33.暴かれる真実
マリアが小さな声でぽつりとそう呟く。
「マリア……僕はずっとマリアの事、大好きだよ……」
ユウがマリアを抱き締めながらそう言葉を綴る。
「うん……。私もユウの事、すごく……すごく……大好きだよ……」
マリアがユウを抱き締め返しながら、ユウの言葉に静かに涙を流しながら小さく呟くように応える。
二人が来ていたのは、高い、高い、崖の上だった。下には海が広がっており、時折、波が岩にぶつかり、大きなしぶきを上げている。
マリアとユウがお互いを抱き締めていた手を解き、しっかりとお互いの手と手を握り締める。
そして、海を見つめて身体が前に揺れる――――。
その時だった。
「…………やめるんだ!!!」
ユウとマリアがいる場所に追い付いたモトキ警部とサザワ刑事が二人に叫ぶようにそう声を発する。
その声に驚いて、ユウとマリアが後ろを振り返る。
「……ユウさんとマリアさんですね?探しましたよ……」
モトキ警部が二人をじっと見つめながら、そう声を掛ける。
そして、モトキ警部とサザワ刑事がゆっくりとした足取りで二人に歩み寄ってくる。
「……死なせてください!!」
ユウがポケットからナイフを取り出し、マリアを抱き寄せて、自分の喉にナイフを突きつける。
「止めるんだ!!!」
サザワ刑事が強い声でそう声を発する。
「………ユウさん、マリアさんにストーカーをしていた男の件で伝えたいことがあります」
「……」
モトキ警部が静かな口調でユウを見据えながらそう言葉を綴る。その言葉にユウは唇を噛み締めたまま、言葉を発しない。
モトキ警部が言葉を綴る。
「ストーカーを知っていた男、タチバナの件であなたと言い争っているような証言は取れました。ですが、タチバナの胸に刺さっていたナイフから検出された指紋は、タチバナの指紋でした」
「…………え?」
モトキ警部の綴る言葉が理解できなくて、ユウがそう声を出す。
「タチバナの事件に関しては正当防衛で処理できる可能性が高いです。マリアさんにタチバナがストーカーしていたという証言も取れていますからね。恐らく、そのことでタチバナとあなたはもみ合いの喧嘩になり、何かの拍子にタチバナが自分で自分を刺してしまったのでしょう……」
モトキ警部の綴る言葉にユウが呆然とする。
『自分はマリアをストーカーしていた男を殺していたわけでは無い』
ユウの心の中でそんな安堵感が少しだけ生まれる。
「ただ……」
モトキがそう低い声で言葉を発する。
「もう一つの件に関しては見逃すわけにはいかないですね……」
モトキ警部のその言葉にユウの身体が強張る。
「………シマノを刺して崖から突き落としたのはあなたですよね?……マリアさん」
モトキ警部の発した言葉にマリアは俯くだけで何も言葉を発しない。
「………チューリップ………」




