それがまずかった
朝に投稿できてないと思ったら今度は投稿する作品を間違えるというクソみたいなミスをしてました…。
狼は私の姿を見るなり、息を荒げながらも立ち止まる。一筋縄では行かない相手だと本能が理解したのだろうか。
ならば今度はこちらの番だ。足に力を入れ、大地を駆けた。狼と距離が詰まる。その間も、狼はじっと私の動きを見ている。どうやら相手の行動を見てから対処することが可能だと考えたようだ。
「そう考えるのは、妥当だろうけどっ!」
ならばいかにして相手の不意をつくのか。
「誤ったなぁ、判断!」
私にできるのは、魔法を使うことだけ。
水の魔法で地面に氷を発生させ、相手の足を氷漬けにして動きを封じる。そして自分の足まで氷にやられる前に、私は空へと飛んでいた。
「動けないなら、動かないでしょう!」
私はこの魔法が得意ではない。動きを封じられる時間は限られている。だが、確実に動きを封じられる時間を確保できるのも、事実である。
空に浮いた私を、狼は驚いた様子で見ていた。その瞳には最後まで抵抗の意思を見せていたが、体はそれについていかないようだ。なす術もなく…その命は最期を遂げる。
──縦一文字に斬り裂く!
何の捻りもない斬撃が狼の命を奪う。
そして例の如く、ポンという軽い音と同時に狼は泡のように消滅した。
勝った。生き残ったのだ。勝てる時は意外と一方的なものだと、再認識する。
「…さて」
戦いは終わった。ボスが倒されたとなれば、あの小狼達も人の作物に手出しはしないだろう。そう信じて、私は隠れているはずのブレッドさんを探し始めた。
彼女はすぐに見つかった。私の指示通り、ちゃんと離れた木の影に隠れていてくれていたみたいだ。彼女の無事に安堵した私はホッとして胸を撫で下ろす。
「勝ちましたよ、ブレッドさん!」
こちらに駆け寄ってくるブレッドさんに向けて手を振った。私は無事なんだから、そんなに慌てなくても良いのに。
彼女は走りながら何かを言っていた。だが、よく聞き取れない。私は一度立ち止まり、耳を澄ましてその声を聞こうとした。
「──ろっ」
「え?」
「うしろっ!」
その言葉の意味を理解する前に、突如後ろに殺気を感じた。振り返るとそこには、倒した狼より一回り大きい個体がそこにいた。
──嘘だろ。
──さっきのがボスじゃなかったのか。
驚愕が脳味噌を支配し、反応が遅れた。それがまずかった。私の体はその狼の体当たりにより、ゴム毬のように遠くへ吹っ飛ぶ。やがて木の幹にぶつかり、頭をぶつけた。
視界が白と黒、交互に塗られる。マズい、受け身を取れなかったこともあり、気を抜いたら意識を失ってしまいそうだ。戦いはまだ、終わってないというのに。




