RETRIBUTION
「はいこれ、クロ兄の結界石。魔力を流して。」
「了解。」
するとドラゴンが飛び出して、どっかに飛んで行った。
「なんでクロ兄まで呪われてんの!」
「えっ!僕、呪われてるの?」
「タケル兄とアス姉は?」
「もうくる頃だよ。」 丁度、来た。
「2人とも、この結界石に魔力を流して!」
「なんだ?やぶからぼうに。」
アス姉はすぐに察して魔力を流す。すると、ファルコンが同じ方角に飛んだ。
「やっぱり・・・。タケル兄も!」
「わかった。」 結果、同じ方向にトラが飛んで行った。北東か・・・。
「シュリ叔父さん、3人ともアウトだよ。」
「おい、タケ、クロ、アスカ。呪われる覚えはねえのか?」
「あるわね。」
「あるの!」 クロ兄が驚いている。
「ああ・・。」 タケル兄は、わかったようだ。
「タケル、行くわよ!」
「えっ、僕は?」
「クロはいいわ。たぶん、とばっちりだから。」
「まじ?」
「アス姉、北東だよ。」
「わかったわ、カエデちゃん。」
2人は、ばたばたと出て行った。
「カエデ、都会はこえーな・・。なんか俺、学園に入るの嫌になってきた。」
「僕もだよ、諭吉。」 ボタン先生が戻ってきた。
「なんの騒ぎ?」 シュリ叔父さんが説明している。
「そうなの・・。呪いか・・。学園はね競争社会なの、当然、妬みや嫉妬が
存在するわ。クロ君もベル達も学園ではスターなのよ。その分、負の感情
にもさらされる。」
「呪術は禁止とかじゃないの?」
「命に関わるようなやつは、禁止されてるわ。でも、呪術も立派な魔法のひとつ
なのよ。闇と相性のいい子もいるしね。」
「やっぱ中の中だよ。目立たない様にひっそり生きて行こう。」
「お、俺も。」
「クロ兄、紹介するね。蕎麦屋大将の諭吉だよ。」
「は、はじめまして、只今、紹介にあずかりましたユキチ・ショウゲツです。」
「アハハ、そんなに緊張しないで、神楽でよく松月庵に行くよ。僕は蕎麦が
大好きでね、神楽に住もうと思った理由のひとつだよ。」
「そうなんだ、ガーネットの松月庵も今週末オープンなんだよ。」
「うらやましいな・・・。」
「食べますか?」
「食べれるの?」
「はい。カモナさんに一通りの道具はあります。そば粉も。」
「いつの間に。」
「いや、カモナさんが教えてほしいって言ったから・・。」
「いや、ナイスだ諭吉。夜はみんなで蕎麦を食べよう。」
「おう、まかせろ!」 諭吉はカモナで蕎麦の仕込みだ。
「お兄様も、お姉様も今日は早く戻るって言ってたわよ。」
「なんで!」
「なにやら予感がするって、前回は逃げられたって。」
「ああ・・システィーナの森の事件の直前だった・・。」
「システィーナの森と言えば、カエデちゃんあの時なにがあったの?」
「クロ兄達が来る前に、余計な物をバート夫妻と僕達で処理しただけだよ。
クロ兄達にはドラゴンゾンビに集中してほしかったからね。」
「余計なものってなんだ?アサヒ様もその辺は濁していたしな。」
「リッチだよ。」
「な、なんだと!」
「いや~まじ焦ったよ。母さんとクロ兄達が来るの早いんだもん。九十九さん
は僕達に気が付いていたけどね。そうだ、それで思い出した!父さんも
雷帝もなんで危ない所に学生を送るの?」
「それねえ・・お兄様も雷帝も止める方よ。」
「えっ!母さんか・・・。」
「そうよ、ドラゴンゾンビなんてめったにお目にかからないから
いい修行になるって。」
「ごめんよ、父さん、雷帝・・・。」
「ああ俺も行きたかった。」
「すごかったよ。マリア先生が神剣を振り回して、世界樹ぶった斬るんじゃない
かとヒヤヒヤしたよ。」
「ワハハハ!今度なんかあった時は俺も絶対に行く!」
「やめてよシュリ叔父さん、平和が一番なんだから。呪いはあったけど。」
「おい、クロ。体調とか大丈夫なのか?」
「う~ん、わからないんだよね。特になにも感じてなかったんだよ。」
「ボタン、なんかわかるか?」
