まで続いていた。そして次第に炎の玉がなくとも先が見えるようになっていく。どうやら天井が崩れて陽の光が差し込んでいるらしい。わずかな光に照らされる花は一つ一つが美しく見える。
その景色に私は、どこかデジャブのようなものを感じていた。嫌な記憶が蘇ってくる。あの時私は──。
「あっ」
思わず声が出た。見つけた。
空のように澄んだ青色の花。思わず触れることに躊躇してしまうような美しい花。そして私の記憶にあるあの花。
咲き誇る青い花を、持ってきたシンさんの絵と見比べてみる。花の色以外にも花びらの形だとか大きさだとかがそっくりだ。間違いない。
この花を持って帰ろう。そう思って手を伸ばした時だ。ある光景がフラッシュバックした。
確かあの時、急いで花を取ろうとした私は。
背後から近づく何かに気がつかず──。
「シロカ、危ない!」
響いた絶叫で意識が戻る。素早く跳躍してすぐ後ろにまで迫っていた蔦を避けた。その瞬間、嫌なデジャブは消えた。
「間に合って良かったぁ。ケガとかない?」
「はい。その、助かりました」
「気にしなくていいって。それより、あれ何?」
蔦の先を見ると不自然に一部分だけ地面が盛り上がっている。もしあの時と同じならあそこにいるのは。
「ブレッドさん、石とかありますか」
「え。これでいい?」
近くにあった小石を貰い、礼を言いつつ盛り上がった部分へと投げつける。
するとその地面から、3メートルはあるであろう巨大な花が現れた。地面を貫いて湧き出るように出現するその様子は、まるでゾンビが生まれたかのようだ。
「何あれぇ!?」
「多分、植物型のモンスターです。捕まると食べられてしまいますので気をつけてください」
「えぇぇ。それは困るんだけど!」
私だってそうだ。誰が好き好んで捕食されるものか。
それにこのシチュエーション。忌々しい記憶を消すためにもここで負けられない。
絶対に、負けたくない。




