表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
羽を失った鳥は愛を貫く  作者: 華ノ月


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
16/35

16.隙間の空いた扉の真実


「……はぁ~。また空振りですね……」


 マリアの住むアパートに来て、インターフォンを鳴らしてしばらく待ったが、中から応答はなかったので、サザワ刑事がため息を吐く。


「どっかに旅行にでも行っているかもしれんな」


 モトキ警部もため息を吐きながらそう言葉を綴る。


「どうしますか?また時間を改めますか?」


「そうだな。それしか無そうだな」


 サザワ刑事の言葉にモトキ警部が「やれやれ」と頭を掻きながらそう返事をする。


 そして、モトキ警部とサザワ刑事がマリアの住む部屋を離れようとした時だった。


「おや?どちらさんや?」


 ツネが何かが入っている袋を手に持ちながら、モトキ警部とサザワ刑事を見て声を出す。


「マリアちゃんたちの部屋に用やったんか?」


 ツネがモトキ警部たちがマリアの部屋の前に立っていたので、そう声を発する。


「この部屋の住人をご存じなんですか?」


 サザワ刑事がツネの口からマリアの名前が出てきたので、そう尋ねる。


「あぁ。よう知っとるよ」


 ツネが笑顔でそう言葉を綴る。


「あなたはこのアパートの人ですか?」


 ツネがマリアとどういう関係なのかを探るためにサザワ刑事がツネにそう尋ねる。


「私はこのアパートの大家兼住人さね。一階に住んどるんやけど、人参を沢山貰ったんでな、マリアちゃんにお裾分けに来たんや。そうそうこの前は私が上げた球根を育てているって話とったな~。マリアちゃんの心を映したような、純真で真っ白いチューリップの球根でな……」


 ツネがモトキ警部とサザワ刑事にいろいろと世間話を始める。話の中でツネがユウとマリアが映っている写真を自慢げにモトキ警部たちに見せる。


「……ほいでな、この前は大根を届けに来たんや。それとな……」


「そ……それよりツネさんは今日マリアさんにニンジンを届けるために来たんですよね?でも、留守みたいでして……」


 ツネの話を強引に終わらせるために、サザワ刑事が慌てた様子で話を切り上げようとする。


「留守?まだ旅行から帰って来とらんからちゃうか?」


「帰って来てない?」


 ツネの言葉にモトキ警部がその言葉を繰り返す。


「あぁ。私の部屋はマリアちゃんたちの部屋の下になるんやけど、物音がしてへんからまだ帰って来てへんよ。まぁ、時期に帰ってくると思ってな、人参をドアノブの所に掛けておこうと思って持ってきたんや」


 ツネがそう言って、人参が入っている袋をモトキ警部たちに見せる。


「どれくらい前やったかな?早朝から二階の部屋の玄関が開く音が聞こえてな。そんで、窓から外を見たら大きなカバンを持って出掛けたのが見えたんや。だから、旅行にでも行ったのだろうと思ってな。それに、私の部屋のポストを見たら、マリアちゃんからの手紙が入っておってな。『しばらく留守にします』って書かれてたんや」


「すみませんが、旅行に行った日っていつか分かりますか?」


 大型連休の時でもないので、何か違和感を覚えたサザワ刑事がツネにマリアたちが旅行に行った日を尋ねる。


「えーと……」


 ツネがその日がいつだったかを思い出そうとして、頭を巡らせる。


「そうそう!思い出したわ!あの日は町内で月に一度の憩いのお茶会があった日やから、十二日や!」


「「えっ?!」」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ここまで読ませていただきました。ユウとマリア、いつまでも自宅を離れているのも難しい中、もう警察がそこまで…いなくなった日からも、疑われてしまいそうですね。 タチバナ、やはり良くない人物のようですね。…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