「そうねえ・・さっきも言ったけど、学生じゃないかしら。弱い呪いしか
できないような。」
「僕達やベル達が活躍すればするほど、おもしろくないと思う連中は
山ほどいるからねえ。」
「ホログラムが1匹しかでなかったから、命に関わるような呪いじゃないと
思うけど、それでもやっぱりゆるせないよね。」
「そうだね。」
「これはもう呪いの大小に関係なく、徹底的に相手をつぶすのがいいと思う
けど・・。ガーネットとタチバナにケンカ売ったらどうなるか知って
もらったほうがいいよね。」
「カエデちゃん、怖いよ。」
「クロ兄、たぶん今頃、呪いをかけた人は呪詛返しをくらって苦しんでるよ
しかも3人分だ。1人1人は気付かない位弱い呪いでも、まとまると強力
になるし、命だって危ない。その人がやった事はそういう事なんだ。
大人も子供も関係なくね。」
「人を呪わば穴2つってやつだな。」
「その通り。とりあえず呪いをかけた人は学園から消えてもらおう。」
「ボタン姉・・・カエデちゃんって、こんな?」
「そうねえ、身内になんかしたら、その人の人生はジ・エンドよ。」
「兄弟で良かったよ、本当。」
ベル姉達が帰って来た。
「呪いをかけた子はすぐにわかったわ、フェンリルとトラとファルコンに
襲われてたから。やばいわね、呪詛返し。あの娘たぶん再起不能だと思うわ。
先生達にも事情を話したら呪術に対しての規制を強めるそうよ。あと、
その娘のお姉さんも同じ目にあってたわ。姉妹揃って再起不能ね。」
「まあ、自業自得だね。誰だか知らないけど・・。早く、教会か魔導院に行って
ディスペルかけてもらわないと死ぬよ。」
アス姉とタケル兄も帰って来た。呪詛返しで苦しんでる2人を魔導院に届けて
きたそうだ。
「2人は俺達の年代とベル達の年代のナンバー2のパーティに属している。
パーティとしてなのか個人としてなのか学園の方で調べて処分を考える
そうだが、呪いをかけた2人の退学は決定だそうだ。」
「ふむふむ良かったよ。そんなアホがいなくなって、なんならそのパーティ
ごと殺っとく?トカゲの尻尾をきる感じになるよきっと。知らなかったで
済ませるわけないだろう。」
「カエデちゃんが怖くて素敵。大丈夫よその2人がリーダーだったから十中八九
解散して消滅するわ。」
「そう。なら今回は勘弁してやろう。結界石はネックレスにでもして身につけて
おいて、ホログラムは呪いの強さに比例するから、さっきみたいに1匹だと
たいした呪いじゃないけど、何匹もでるならやばい呪いだから気をつけて。」
みな、頷く。さて、そろそろ蕎麦ができるかな?
「カエデちゅわ~ん!」
どあっ!息ができない!母さんだ・・・。
「母さん!カエデちゃんが窒息してる!」
「まったく・・姉貴は・・・。」
ベル姉達が、引きはがしてくれたお陰で死なずに済んだよ・・まじで・・。
「母さん、久しぶり。父さんは?」
「もうすぐ帰るわ。」
「そう、丁度良かったよ。みんなで蕎麦を食べよう。」
「いいわね、帝都にもほしいの。カエデちゃん、なんとかして。」
「わかったよ、考えるから。カモナ、様子どう?」
「準備できております。松月庵の表札の部屋へお越し下さい。」
「了解。父さんが帰ったらすぐ行くよ。」
「かしこまりました。」
「カエデちゅわ~ん!」 どあっ!父さんだ。
「剣ありがと~、いいのができたんだよ~。」
「剣?ああ、見えない剣!できたの?」
「できたよ~。父さん、無敵になったんだよ~。」
「それは良かった。帰って早々あれだけど蕎麦たべようよ。」
「いいよ。お腹ペコペコだ。」
「じゃあ、みんなカモナに入って。カモナ、父さんと朝顔さんも承認して
あと九十九さんも。」
「かしこまりました。」
父さんと朝顔さんは初めてなので驚いていた。松月庵のドアを開けるとそこは
まさにガーネットの松月庵と同じ・・いやもっと広い。
「らっしゃい!用意はできてるぜ!美月と朝顔は手伝ってくれ。」
