34.もう、そうするしか無かった……
「?!」
モトキ警部の発したその言葉にマリアが驚きの顔をする。
「あなたが育てていたチューリップの鉢から粉々になっているスマートフォンとナイフを採取しました」
「なん………で…………」
マリアがスマートフォンとナイフが見つかったことに驚きを隠せなくて、掠れたように声が出る。
そこで、今度はサザワ刑事が言葉を綴る。
「チューリップの球根はツネさんという人から貰ったものですよね?ツネさんの話では白いチューリップが咲くと話していましたが、その咲いたチューリップはうっすらと赤みが帯びていたんです。それに違和感がありましてね。それでその鉢を調べたら、粉々になったスマートフォンとナイフの破片が大量に出てきたんですよ」
「なんだ……。上手く隠したと思っていたのに……」
サザワ刑事の言葉にマリアが自嘲気味の笑顔を作りながら、残念そうにそう言葉を綴る。
「マリアさん。あなたはシマノに脅されていたんじゃないですか?」
「…………」
モトキ警部の言葉にマリアは黙ったまま口を開かない。
それが正解だということにモトキ警部とサザワ刑事は感じる。
サザワ刑事が静かな口調で語る。
「シマノの所持していたノートパソコンから、フェイクアプリを使った写真が何枚か出てきました。元々、AV女優の写真の顔だけをあなたの顔に変えて作成されていました」
サザワ刑事の言葉にやはりマリアは俯いたまま、何も言わない。
モトキ警部が言葉を綴る。
「……ですが、刺して突き落としたものの、シマノは生きていたんです」
モトキ警部が発した言葉にマリアも傍でマリアを抱き寄せているユウも何も言わない。
モトキ警部が更に言葉を綴る。
「刺されて突き落とされて海で死に、流されてきたのだとしたら、遺体は波打ち際に打ち上げられていたはずです。ですが、シマノが死んでいた場所は波打ち際から少し離れた砂浜だったんです」
その言葉にもマリアとユウは何も言葉を語らない。
モトキ警部が更に口を開く。
「……そして、砂浜の上にあった遺体は後頭部に大きな石で強打された跡が見つかりました。なので、あなたの指紋を調べ――――」
「その必要は無いですよ」
ユウがモトキ警部の言葉を遮り、そう口を開く。
「……ということは、やはり……」
「はい。シマノを石で強打して、死に至らしめたのは僕です」
ユウが何処か微笑んでいるようにも取れる表情でそう言葉を綴る。
「……もう、殺すしか方法が無かったのよ……」
ずっと何も言わなかったマリアが口を開く。
「殺さないと……もう……もうそれしか方法が無かったのよ!!」
マリアが大粒の涙をこぼしながら叫ぶようにそう言葉を綴る。
そして、マリアはなぜシマノを殺害するに至ったかを語り始めた。




