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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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201/207

西大陸の北部へと向かう ⑪


 俺が神の息子だからというのもあるけれど、それを抜きにしても俺の性格的にも人の下にはつこうとは思わない。

 折角異世界に来たのに、そういうことで縛られたくはないし。



 そもそもこういう人たちって、幾ら話し合ってもどうにもならなさそう。だから、一先ずとんずらかまそう。

 俺はそう判断して、フォンセーラ達に声をかける。



「――よし、このまま去るよ」


 俺がそう言ったら、フォンセーラ達は頷いてくれた。しばらくは人里に寄らずに関わらないようにしよう。

 本当にこういうの面倒だよなぁ。


 うん、本当に面倒な事態になったらそれこそ母さんの力借りるか? それかアルバナにでも助けを求めたらどうにかなるかも? それか実力行使で黙らせるか。

 結局周りが俺の自由を妨げようとしたところで、それを制御なんて出来ないのだ。



 なんか、俺、神の息子だって知ってから地球に居た頃よりも傲慢になっているかもしれない。

 でもなんか、真実としてそうなんだよな。

 俺は人としての感覚が大分残っているけれども、神の血を継ぐことは事実である。だから、まぁ、いいかなってそう言う気持ち。




 まずは魔法を行使して、彼らの身動きをとれないようにしておく。今の所、命を奪う気まではない。というか無駄な殺生をする気はそこまでないしな。

 俺の魔法を受けて、レイシューさん達はうめき声をあげている。



 レイシューさんは流石、鍛えているというのもあって俺の魔法を受けても意識があるらしい。無駄に丈夫!!

 俺はそんなことを考えながら、再度魔法を使って意識を完全に失わせることにする。




 ただ滅茶苦茶抵抗してきた。レイシューさんって、戦闘面においては有能な人間なんだろうな。……というかこれもしかして神様関連で気に入られていたりする? だってやたら頑丈なんだよなぁ。




「我が神よ、力をお貸し――」



 ただ神様が意図的に何かをしようとしているっていうより自動的に行っているものなのかな? うん、そういう感じな気がする。

 なんだろう、レイシューさんってある意味神にはちょっとは気に入られていて、ちょっと相性が良いとかそういうのかも? 神からそういう影響を受けるのって、本人が受け入れるだけの器じゃなかったらどうしようもないだろうし。


 うん、面倒だなぁ。

 というか、伯母さんの神気っぽい気がする?




(伯母さんー! ちょっと目の前の人に与えている力か何かどうにか出来る?)



 俺はすぐさま、伯母さんに話しかけた。だって長期戦になるのは嫌すぎる。こういうのはさっさと伯母さんに連絡した方がいい。





『あら、何かしらって、とても信仰深いのね。でも私の甥に手出しするのは駄目だわ』



 伯母さんの声がすぐに響く。

 伯母さんって俺への返答、滅茶苦茶早いよな。やっぱり神様だと同時作業とか簡単に出来る感じなんだろうか?

 イメージ的に万能とかそう言うイメージだしな。



 伯母さん的には、信仰心の強い存在よりも甥である俺の方が大事なんだろうな。伯母さんってそういうところ分かりやすい。

 これで伯母さんが信者の方を優先するタイプだったらこうして話しかけた段階で積んでいたかも。

 あ、でもそうなると母さんが出てきて、頂上決戦みたいなものがおこったりする形になる?



 母さんと伯母さんの争いとか、色んなものが破壊されて大変そうな気はする。

 まぁ、そんなことはあり得ないんだけど。

 伯母さんとしても母さんと本気で戦ったりは多分したくないだろうし。どちらが強いかは俺は知らないけれど、間違いなく世界が壊れるとかそういうレベルのことが起こりそう。



 俺も世界が壊れるレベルの姉妹原価されるのは困る。





「なっ……」


 レイシューさんが驚愕の声をあげる。



 それもそうだろう。いきなり神の力が消えたのだから。

 でも相手が悪いと思ってもらおう。俺は伯母さんに可愛がられている甥って立場だしな。

 というかさ、神への信仰心が強いのはいいけれど望んでいない相手に無理やり何かをしようとするのがまず間違っているよなって思う。対話して駄目だっていうなら、さっさと引けばいいのに。





「じゃあ、もう会うこともないと思うんで。一言、こうやって無理強いしたら駄目だよ」




 俺はそれだけ言ってからレイシューさんの意識を失わせた。

 よしっ、これでいいな。





(伯母さん、この人に力使わせないようにした方がいいよ。嫌がる人に無理強いして自分のやりたいようにしようとしているみたいだから)



 俺が伯母さんにそう告げると、伯母さんは『任せなさい』と嬉しそうに言った。

 俺に頼られることが嬉しいらしい。伯母さんって母さんと大分性格違うよなぁ。母さんの場合だと俺や姉さん達が頼った時に父さんとイチャイチャしていたら怒りそうだしなぁ。


 同じ神様で、姉妹関係のようなものなのに性格の違いがあるから面白いなと思った。



 それから俺達はレイシューさんたちを放置して、そのまま別の場所へと向かうことにした。

 ちゃんと魔物に襲われたりしないようには対処はしておいたけど。


 下手に戦えることを知られると面倒だなと実感した。今後はもっと気をつけよう。



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― 新着の感想 ―
本人的にはめんどうだから伯母さんに対処お願いした程度の感覚だけど、現地の側から見たら主神の愛し子に逆らって加護取り上げられたムーヴにしか見えなくて草
信仰心がいくら高くても、それで得た力を勝手に解釈した形で振りかざしてる時点で俗物なんだよ。
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