カモナが2人いる。メニューまである、すげーなカモナ・・。
スノさん達も人化できてる。マルテアが人化してクロ兄達がびっくりしてる。
みんなでわいわいメニューを選ぶ、僕はみんなに鴨系を勧めた。
諭吉が板わさと味噌田楽も出してくれた、これも旨いんだ。
ささ、のびないうちに食べましょう。いただきます。
皆、ひと言も喋らず蕎麦をすする。この人数が居るのに静かだ。
「カエデちゃん、言葉がでないくらい美味しいわ。正直、神楽の松月庵より
美味しくない?」
「ガーネットの森のそば粉と神木の桜のチップでシュリ叔父さんが作った
燻製鴨肉は最高だからね。」
「カエデちゃん、父さんびっくりだよ。森でそばの栽培してるの?」
「いや、自生だよ。それを精霊達が育ててる感じかな。カカオとコーヒーも
すごいんだ。カモナ、人数分のコーヒーいける?」
「大丈夫ですよ。」
「じゃ、お願い。」
「かしこまりました。」
「カエデちゃん、すごく美味しかった。ガーネットでこれ食べれるの?」
「うん。今週末に蕎麦屋とパティスリーがオープンするよ。」
「いいわね。」
「ケーキ食べる?」
「食べる!」 女性陣が反応した。
「カエデ、これ作ってんの諭吉なのか?」
「そうだよ。こっちが本業で忍者は副業だって。」
「わははは!そうかこっちが本業か。」
「諭吉、紹介するよ。僕の両親だ。」
「は、初めててございますな。ゆ、諭吉と申す者です。」
「キャ~、可愛い~。」 母さんが諭吉を抱き締める。諭吉が昇天した。
「ははは、諭吉君。これからもよろしく頼むよ。こんなおいしい蕎麦を
食べたのは、初めてだ。」
「だめだ父さん!諭吉が気を失ってる!」
しばらくして、諭吉が目を覚ます。
「カエデ、あれはやばいぞ・・凶器だ。」
「・・・そうなんだよ。」
シュリ叔父さんが、蕎麦のお礼にと諭吉、美月、朝顔さんに熟成肉のステーキを
焼いてくれた。3人ともとても喜んでいた。
コーヒーとケーキにも、みな驚いていた。
「カエデちゃん、精霊系は領の外に出すのはまずいかもしれない。旨すぎるよ。」
「僕もそう思うよ、父さん。今の所は領内のみするよ。」
「そうして。」
「本当に美味しかったわ、カエデちゃん。卒業したらやっぱりガーネットに
帰ろうかしら。」
「アス姉、まだ時間あるんだからゆっくり考えて。」
「そうするわ。」
「カエデちゃん、久しぶりでいいのかしら?」
「九十九さん、久しぶりだね。システィーナでは気付いてたでしょ。」
「そうねえ、カエデちゃんというより楓の気配にかしら。」
「そうなの?コウヤから詳しい話は本人に聞けって言われたけど?」
「そうねえ・・。私は元玉藻って感じかしら、こちらの世界に来る時に力が大き
すぎて悪影響が出かねないと月詠が3人に分けた内の1人ね。だから、今の
私は三尾よ。」
「あまり聞きたくはないんだけど、他の六尾はどこに?」
「1人はガーネットの森で隠れ住んでるわ。もう1人は行方不明。」
「聞かなきゃよかった。」
「能力も3つに分かれた感じなの、私は刀術ね朧月を使ってるわ。ガーネットの
森にいるのは変化、行方不明になってるのが魅了ね。」
「やっぱ聞かなきゃよかった。」
「魅了をもってるのが玉藻。おそらく怪我を治してる最中ね。」
「怪我?」
「楓に日本でやられた傷ね。」
「ああ・・あの時の。でも100年はたつんじゃない?」
「陰陽師につけられた傷は、そう簡単に治らないのよ。」
「なんか僕、狙われそうで嫌なんだけど・・・。」
「狙われるわね。力が落ちてるとは言え魅了は使えるわ、危ないからもっと
力をつけておいて。」
「えっー!僕はスローライフを送りたいのに・・。」
「できればそうなる前に、見つけ出してなんとかするわ。」
「まじお願い。平和に静かに暮らしたい。」
「わかってるわ。森の私の半身をよろしくね。」
「了解。できる範囲でだけど・・・。」
「それでいいわ。」
森の三尾の妖狐を守るというタスクが追加された。




