自分の弱さの象徴
前話でお伝えしたもう一作品について、来週辺りから投稿しようと思います!
「シロカ、手紙来てたよ!」
シンさんに手紙を送ってから約一週間。私たちはギルドで依頼をこなしつつ、彼からの返信を待っていた。おかげですぐに遠出ができる状態だ。
「ありがとうございます。シンさんからは何て?」
「待って待って。まだ読んでないから」
ブレッドさんは封筒を雑に開け、中の便箋を取り出すと文章に目を通した。私はと言うと、その雑に開けられた封筒から落ちた絵を拾う。
そして、動揺した。
「あー。シンもナタァカイセって花は知らないって。んで、どったのシロカ」
「これ。何の絵ですか」
「絵?えーと」
再び手紙を見たブレッドさんは、ざっと上から下へと目を通す。ぶつぶつと何か言っているが、内容が全く耳に入らない。
この花は似ているのだ。消したい記憶の中にある、自分の弱さの象徴と。
「あぁ。名前は違うけど、似たような効能を持つ花があるからこれのことなんじゃないかって」
「効能って、風邪に効くってことですか?」
「それの他にも、これを煎じると青い液体が出るとかもあるらしいよ。風邪薬には使われるらしいけど、育てるのが難しいからあまり市販品にはなってないらしいね」
「つまり?」
「ナタァカイセって名前ではないけど、多分それらしき花はあるってことかな」
「生息地などは書いてます?」
「この町の近くに山があって、そこの奥地に生えてるらしいよ。この花が探してる花なんじゃないかって言う理由の一つみたいだね」
「わかりました、行きましょうか」
「…いいけど。何か焦ってる?」
「別に。そんなことないです」
嘘だ。ブレッドさんが言った通りに、私は焦りを感じている。
確かめたいんだ。私の記憶の中と同じ花が生息しているのか。それがあったからと言って何かに使いたいわけではない。これは私の気持ちの問題なんだ。
リュックサックの中身を整理してそれを背負い、部屋を飛び出した。辺りを見渡すと山といえそうな場所は一つしかない。それを見つけた途端に私の体は走り出していた。




