32.絶望の中の決意
「……モトキ警部!これ!!」
サザワ刑事の言葉にモトキ警部がサザワ刑事の所にやってくる。
モトキ警部とサザワ刑事はユウたちのアパートに来て、新婚旅行で行った場所が何処か探るために部屋を捜索していた。すると、サザワ刑事が引き出しの奥からアルバムを見つけて、それを調べていたら、「新婚旅行記念」と書かれたアルバムを見つけ、それを広げると、二人が仲良く映っている写真が何枚も出てきた。
写真が貼ってあるページには所々吹き出しの紙が入っており、それをみると「伊勢志摩」に行っていたことが分かる。
「三重県か……。よし!そこに向かうぞ!」
「はい!」
写真を何枚かアルバムから抜き取り、それを元に、二人がいる場所に向かうため、急いでアパートの外に止めてある車に乗り込む。
ユウとマリアがそこにいてくれるのを祈りながら、モトキ警部とサザワ刑事は伊勢志摩に向って車を走らせた。
***
次の日、朝からユウとマリアは海を見に来ていた。
朝の海はキラキラと光を放っており、夜に見る幻想的な海とは違った風景を見ることができた。
傍にあったベンチに並んで腰を掛けて、マリアは頭をユウの肩に乗せたまま海を見ている。
しばらくの間、二人は無言で海を眺める。
波の音が二人の耳に響く……。
二人の瞳には何かを決意しているような雰囲気が漂う……。
「……マリア、そろそろ行こうか……」
「……うん……」
どれくらいの時間が流れただろうか……。
ユウがそう声を発してゆっくりと立ち上がると、隣にいたマリアもゆっくりと立ち上がる。
そして、ユウとマリアはお互いの手を握りながら、ある場所に向って歩きだした。
***
「………えぇ、この二人なら確かにお泊りですよ?」
民泊を営んでいるオーナーが写真を見てそう応える。
モトキ警部とサザワ刑事は、アパートで見つけた写真を頼りに海の近くにある宿を中心にユウとマリアの捜索を行なっていた。
根気よく一軒一軒探していった結果、ユウたちの泊っているこの民泊宿で確認が取れたのだった。
「呼んできてもらえますか?」
モトキ警部がオーナーにそう声を掛ける。
「いや……、そのお客さんなら朝早くに出かけると言って出掛けていますが……」
「何処に行くか聞いていますか?」
オーナーの言葉にサザワ刑事が尋ねる。
「いや、時には聞いていないので……」
オーナーが「申し訳ない」という顔でそう言葉を綴る。
「探すぞ!」
「はい!」
モトキ警部の言葉にサザワ刑事が返事をする。
そして、二人はその民泊宿を飛び出すように出て、近くの人たちに聞き込みを開始する。すると、一人の女性がある方向に指を差しながら、その方向に二人が歩いているのを見たという目撃情報が取れて、モトキ警部たちはそちらの方向に向かって駆けだしていく。
その方面の方でも聞き込みをしていると、年配の男性から情報を得ることが出来た。
その年配の男性の話では、二人が立ち入り禁止のある場所に入ろうとしていたから止めたのだが、二人は笑顔で「大丈夫です」と言って、そのままその場所に入っていったという事だった。
その場所がどんな場所かサザワ刑事がその年配の男性に尋ねると、年配の男性がその場所がどういう場所かを話す。
それを聞いたモトキ警部とサザワ刑事は、その場所に急いで駆けて行った。
***
「……ここまで来ちゃったね……」




