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「あのお花が少ないよ お兄ちゃん」
「どれだ?あぁそうだな ありがとうフィー」
「いいえどういたちまして」
「あははは いたちましてか フィーは可愛いな」
「フィー あんまり言えないの」
「気にすることはない もうちょっと大きくなったらちゃんと言えるようになる」
「ホントに?」
「あぁ本当だ 私もフィーくらいの時はちゃんと喋れなかった でも今はちゃんと喋れているだろう?」
「うん!あっお兄ちゃんよごれてりゅ」
ハンカチをポケットから取り出し
「ふいてもいい?」
セドリックにそうきいて
「頼む」
許可が出たので 頬についていた泥を落とすと
「きれいになったよ うふふ」
それだけの事で楽しそうに笑うフィー
ロナウドやマーカスすらも 目を細め
微笑ましく見ている
「ありがとうフィー そのハンカチは洗って返すから 預けてくれるか?」
「?」
「母上からも父上からも男は小さくとも騎士であらねばならぬといわれておる」
「き…し…」
「そうだ そのハンカチをあらってかえすぞ」
そう言われたがどうすればよいか分からない幼いフィー ロナウドの方を見ると
コクコクと頷いている
「じゃあ お兄ちゃんおねがいしましゅ あ!」
「あははは 分かった確かに洗って返すな」
そんな事があって時間が過ぎ
「もうそろそろお花も沢山になりましたし帰りましょうか」
「母上様もお喜びになりますよ 坊ちゃま」
「うむ そうだな」
「うん フィーも帰る」
「フィーは次いつくるのだ?」
「お花がしぼんじゃったくらい!」
「そうか では私もそれくらいの時に来るようにしよう 時間は今日と同じだ」
「うん分かった」
「では 今日は楽しかった ハンカチも預かっているから フィーにはこれを預けておく」
首に掛けてあった細い鎖を取り出すと
黒い石のついた指輪 子供用だろう大人の指には入らないサイズが鎖に通してあった
「あ!坊ちゃまそれは!」
「なんだマーカス これは父上が一番気に入った者に渡してもよいと仰って私にくれたものだ フィーはハンカチを渡してくれたし 私の一番のお気に入りだ!」
えーそれ大事なものじゃん ハンカチと同じにしちゃダメでしょ 王妃様に怒られそうな気がする……
「お兄ちゃん そりぇ…大事なの」
そうそうフィーちゃんもっと言って!
マーカスは危機を回避したい
「心配ない ハンカチも大事なものだろう?」
「うん 母上がぬってくりぇた」
「だから次までお互い大事にしておこう
次会った時に交換だ!」
「うん!分かった!フィーも大事にしておく!」
「そうだ!大事にしてくれ」
セドリックは鎖をフィーの首にかけた
やっちゃった~どーしよ
「マーカス殿私が必ず無くさないように見ております あれは大変な物だ……お袋に怒られてしまう…」
「ロナウド殿……頼む…心中お察しする」
二人の護衛の小声の会話など聞こえもしていない当のちびっこ主達
その日はそこでサヨナラした




