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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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光の女神の巫女との会話 ③

5/30 二話目


 俺は神の息子であることは確かだ。とはいえ、その名で想像出来るぐらい長生きしているかといえば全く違う。

 ――俺はまだたった十数年しか生きていない。地球では高校生でしかなかった。

 俺が長生きしていたら割り切れて、そのくらい良いかって気になっただろうか?



 いや、それも違う気がする。

 だってあんなに長生きしている母さんだってそんな風に割り切れていないし。寧ろ母さんなんて父さんに出会ってからの方が他の人とそういう仲に形式上でもなるなんてとなっているだろう。

 うん、俺は母さんと父さんっていう相思相愛な夫婦の元に産まれて、結婚っていうのは好きな人同士ですべきって認識だからこそアルバナの言葉には頷けないんだよな。


 何かやむを得ない事情があって、命の危機に瀕しているとかそう言う場合であるなら俺はアルバナの申し出を受けたかもしれない。もしくは俺がアルバナに対して結婚しても良いってぐらいの好意を抱いていたなら別だっただろう。でも俺はそこまでアルバナと交友関係を結べているわけじゃない。


 ついこの前出会ったばかりだし、あくまでアルバナは伯母さんの信者の中で特別な存在だというそれだけの存在だ。




 それにアルバナからしても、俺は”闇の女神ノースティアの息子”としての認識しかないだろう。俺が母さんの息子じゃなかったら、光の女神の巫女なんて立場のアルバナは俺のことなど気にしなかった。そもそも会話を交わすことなんてなかった。まぁ、俺が母さんの息子じゃなければこの世界に来ることなどありえなかったけれども。




「ふふっ、そこまで躊躇なく断られるとは思っていませんでした」

「俺の両親、凄く仲良しなんだよ。俺にとって結婚っていうのは思いあっている者同士で行うものだってそう思っている。俺は恋愛事はそこまで関心はない方だけど、もし好きな人が出来たら誠実でありたいとも思う。結婚を利害関係でしたくないっていうのもあるのかもしれない。それにそんな理由で結婚するのってアルバナにとってもよくないって俺個人としては思うかな」



 完全に俺個人の感情でしかない。俺は利害関係の結婚って、少なくとも片方が望んでいないならすべきではないとは思う。

 まぁ、アルバナが決意をもってそうすべきだって思っているのならば俺は否定すべきではないだろうけれど、個人的意見はそうだ。



 というか俺、恋愛事に熱をあげたりしていることはあまりないけれどそういうことには夢見ていることに気づいてちょっと恥ずかしくなった。

 だって興味ないって雰囲気出しときながら、恋愛はちゃんとしたいとか、結婚は好きな人とがいいとかそう言う感情でいっぱいだ。



 俺も誰かを好きって感情に気づいたら、母さんや父さんみたいになるんだろうか? うん、そんな自分は想像が出来ない。




「そうなのですね。それにしても話を聞く限りノースティア神と夫君は仲睦まじいご様子ですね。サクト様にとっても良いことだと思っていたので残念ではありますが、仕方がありません。ただ何かあった時はサクト様と知り合いであることはほのめかしても良いでしょうか? 結婚という形はなかったとしてもノースティア神の息子であるサクト様と親しい仲であるということを示すのはありだと思っております」

「構わないけれど……ただそういうのを言う前には相談してほしいかな。流石に俺が言われたくない形で何か広められても困るし」

「どのように連絡を取れば?」

「伯母さん経由で聞いてもらえれば」

「……分かりました。そんなことでイミテア様を経由して良いか心配にはなりますが、イミテア様も甥っ子には甘いのですね」

「あー……まぁ、それはそう。多分アルバナの思っている十倍は俺に甘いと思う」



 寧ろ母さんはそこまで俺や姉さん達を甘やかす感じじゃない。寧ろ父さん優先だから俺達のことなんて二の次だし。

 伯母さんの方が俺や姉さん達に甘い気はする。




「そうですか。こうして知られざるイミテア神のプライベートな一面を知ることが出来るのは嬉しいです。神々の事情など、私達では本来は知ることが出来ませんから。サクト様は……これから長生きなさるのでしょうか?」

「多分?」

「そうですか。ならこの先、サクト様に愛される方がどのような方になるか楽しみです。私はその時には寿命を迎えているかもしれませんが、きっとそのうちサクト様はノースティア様の息子として名を馳せることにはなるでしょう」



 なんだか確定事項のようにそう言われた。いや、俺は出来れば母さんの息子だってバレないようにしながら生きていきたいんだが!

 だって母さんの息子だって知られたら絶対面倒だし。




「さぁ? 今のところはなるべく母さんの息子だって知られないようにする予定だけど」

「そうですか。……もしサクト様がどういった女性がタイプかなど教えていただければ、ご紹介も出来ますが」



 アルバナは多分、俺との繋がりを深くしたいんだろうなとは思う。それは先ほど言った利害関係で。




「そういうのは要らないよ。まぁ、しいて言うなら一緒に居て楽な子だけど」


 俺はただそれだけ答えた。

 今だとフォンセーラとかは一緒に旅もしているし、一緒に居て楽といえば楽な相手なのかな。





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― 新着の感想 ―
実際問題子孫とかが「我は神の血筋だ!」とか言い出しかねないしねぇ
まぁ、ここはくっつかないよね フォンセーラもまだまだ信徒すぎてヒロインっぽくないし 今後どんな娘がヒロインになるか読者としても楽しみ フォンセーラなのか、今後何かがあってアルバナが逆転勝ちするか、まだ…
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