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異世界勇者の人助け  作者: 鳥羽こたつ
2章
15/125

異世界人に常識を問いますか

どう森シリーズは施設や増築ができるのに一日かかるのが難点ですね…

「え、と。猫探しか何かですか?」

「いやいや、よく読んでよ。…あそっか。読めないんだっけ」


たはは、と笑うブレッドさんは先程指差した依頼書を持ってきて、私の目の前に動物の絵を見せつけた。


「このモンスターを倒せば良いの!」


つまりは、モンスター討伐の依頼であった。



しーランクの免許を受け取ってその依頼を受注し、そのモンスターが出現する場所へ移動する道中、ブレッドさんは字が読めない私のために依頼内容を教えてくれた。

簡単に纏めると、畑を荒らすモンスターを討伐して欲しいという農家からのお願いだった。作物を荒らす害獣の駆除、と言ったところかな。

そして私がネコと間違えたそのモンスターの実力を聞くと、まぁまぁかな、という評価が帰ってきた。


「確かに噛みつかれたら痛いし、血は出るけどね。命の危機には陥らないんじゃないかな」

「命の危機…」


そう言われて思い出した。初めて会った時からずっと気になっていたことを。


「一つ聞いても?」

「何かな?」

「あの、ここにいるモンスターって消滅しますよね。それって何故なんです?」


初めてブレッドさんを見たときのことや、町で倒したモンスター達のことを思い出す。攻撃して遠くに吹き飛ばしたかと思うと、ポンという音を立てて奴らは消滅した。血は遺るが、死骸は遺らない。


「え?モンスターだったらHPがなくなったら消滅するじゃん。常識じゃないの?」

「異世界人に常識を問いますか。…で、そのひっとぽいんと?ってのは何なんです?」

「あ、それも知らないんだ。そうだなぁ、命の割合みたいなものかなぁ」


そう言われるものの、いまいちよくわからない。命の割合ってなんだろう。10%の命とかが存在するとでも言うのだろうか。


「ちょっとさ、アタシのウィンドウ見てくれる?」


ブレッドさんが指を動かし例の板、うぃんどうを宙に出して私に見せるよう促す。そして一番上にある文字列を指差した。


「これがHPなんだけどさ、右に数字があるのわかる?」

「あ、これ数字なんですね。わからないです」

「そう。まぁこの数字がHPなの。で、モンスターのHPをゼロにしたら倒せるの。そしたら消滅する」

「…ちょっと待ってください。てことはブレッドさんのHPがゼロになったらどうなるんです。消滅するんですか?」

「まさか、人間は死ぬだけだよ。死体とか遺るし、それに──」


ブレッドさんが何かを言おうとしたところを、突如現れたモンスターの声が遮る。群れを組んでやってきた奴らの姿は、依頼書に描かれていたモンスターの絵に少し似ていた。つまりは。


「あれが、依頼の魔物?」

「ベジタリアーウルフだね。それじゃあ、とりあえず目の前のを片付けようか」

「了解です!」


二人で剣を構え、体勢を整えた。あぁ、何だかこうやって誰かと戦うのって久しぶりな気がする。

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