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薄井君は召喚されたので異世界を漫遊する~家族の秘密を知った件~  作者: 池中織奈


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ちょっとしたお金稼ぎをする ⑪


 引き続き魔物討伐を続けている。特にこれといって問題は起きていない。そもそも俺とフォンセーラとノスタの三人が揃っていて倒せない魔物は中々居ないだろう。客観的に見てもそうだろうなとは実感している。


 ちなみに魔法を使っていると、その魔力に怯えたのかそのまま逃げだす魔物もそれなりにいた。魔力を感じとる能力が高い魔物だと特にそうみたいだった。特に俺の魔力って、おそらく神力とかも混じってそうだしなぁ。あんまり自覚はないけれど。



 俺の身体は、徐々に神へとつくりかえられているんだろうか。……なんかそんな気もする。この世界に大分、馴染んでいるのは確かだしな。



 俺は正直職につく必要はおそらくない。神への身体が移行していくならば、人間の暮らしを気にせずに過ごしていくのが正解だろうか。ずっと先の未来も俺はこうやってお金稼ぎをしながらも、のんびりと過ごしている気もする。

 神界なぁ。まだ行ったことないけれど、楽しく過ごせる場所だったらいいんだが。



 俺は父さん似だし、どういう風に思われるんだろうか。神様的には、俺の存在について何を感じるだろうか。

 姉さん達は受け入れられているらしい。母さんに似ているし、伯母さんが受け入れているから。


 俺はどうなんだろう? 母さんたちのことを崇拝しすぎてしまうからこそ俺や父さんに対してどうのこうの言う人ってきっと世の中にはいるんだよな。





 魔物討伐中に魔物に襲われて対応が出来ていない冒険者を見かけることもあった。俺は目立ちたくないので、救出に関してはフォンセーラとノスタにやってもらった。二人だけでも対処が出来る程度の魔物だったから問題はない。

 というか冒険者登録もしていない俺が魔法を自由自在に使っていたらそれこそあることないこと騒がれるだろうから絶対に嫌だ。


 冒険者登録をすることを強要されるのも絶対に嫌だし、俺は自分の意思を無視して好き勝手言われることは嫌だ。



 ……なんか、俺、この世界にきてから母さんの影響もあるだろうけれど、自分の意に沿わないことをされるのって滅茶苦茶嫌になっているかもしれない。

 地球に居た頃って、俺はもっと自重出来ていた気もする。……この世界だと、俺が自由に過ごしても特に問題がないからかな。それか俺の意識が神様よりに変わっているからか。



 なんか俺、自分が父さん似だとずっと思っていたけれど、父さんは何というかなんでも受け入れる感じだからなぁ。俺の場合は何か強要されたら思いっきり反発すると思う。そう考えると俺ってそういう点は母さんよりなのかもしれない。





 フォンセーラとノスタは助けた人たちに捕まって、しばらく会話を交わしていた。二人は冒険者達と早く離れたそうにしていたけれど、食い下がられているようだ。

 フォンセーラもノスタも一目を引く見た目をしているから、向こうからしたらお近づきになりたくて仕方がないのかもしれない。

 俺とフォンセーラとノスタは、基本的に道中以外は三人で行動することって珍しい。街に居る間はそれぞれ別のことをしているしな。



 その方がきっといいんだろうなと思うのは、二人が目立つ顔立ちをしているからだ。



 そもそも地球に居た頃だって母さんや姉さん達と一緒にいると妬みの視線とかむけられたし。俺が血の繋がった家族だと知って驚かれたりとかも散々していた。その時と同じような目に遭う予感しかしない。まぁ、慣れていると言えば慣れているけれど。


 しかしフォンセーラもノスタも、あんまり浮ついた感じはないんだよな。異性からキャーキャー言われても特に気にしないっていうか。その辺は母さんへの信仰っていう彼らにとって最も大切にしなければならないことが定まっているからか? それがあるからこそ、信仰以上に大切なものってないのかもしれない。



 そんなことをつらつらと考えていたら、フォンセーラとノスタが戻ってきた。




「随分時間かかっていたな」

「一緒に食事に行こうと誘われたわ」

「ああいうしつこい連中は僕は嫌いだ」



 ナンパのようなものを受けていたらしい。あの冒険者達、魔物に襲われて危機を助けてもらった立場なのに随分余裕があるなとびっくりした。



 やはりこの世界は人の命が軽いから、その場その場を生きているとかそんな感じなんだろうか?




「魔物に襲われている冒険者を助けるのは義務だけど、ああいうのがいるから困るのよ」

「助けたくなくなる」



 二人はこれまでも同じようなことを経験しているらしく、うんざりした様子である。というか今はまだ一人じゃないからマシなのかもしれない。多分単体だったらもっとナンパは酷いだろう。



 ――でもそんな風に周りから人気な二人も、母さんの信者だって知られたら周りから敬遠されるんだろうか? なんかそれが想像出来て微妙な気分になった。



 その後は特に大きな問題もおこらず、俺達は無事に魔物討伐を終えた。素材を売ったら結構な収入になって、ほくほくとした気持ちになった。



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