FIRE DRAGON
今日は予告通り、食べてはハンモックで寝るを繰り返すぞ。
朝のルーティンを終わらせ、なにげにトウヤはお気に入りだ。学園に行ったら普段
使いはこれにしようかな。諭吉もコクを気に入ってるそうだ。相手を気絶させる
だけなら、これで十分と言っていた。物騒だな、おい!
おいしい朝食を頂き、みんなでBPOへ。
「エルー、ボックルー。おひさ。」
「やあ、カエデ。お早う、今日は干物、それともコーヒー豆?」
「違うよー、今日は1日くつろぐ事にしたんだ。」
「えっ?小梅ちゃん達が魚を釣りだしたけど?」
「えっ、ほんとだ。あれ?おかしいな・・。小梅、干物頼まれたの?」
「いや、趣味。」
「お昼に食べます~。」
「うむ。」
「成る程、まずは昼食の確保だね。偉いぞみんな。ムニエルを作ってあげよう。」
「ここの魚は美味しいもんね。」
「アサヒはまだ帰ってないの?」
「居るよ、寝てるけど。昼には起きるんじゃないかな。」
「システィーナは大丈夫なのかね?」
「他にも長老は居るから、帰るのやめたって言ってたよ。」
「あーやっぱり・・世界樹に住むのかな?」
「どうだろねえ・・。まっ、部屋は余ってるし世界樹は日々成長中だから
問題はないけどね。」
「その時はよろしくお願い。ガーネットには僕から話すから。」
「わかったよ。それと、ちょっと聞いて欲しい事があるんだけど、いい?」
「いいよ。」
「サラの事なんだけど・・・。」
「サラ?どうかしたの?」
「サラがマウラ火山の麓に住んでるのは知ってるよね。」
「うん、イカルガ時代に何回か行ったよ。」
「そのマウラ火山にファイヤードラゴンが住みついちゃったらしいんだ。」
「ああ、ファイヤードラゴンは気性が荒いからね。」
「そうなんだけど、サラとしては共存でも良かったみたいなんだけど、その
ドラゴンが人里を襲い出したらしいんだ。」
「人喰い・・・。」
「サラもけっして弱くはないんだけど、さすがに1人だと荷が重い。」
「成る程、追い出すか討伐を手伝ってほしいと。」
「そうなんだ、このままだと帝都から討伐隊が派遣されそうだし、そうなると
被害が広がるからね。」
う~ん、面倒臭いと言うのはちょっと不義理だな・・いろいろ手伝ってもらって
るし、それに・・・
「わかったよ。討伐になるけどいいよね。丁度、僕の姉のチームがドラゴンを
探していたから。」
「危なくない?」
「大丈夫だよ、みんな強いから。それに僕も手伝うしね、早速、ちょっと
行って来るよ。」
「悪いね、休もうとしてたのに。」
「いや、そばの実とかコーヒー豆とかカカオとか、すごく助かってるし。」
みんな、行くかな?
「小梅達は、どうする?」
「行く。」
「いきます~。」
「うむ。」
「諭吉、ファイヤードラゴンだけど行く?」
「おもしろそーだから行く。」
「カモナ、イド君のスタンバイ。」
「かしこまりました。」
「じゃあ、みんな行こうか。」
BPOでのスローライフが1転、ドラゴン退治に。
「カモナ、帝都で姉さん達を拾ってマウラ火山に行く。場所わかる?」
「大丈夫です。地図を入手してますので。」
「よし!カモナ、イド君。発進!」
「おやつタイムにしよう、食べながらでいいから聞いて。ファイヤードラゴンを
倒しに行くけど、ベル姉達をドラゴンスレーヤーにしたいから僕達は
サポートに回る。」
みんなケーキを食べながら、頷く。
「飛んでるのを、いかに落とすかだね。小梅達は副砲で翼を狙って、諭吉と美月
は陽動を頼む。僕は地上に降りてベル姉達の後方支援をする。」
みんなコーヒーを飲みながら、頷く。
「ねんの為、結界を張れるブレスを作るから、僕はアトリエに入る。みんなは
一応、アップしておいて。諭吉、頼む。」
「わかった。」
僕はアトリエに行き、ラプラスの盾もどきを本気で作る。つまり神器だ。
ブレスを防がないといけないからね、神楽の屋敷から少しだがオリハルコンを
持って来ていた。ブレスレッドだったら4つ位は作れるだろう。
「リュウちゃん、ファイヤードラゴンの討伐に行くんだけど、リーファン的
には問題ないのかな?」
「人喰いは問題ないそうじゃ、ただ今回も卵をなんとかして欲しいそうじゃ。」
「ああ・・了解。」
さて、手首だと邪魔になりそうだ。特に、諭吉。アームレットにしてオートで
結界を張れるようにしよう。強度はできる限り硬くしてっと、オリハルコンなら
耐えられるだろう。目立つ意匠はだめだな、シンプルに鳩の刻印だけにしよう。
錬金術で形地を整え、熱して叩いたりしてなんとか完成。
これでファイヤードラゴンのブレス程度は耐えられるだろう。リフレクトを
付けたかったけど時間が足りない。
「そろそろ到着します。」
「了解、屋敷に寄らずこのまま学園へ。」
「かしこまりました。」
「小梅、スノさんに連絡してくれる。」
「わかった。」
校庭の隅に待機、もちろんステルス全開。
あっ、出てきた。
「小梅、こっちに誘導してあげて。」
「わかった。」
「ベル姉、乗って!」
みんな乗って来た。おお、制服姿は初めて見る、いかすじゃん!
