↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
199/211

西大陸の北部へと向かう ⑨

 悪気はないんだろうなというのは分かるのだけど、その後から勧誘されることが増えた。

 貴族に仕えることは、素晴らしいことだとそう告げられる。信仰心の強い人たちが多いからこそ、神の名を出せばなんでも言うことを聞くって思っている人多そう。多分本心からなんだろうけれど。


 というか、うん、別にさ、俺は母さんの謂れのない噂が広まるのは凄く嫌ではあるけれども……だからといって意に沿わぬことをしてまでなんとかしようとかは思っていないのだ。


 レイシューと名乗ったあの騎士は、主人に仕えることで信仰する神も誇りに思うはずだとそう言っていた。

 それがなぜなのか、ちょっと調べてみたら騎士の仕えている主人は信仰深い存在らしい。それでいて他の神様への信仰も許していることも含めて心が広い存在だと思われるらしい。正直言って信仰とかそういうことで許す許さないで心が広いとか言われてもふーんって感じだった。


 

 そういう相手に仕えることはとても素晴らしいことだって思考の人も多い。なんというか色々めんどくさそうだなと思って仕方がなかった。



 やっぱり信仰相手が異なると諍いってあったりするんだろうなともこの世界で過ごしていると感じてしまったりする。別に誰を信仰しようと自由だし、神様達って人々が想像しているよりもずっと争いあっていない感じなんだけどなぁ……。


 やっぱり実際に神様のことを知らないからこそ、こうして神様のことを好き勝手語るんだろう。でも神が人々に関わらないのって、色んな影響を与えて大変だからなんだろうな。下手に神の寵愛があるとか勘違いされただけでも、その人の人生ががらりと変わってしまうわけだし。

 特に信仰心が強い存在だと余計に神様から構われたら騒がしくなりそうな予感はする。



 そういうことを考えると本当にややこしいなってそんな気分。……俺も半神だって知られたら信仰の対象ではあるんだろうな。



 面倒だなってそう言う気持ちでいっぱいなので、街は去らないと。

 ……俺、定住するのに向いてなさそうだよなぁ。うーん、難しい。人との付き合い方って考えるだけでも大変そうだ。

 




「はぁ、面倒」

「咲人、全員ぶちのめす?」

「いや、大丈夫。もうこの街から去る予定だし、そのうち北大陸に移動するから」



 クラが物騒なことを言っていた。煩わしいなという感情は確かにある。信仰のことでどうのこうの言う人がこの世界は多すぎる。別に誰がどんなふうに、どの神を信仰していようがどうでもいいだろう。それが俺の正直な感想。


 どんな行動を起こしたとしても別に信仰する気持ちは自由だし、信者がどういう行動を起こそうとも誰かが文句を言う必要って何もないのだ。





 いちいち全員を相手にすることは得策ではない。力づくでどうにかすることって簡単だけれども、それだと正直キリがない。

 なるべく常識改変的なことをしたいわけでもないし、うん、やっぱり逃亡するのが一番いいな。



 あまりにもこういう日常を過ごし続けていると、クラだってストレスがたまり続けるだろうしなぁ。クラは俺の連れている猫として、向こうからしても認識はされているだろうし。




 クラの身体を撫でまわして、落ち着かせる。俺が撫でるとクラは気持ち良さそうににゃぁあんと鳴いていた。大きな姿に変化しているクラだってもふもふで可愛らしいなとは思うけれど、やっぱりこのサイズの方が抱っこしやすくて良い。



 北大陸は魔族が多いらしいし、クラが巨大な姿のまま移動していても違和感なかったりするんだろうか。というか神獣って基本的に神界にいるものなのかな? 俺はそんなことを思考しながら、次に訪れる街では面倒事が起こらなきゃよいなと思った。




 さて、そんな風に面倒な勧誘を交わしながらようやく街を後にする手続きが済んだので、早速街を出ていくことにする。

 勧誘してくる連中は、俺がなかなか頷かないことにいら立ちを感じてはいたみたいだった。条件はそこそこよかったと思う。

 ただ別に俺は誰かに仕えることを望んでいないので、幾らお金を積まれたとしても誰かに仕える気は全くない。



 後から俺が母さんの息子だって発覚した後が面倒そうだよなぁ。

 自主的に働くのと、誰かに仕えるのとじゃ大分意味合いが違うし。面倒な人族だったら、「半神に仕えられたことがある」なんて声高らかに言って騒動でも起こしそうな気はする。だから誰かに仕えるのはよっぽどの理由がないとまず却下。



 そういうわけで早朝の、人気が少ない時間に街を去ることにしたのだけど……、



「待ってくれ!」



 まさかの待ち伏せされていた。



 レイシューさん含む騎士達である。というかいまだにやっぱり諦めていなかったのか? うん、面倒すぎる。

 レイシューさんは一度勧誘をしてきた後、直接俺にそう言う話をしてくることはなかったのだけど……、これが最後の機会とでも思っているんだろうか。


 それに後ろに居る騎士達が俺を厳しい目で見ていることが嫌だなってそう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。