21.暴かれていく闇
アキの記憶にあるマリアが話していた内容を思い出す。
「何ですか?」
サザワ刑事がアキに尋ねる。
「ストーカーのようなことをされているという話を聞きました」
「「?!」」
アキの発した言葉にモトキ警部とサザワ刑事が驚きの顔をする。
「そのストーカーしていた人の特徴は聞いていますか?」
今度はモトキ警部がアキにそう尋ねる。
「確か、ちょっと年配の男の人で薄汚れた格好をしているって言っていました」
アキの言葉にモトキ警部とサザワ刑事が顔を見合わせる。
「ということはやはり……」
「あぁ……」
サザワ刑事の言葉にモトキ警部がそう応える。
二人の表情を見て、アキがマリアの身に何かあったのだと感じる。
「あのっ!何があったんですか?!マリアの身に何かあったんでしょう?!」
アキが早口で捲し立てるようにそう言葉を綴る。
その表情は苦悶に満ちており、心配故に感情を上手くコントロールできない。
「すみません。詳しいことは話せないんです」
サザワ刑事がアキを落ち着かせながら、申し訳なさそうにそう言葉を綴る。
「マリアは大丈夫なの?!死んでいないですよね?!」
アキが苦悶に満ちた表情のまま、早口でそう言葉を綴る。
「死?どういうことですか?」
アキの発した言葉に疑問を感じたモトキ警部が、アキにそう尋ねる。
「その……実は――――」
そう口を開いて、アキはマリアが研究室に遊びに来た後で薬品が一つなくなっている事に気付いたことをモトキ警部たちに話す。
「……その消えていた薬品というのは?」
モトキ警部が消えた薬品がどの薬品なのかを尋ねる。
「……青酸カリです……」
「「?!」」
アキの口から出てきた薬品名にモトキ警部たちは愕然とする。
「刑事さん……教えてください……。マリアは……マリアは死んだのですか……?」
アキが悲痛な表情で瞳に涙をにじませながらモトキ警部たちに尋ねる。
「今の段階では何も分かりません……。ただ、もしマリアさんから連絡があったらこちらにも連絡を頂けると幸いです」
サザワ刑事がそう言って番号の書かれたメモをテーブルに置く。
そして、項垂れているアキにお礼を言って、大学を出て車に乗り込むと、急いでマリアたちの住むアパートに向かった。




