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異世界勇者の人助け  作者: 鳥羽こたつ
3章
32/125

妙だな

もう一個の作品が完結したため、今度はこっちの更新頻度が増える…と思います。

燃え尽き症候群にならないよう頑張ります。

魔物が出る街道をゆっくりと歩きつつ、次の場所へ向けて足を進める私たち。道中の食事は悲惨なものであったが、それでも命の危機にはならず、無事に目的地にたどり着くことができた。

やってきたのは小さな村。先日までいた街とは異なり、どこかこじんまりとしたような、そんな様子が見られる場所だった。


「疲れたねぇ。まずは宿でも手配しようか」


背伸びしながらブレッドさんが言う。一度ゆっくり休みたいというのは私も同感だ。


「そうですね。任せてもいいですか?良ければここを巡らせてもらおうかなって」

「ん、いいよ。アタシはここに来たことがあるし。いやぁ疲れた疲れた。こんなに疲れて大丈夫なんかなぁ」


まるで年老いたかのように疲れたと連呼しつつ、ブレッドさんは宿屋がある場所に向けて歩を進めた。私はとりあえず反対の方向に足を運んでみる。

見つかったのは民家とお店が数件、小さな畑と牧場。そして。


「教会?」


この村には馴染まないような大きな教会が建っていた。大きさだけで言えば、前に行った聖堂の方が大きいだろう。けれどもここまで意識してしまうのは、周りの建物と比べてこの教会が一回りも二回りもサイズが違うからだ。それによく見ると、周りの木でできた民家達と異なり凝った装飾品が飾られている。

何故ここだけ目立つようになっているんだろう。教会だけがこんなにも豪華だなんて、あまりにも不自然だ。頭の上に疑問符を浮かべていると、私の横を中年のおじさんが通り抜けて教会の扉を開けた。それもやけに慌てた様子で。

妙だな。

顎に手を当て、睨むように教会を見続ける。そういえば小さな村だとは思っていたが、さっきの人以外の大人を見ていない気がする。

集会などがある可能性はあるし、偶々だといえばそれまでだ。だが放っておいてはいけないと、嫌な予感が胸の中でグルグルと駆け巡る。


「失礼しまーす…」


扉を開けて教会の中を覗く。そこには複数人の大人たちが神父を拝んでいた。


「神父様ぁ。息子の将来が心配なんです。あの子ったらいつも遊び呆けていて」

「僕、彼女とこのままでいいのかがわかんないんです。彼女は僕と結婚する気があるのかなぁ」

「今夜の献立に悩んでいて。やっぱり3日連続でカレーは厳しいでしょうか」


…何だ。悩み相談室を開いていたのか。それなら納得だ。子供より大人の方が悩みは多いだろうし。人が集まるということはきっと神父様の人柄が良いのだろう。

私の直感なんてまるであてにならないなと一人納得して、扉に再び手をかけたその時だった。


「えぇ、えぇ。皆様のお悩みはごもっともです。神様にお祈りと、ほんの少しのお気持ちを分けてくだされば、きっとその不安は解消されることでしょう」


…祈りと、気持ち?

その分け方に疑問を抱き、後ろを振り返ってみると。

そこには先ほど悩みを語っていた大人達が、お金の入った袋を神の像へ置いている姿が見えた。

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