「どうしたの?カエデちゃん。」
「授業は大丈夫?」
「平気よ、私達は午後からの授業は免除されてるから。ダンジョンにでも
行こうかと話してたところ。」
「グッドタイミングだね、じゃあ行こうか。」
「どこに?」
「マウラ火山。」
「なんで?」
「ドラゴンスレーヤーになりに。」
「「「えっ!」」」
「あれ?ドラゴンを探してたんじゃないの?」
「探してたわよ。マウラ火山にいるの?」
「居るよ、ファイヤードラゴン。」
「「「キャー!カエデちゃん、ありがとう!」」」 3人にもみくちゃに。
「ちょっと、落ち着いて!」
「お嬢様方、落ち着いてお茶でもいかがですが?」
さっすが、カモナ・・・って諭吉じゃねーか!
「何してんだ!諭吉。」
「何って俺は師匠に弟子入りしたからな、この服も師匠が用意してくれた。
どうだ?」
「どうだって・・・似合ってるよ執事服・・。」
「「「キャー!チビッ子執事よ!」」」
諭吉も3人にもみちくちゃにされている。が、まんざらでもない様子。ならいいか。
「カモナ、なんだかよくわからないけど、よろしくね。」
「かしこまりました。立派な執事に育てます。」 カモナやる気まんまん。
「みんな座って、事情を説明するから。」
諭吉とカモナが、モカケーキとコーヒーをサーブしている・・・。
気にしたら負けなのかな・・・。
美月を見ると、首を横にふって、やれやれのポーズをしている。
とりあえず3人にファイヤードラゴンの事情を説明する。
「なるほど、じゃあそのサラさんという大精霊と近隣の町の人々が困ってると。」
「そういう事、で、ベル姉達がドラゴンスレーヤーになるチャンスだし、依頼を
受けたという訳。装備とか大丈夫?」
「大丈夫よ、いつも持ち歩いてるから。」
「了解、あとこれ腕に付けて。」 できたてのほやほやのアームレットだ。
「それは結界のアームレット、オートで結界を張るから。ブレスと火山の有害
物質くらいなら平気。」
「なにそのとんでもアイテム!どうしたの?」
「どうしたって、ここに来る途中で作ったよ。」
「誰が?」
「僕が。」
「「「えっ!」」」
「カエデちゃん、魔導具作れるの?」
「凝った意匠は無理だけどね。」
「ふぇ~、やっぱりカエデちゃんは天才ね。」
「やめてよ、天才じゃないし。天才はそこのチビッ子執事。」
「諭吉ちゃんも天才なのね!天才のインフレね!」 どこでそんな言葉覚えた?
「とにかく3人には、ドラゴンスレーヤーになってもらうから。」
「「「まかせて!」」」
「そろそろ到着です。いかがなさいますか?」
「サラに会って話を聞きたいから、火山の麓にお願い。」
「かそこまりました。」
「サラー、いるー。」
「久しぶり、カエデ。エルから聞いてるわ。悪いわね。」
「気にしないで、こっちもメリットあるから。ファイヤードラゴンの住処
教えてくれる?」
「頂上の噴火口よ。火山のエネルギーを吸収してるわ。そのせいで温泉街の
お湯がでなくて困ってるの。」
「温泉がでないだって!それは、ゆるせん!」
「定期的に街を襲うから、何個か街が消えたわ。」
「突然、来たの?」
「そうね・・何度か会話をしようとしたんだけど、全く話が通じないの。
今までも違うファイヤードラゴンは来てたのよ、でもたいていはひと休み
に使うくらいで住み着く事はなかったわ。」
話の通じないドラゴンか・・なんか裏がありそうで嫌だな・・。
まっ、直接見てみるしかないよね。
「わかった。ちょっと見てくるけど、そのまま戦闘に入ると思うから。」
「お願いよ。」
「イド君、頂上付近までお願い。」
「かしこまりました。」
「みんな、戦闘準備して。」
ステルスをかけて頂上付近まで行く。そこで滞空してドローンを飛ばして
火口を見る。いた!見た所、普通のファイヤードラゴンの様だけど・・・。
場所が悪い、あんな所で戦うのはベル姉達が危ない。外に出てきてもらおう。
「ベル姉、外に出てきてもらうから月天弓で翼を射ってくれる。」
「わかったわ。」
「斜面に落ちたらバトルスタートね。」
「「了解。」」 ホワイトファングと陰陽の太刀か・・2人で大丈夫じゃねえ?
