反省反省
ちょっと仕事が忙しい影響で、今回は短めです…。
「おぉっ」
街にたどり着いた瞬間、思わず声が漏れた。話に聞いていた通り、いやそれ以上に大きな街だったのだ。例の祭りが行われていることもあるのだろうが、最初に訪れた街より更に人がいるように感じる。ぼーっとしていれば人にぶつかりまくってしまうだろう。
「ここがヒスィガタの街です。人が多いので、スリには気をつけてくださいね」
…治安はあまり良くないようだ。
シンさんはついでに宿まで私たちを案内して、そこで別れを切り出した。
「僕はこの薬草を学校まで届けなければならないので、ここで失礼します」
「あぁ、シンさんは学生でしたね。助かりました、ありがとうございます」
「こちらこそですよ。貴女方は命の恩人です。何か困ったことがあれば、この街にある学校へ来てください。それでは」
彼はその痩せた顔に笑みを浮かべて人混みの中へ消えていった。何だかこの世界に来て出会った人の中で、一番わかりやすく親切な人だったように思える。あんな人は幸せになってほしいな。
「何してんの?」
「彼が幸せになれますようにと、星に願っています」
「まだ明るいけど。ま、確かに良い人だったね」
隣にいるブレッドさんは、冷ややかな目で私を見た。確かに急に願い始めるのはちょっと奇妙な行動だったな。反省反省。
部屋を借りるために受付に行き、チェックインを済ませる。この時期は例の祭りのこともあり旅行者が多いという話だったが、無事に部屋を借りることができた。シンさんとの出会いといい、もしかしたら今の私たちは運がいいのかもしれない。
もしかしたら更に良いことがあるかもしれないと、荷物を整理した私たちはそのまま祭りの会場へと行くことにした。




