14.非日常の中で見る日常
どれくらいの時間が過ぎただろうか。部屋から外を見ると、外はうっすらと暗くなり始めていた。ユウが腕時計を確認すると夕方の六時をわずかに過ぎていることが分かり、マリアと共に部屋を出て、和食処に向かう。
「……おっ!いらっしゃい!」
ユウとマリアが店に入ると、店主が笑顔で二人を迎える。
「今日の魚はかなり新鮮で鮮度も抜群だよ!」
店主がそう言って、ユウとマリアにその魚を使った刺身定食が今日のおすすめであることを伝える。
その時、店の奥から店主の奥さんがエプロン姿で出てくる。
「あらっ!今日も来てくれたの?」
店主の奥さんもユウとマリアの姿を見て嬉しそうに微笑む。
ユウとマリアが挨拶をして、店主に刺身定食を注文する。
「奥さん、ご飯は普通盛りか少なめかどっちがいいかな?」
店主がマリアの線が細いことから気を利かせてくれているのか、「少なめにするなら少し安くしておくよ」と言ってくれたので、マリアはご飯を少なめでお願いする。
「ちょっとあんたってば、私にもそんな気遣いをして欲しいものだわ。全く、若くて可愛い人に弱いんだから」
「ちゃんとお前の事も愛してるってばよ!」
「本当かどうか怪しいところだね」
店主と店主の奥さんのやり取りにユウとマリアが微笑みながらみている。
「ゆっくりしていってね!」
店主の奥さんがユウとマリアに笑顔を向けながらそう声を掛けると、二人は厨房に入っていった。
「ふふっ。仲の良い夫婦だね」
マリアが先程の店主とその奥さんのやり取りが面白かったのか、微笑みながらそう言葉を綴る。
「そうだね。店主の方がちょっと尻に引かれている感じはするけどね」
ユウは先程の二人のやり取りでそう感じたが、微笑ましい光景だったので笑顔でそう言葉を綴る。
しばらくして、刺身定食が運ばれてきてユウとマリアは食事を楽しんでいた。
***
「……モトキ警部!例の男の身元が分かりました!この男、実は――――」