「イチとニイも出てきたら翼を撃って。」
「わかりました~。」
「うむ。」
「諭吉と美月は、ひきずり出すの手伝って。」 2人は頷く。
「小梅もお願い。」
「わかった。」
アリ姉と華姉は斜面に降り立つ、ベル姉は甲板でスタンバイ。
インカムは渡してある。僕は小梅に乗せてもらい諭吉も美月に乗って飛び立つ。
「デル君。」銀貨を入れる。
「イエス、マスター。」
「氷弾。」
ドウン!鼻先に命中、一瞬凍ってすぐ溶けた。そりゃそうだ火山だしマグマだし。
ギロリとこちらを見て、いきなりブレスを吐いた。うへぇ、いきなりかよ。
そこに諭吉が割って入る。結界が張られブレスを防ぐ。おお、成功だ。
「ドキがムネムネ。良かった本当にブレスを防いでくれた。」
「信じてなかったの?」
「もちろん!」
「なにをー!」
「お二人とも、言い争ってる場合ではないですよ。でてきます。あのドラゴン、
様子が変ですよ。」
えっ?なんだ?でけー!カラーズクラスじゃないか!
「ベル姉、イチ、ニイ。よろしく。」
月天弓から魔力の矢が、これもでけー!ベル姉、使いこなしてんな。翼を貫通。
イチとニイの副砲も貫通はしなかったものの傷がつき、飛んでいられなくなった。
「再生する前に、片を付けてー!」
ベル姉も2人に合流。3人VSファイヤードラゴンのバトルが始まる。
僕達は後方に控えて、いつでもフォローできる体制に。イド君は反対側にいる。
「イチ、ニイ。飛びそうになったら、翼に砲撃して。」
「わかりました~。」
「うむ。」
「カエデちゃん、このドラゴン変よ!酔っぱらってる?それにこの匂い。」
「えっ?匂い・・この感じは・・そういう事か!ベル姉、このドラゴン、
魅了されてる!」
玉藻なのか・・。気配を探るが玉藻の気配はない。3尾でもドラゴンを魅了
できるのか?クソッ!あばれたり、エネルギーを吸収してたのはこいつの意志
じゃない。けど、術者を滅しないと魅了は消えない。申し訳ないが一度卵に
戻ってもらうしか・・。
「ベル姉、魅了の術者はこの場に居ないからどうしようもない。討伐して!」
「でも・・・。」
「大丈夫、こいつは死なない。卵に戻るだけだから。」
「わかったわ、みんな行くわよ!」
「「了解~。」」
「カモナ、警戒範囲を広げて。」
「かしこまりました。」
ベル姉が村雨を抜いた。おお・・本気ベルだ。ファイヤードラゴンも今まで溜めた
エネルギーがあるのかブレスを吐きまくっている。
だが、結界のアームレットがいい仕事してる。姉さん達はノーダメージだ。
火山の形はかわるけど・・。
アリ姉がホワイトファングで凍らせて、一瞬足を止める。
「今よ!華!」
「了解、草薙の剣!」 首を切り落とそうとする。
やばい、浅い!いつのまにかベル姉が華姉の後ろに居た。
「タチバナ流、一の太刀!」 ズバンと残ってた部分を斬り、首が落ちる。
ひぇ~、業物とはいえ普通の刀でドラゴンの首を斬っちゃうの!
ベル姉、やばいわぁ~。ズズーンとファイヤードラゴンが沈む。
「おめでとう、みんな。これでドラゴンスレーヤーだ。クロ兄達の記録を
更新したね。」
「「「ありがとう!やったわ、カエデちゃん!」」」
「卵だけ取り出して、後は持ってくよ。帝都のギルド?」
「そうね、報告しないといけないから。」
「了解。」
卵の位置はだいたいわかる。2度目だし・・。確かここだ、鱗が硬いのでマリン
の剣で切っていく。本体を傷つけないように慎重に卵を取り出す。
よし、オーケー。頭と身体をアイテムボックスに入れてっと。
「お疲れ様、サラに報告して帝都に戻ろう。」
「サラ、サラー。」
「終わったの?滅茶苦茶早いんだけど・・・。」
「ベル姉達は強いからね。」
「これで温泉も、元に戻るわ。ありがとう。」
「エルには伝えておいて。」
「わかったわ。私もガーネットの森に遊びに行くわね。」
「んじゃ、その時にゆっくり話そう。」 イド君に乗り込み帝都へ。
「カモナ、お茶を。」
「かしこまりました。」
あっ、諭吉がまた着替えてる。気にいってんのかな?
まあ、怪我なく終わって良かったよ。
「卵、欲しい人いる?」
「私達は大丈夫よ。アリスは従魔との相性が悪いのよ。」
「じゃあ、僕が預かっておくね。」
時空ポケットに入れておけば、大丈夫だろ。




