8.給料日事件
そんな、なんだかんだでドタバタしていたが、念願の給料日となった。
昼休み。
「お金、降ろしてくるね~」
と出かけた二人。しかし店に帰ってきてお互いに顔を見合わせた。
「どうだった? 」
「敬子ちゃんも? 私もお給料入っていない」
私たち二人は、さっそく社長のところへ行った。
「あの、お給料が振り込まれていないのですが」
社長は意外そうな顔をした。
「え? だって今日は24日ですよ」
「24日だけど金曜日だから」
つまり社長の頭の中には、銀行の休みのことは全く考えに入っていなかった。
世間一般では25日が給料日の場合、24日が金曜日だと給料は24日に入金される。それは私とジュンちゃんにとっては暗黙の了解だと思っていた。しかし社長の頭の中では、25日に払うものは銀行の休みがどうであれ、あくまで25日にならないと払わないことになっている。
「それだとローンの引き落としがあるから困る」
ジュンちゃんは夢より生活が大切。
そこで再び社長と私たちとで、さらに細かい取り決めをすることにした。
もし25日が土曜の場合は24日に給料の支払いを。
25日が日曜の場合は23日に支払いを。
25日が祝日の場合は24日に支払いを。
詰め寄る女二人に対し、社長とジュンちゃんのダンナの日出夫は、あまりの細かさにうんざりしていた。
やっとそこまで話し合いがついた後、日出夫が笑って言った。
「まあ、細かいことはどうでもいいじゃないか」
日出夫には生活感が無い。




