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その日から暫くして またもやフィーは
お花を摘みにいきたいとねだっていた
「ロナウドの側を離れてはいけませんよ」
「あい!わかったよ ロナウド側はなれない!ね」
「ではお気をつけていってらっしゃいませフィー様」
母とマリアにお見送りしてもらって ロナウドと手を繋いでお花畑に意気揚々と歩いていく
「ロナウド 誰かいるかなぁ?」
「いないとは思いますが もしも居ても大丈夫ですよ 俺がやっつけますからね」
「うん」
そのままいつもの花園にたどり着いたら
……いた この間と同じ
面倒な……なんでいるんだよ 王太子か……
不敬罪ならないといいなぁとか思っていたロナウド
「マーカス殿で間違いないか?」
ロナウドから声をかけたが
少し硬いロナウド
「あぁ」
え?なんでこいつ俺の名前知ってんの?内心ビックリしたが平然と答えたマーカスの横には セドリックが立っている
「俺の名前を知っているのは ロナウド殿か?」
名前を当てられビックリした顔をするロナウド
「そうだ よく分かったな
流石は 尊い方々の護衛なだけある」
どうだ俺はそこまで知ってるぜ フフン
的な態度のロナウド
すると下の方から
「ロナウド?こないだのひといるの?」
ザッと草むらにしゃがんで
「ええいますね なのでそのままで
動かないで下さいね」
「うん」
コクリと頷くフィー
さてどうしたものか……あちらは まるでこちらが来るのを待っていた様子だが
どう切り出したものかと悩んで 言葉が出てこなかったが
「ロナウドとやら 少し良いだろうか?」
セドリックから話しかけてきた
「貴方様は……」
王太子のセドリック様ですよね なんて聞けない 直答もどうなんだろう 王様じゃないからいい??
なんてまたもや ぐるぐる
「良い 直答を許す」
そう言われたら 王太子の名前だけは出さないように答えようとだけ考えつき
「ご質問でしょうか」
お袋!俺偉い?とかぐるぐる
「あぁ 今日は境界線は越えておらぬのだ だから私がここで花を摘むのは良いだろうか?そちらの子供の邪魔はしないと約束する」
「お兄ちゃんも おはなつむ??」
その時聞こえてきた小さい女の子の声
「あ!」
「フィー じっとしてるよ うごいてないよ」
確かに……体の位置は動いていない
口だけ動いてはいるが……
流石!フィー様頭良い!
主バカなロナウド だがハッと我に返り
「た…確かにそうですが……」
「私も 母上にあげるお花を摘みに来たのだ」
「お兄ちゃんも?いっしょね!」
「そうなのか?お前も母上にあげるために摘みに来ているのか?」
「うん!」
「そうかいっしょだな!」
「いっしょね!うふふ」
のほほんとした子供同士の会話が繰り広げられていくなか
「あーロナウド殿 俺たちはこっち側で
摘むからさいいかなぁ?そちらには干渉しない そのチビちゃんが誰かも詮索しない 俺達が誰かはまぁ 分かっちゃいるだろうがそちらも 名前を口にするなんてやっちゃ お袋さんにロナウド殿も叱られるだろうし どうだろうか」
マーカスが真っ当な提案をしてきた
が 勝手な事をやってはお袋に怒られちゃうしどうしたものかと考えていたら
「ロナウド おはなつみたい…お兄ちゃんと一緒に…」
とかフィー様が言ってくるし
うーーんと悩んだ挙句が もういいやぁ
お袋に怒られるの俺だし……とたどり着いた
「ええ 良いですよ 覚悟決めたんで……」
「ホントに?ありがとうロナウド!フィーもいっしょにおこられるからね」
3歳とは思えない心配り
心でホロリとする
考えたら……いつも周りは大人ばかり
しかもほぼ 3人たまに父親のマック様
同じ年頃の子供と遊んだことも口をきいたことさえもないフィーである
隣国の王太子という身分ではあるが
護衛のマーカスは詮索しないというし
いいや俺 怒られちゃお
「お兄ちゃん いっしょいいって!」
ガサガサと草むらから出てきた女の子
平民の普通の服で 華美なところなど何もない こんな子供を国一番の剣士が護衛?
マーカスが考えるのも無理はない
ここで詮索は出来ないが…セバスチャンさんにお伝えしとかないと ここのコブレント子爵の隠し子とかじゃなさそうだしな
分かるだけ情報は拾っとくか
マーカスのアンテナがぴぴっと伸びたのであった




