FURNISHINGS
「カエデちゃん、帰る前に執務室に寄ってくれる。渡す物があるから。」
「わかった。」
皆に父さんの用事が済んだら出発する事を伝え、父さんと母さんといっしょに
執務室へ。
「なに、父さん?」
「まずこれを。バートに頼まれていたプライベートシップ用の魔石。」
「ああ、飛行船のやつだね。」
「けっこういい出来なんだよ、完成が楽しみだ。」
「そうだね。完成したらガーネットにも週末は帰ってこれるかもだね。」
「クロ達とベル達の呪いの件は、助かったよ。」
「帝都と学園は、改めて怖い所だと思ったよ。はいこれ、父さんと母さんの
結界石。魔力を流すと起動するから・・・魔力を流す前に言っておくけど
おそらく・・・。」
「わかってるよ。宰相や勇者なんてやってるとね。」
2人は魔力を流した。すると、クロ兄達とは比べものにならないくらいの
グリフォンとキツネがどっかに飛んでいった。わかってはいたけど、これは・・。
「やれやれ・・。人間の性だね、これは・・・。」
「2人とも体調とか大丈夫だったの?」
「平気だよ。そこまで僕達は弱くないからね。」
「まあこれからは、不治の呪い以外は大丈夫だから。」
「ありがとね、カエデちゃん。」
「あとこれは、お礼という訳じゃないけど2輪車ができたから、持ってて。」
「うわー、ありがとう。戻ったら乗ってみる。」
「システィーナの件もありがとね。」
「母さん、あんま無茶はしないでね。母さんと九十九さんなら僕達が露払いを
しなくても良かったけどね。」
「あら、私は手を出す気はなかったわよ。」
「まじ?ちょっと父さん、スパルタが過ぎる!」
「ははは・・・。」
「これはクロ兄達とベル姉達をさらに強化しなければ、命がいくつあっても
足りない。こうなったら、僕が武具を作らないと・・・。」
「ズルはだめよ、カエデちゃん。」
「ははは・・大丈夫だよ母さん。7歳児の僕がちょこっと武具を作るだけ。」
「作るとどうなるの?」
「もれなく神器になりまふ。」
「ズルじゃない!」
「いやいや母さん、この間のドラゴンゾンビクラスだと一刀両断できないと
だめだよ。主人公なんだから。」
「ロイド、カエデちゃんの方がスパルタなのよ!」
「2人とも、ほどほどにね。クロスとベルになんかあったら困るのは
2人なんだから。」
「そりゃ、まずい。母さん、ほどほどにね。」
「くっ、わかったわ。」
「じゃあ、バロン爺ちゃんとヘンリエッタ婆ちゃんをピックアップして
ガーネットに戻るよ。」
「よろしく頼むね。」
2人とハグして執務室を後にする。バイクは楽しみだなあ、改良しよう。
あと、銃の事を突っ込まれなかったのもラッキーだった。思い出す前に
去ろう。リビングに戻るとみんな揃っていた。
「バロン様とヘンリエッタ様が待ちきれなくて、こっち来たわ。今、カモナさんで
お蕎麦たべてるわよ。」
「了解。じゃあ、帰ろう。みんな元気でね、近々、またくるけど。」
さあ、ガーネットへ帰ろう。
「シュリ叔父さん、急げば2時間だけどどうする?」
「そうだな、着いたら寝るだけだし、朝に着いてもいっしょだな。」
「じゃあ、朝に着くように。」
「かしこまりました。」
爺ちゃん達は、松月庵の部屋で蕎麦を食べ終わりリビングに来た。
「カ・エ・デちゅわ~ん!蕎麦、旨かったよ~ん!」
抱っこされて、頬ずりされる。
「爺ちゃん、更に元気になってない?」
「バロンにも困ったものなのよ・・・。」
「って、婆ちゃんも。」
やばいなエリクサー。やっぱ普通のエリクサーと違うんだ。
大人達は酒を飲むという事で、カモナに任せる。松月庵の部屋へ。
「お疲れー、風呂行こうぜ。」
「おう。」
「小梅、風呂行こう。イチとニイも連れて来て。」
「うん。」
風呂に浸かりながら、諭吉と話す。
「今日は、なんだかんだと忙しかったな。」
「確かに、まあ練習になって良かったけどな。」
「カモナの松月庵はどうすんの?」
「規模を縮小して残すって言ってたぞ。」
「おお・・それはいいな。いつでも食べれる。」 カモナ万能説。
「ガーネットの松月庵はそれぞれの種類で各20杯くらいかな。前の日に
仕込みしてなくなり次第クローズって考えてたけど、どうだ?」
「オーケー、問題ないよ。営業時間は?」
「11時から2時ってとこじゃねーかな。」
「いい感じじゃない?働き過ぎは、ダメ絶対。」
小梅達はジェット推進で遊んでいる。
風呂上りにみんなでアイス。諭吉と小梅達は、射撃練習をするとの事。
僕は自室に戻り、考え事というかタスクの確認だ。
シュリ夫妻の迎えはオーケー。
パティスリーミランダ、松月庵のオープン。
ダンジョンアタック。
森に隠れている三尾の確認。
ガーネット組の結界石。
浮遊サーキッド作り。
UTBの確認。
バイクの試運転。
こんなところだ。よし!だいぶ減った気がする。
結界石を作ってしまおう。諭吉はヤタガラス、シュリ夫妻はトラ、3個くらいは
いけるだろう。石の圧縮はしてあったし、たくさん作ったから慣れてきたな。
あと、2個くらいいけそうだから、爺ちゃん達のも作っちゃおう。
バロン爺ちゃんはライオン、ヘンリエッタ婆ちゃんは雪豹。
完成したので渡してしまおう。リビングに行くと4人はまだ飲んでいた。
「これ、結界石。」
「あら、私達のもあるの?」
「あるよ。タチバナはともかく、ガーネット関係者は持っておいたほうがいいよ
さっき、父さんと母さんに渡したらわんさかホログラムが飛んでいったから。」
「・・・・。」
「魔力を流せばいいんだな。」
「うん。」
4人は魔力を流した。・・・セーフ、誰も呪われていない。
「なるべく身に付けておいてね。」
あとは諭吉か、射撃場に行く。
「これ、諭吉の結界石。」
「なんか、小さくねえ?」
「そのサイズなら指輪とかピアスにできるでしょ?ネックレスにしないでね、
おそろっぽく見えてキモイから。」
「こっちだってキモイわ!ピアスにする。指に何も付けたくねーし。
加工できるとこ、教えろ。」
「了解。僕は魔力切れでそろそろ寝るから。みんなも程ほどにね。」
「わかった。」
ぐっすり寝た。小梅達がベットに来たのも気がつかなかったよ。
「カモナ、着いてる?」
「はい、到着しております。」
よし!ランニングに行こう。軽く走って、素振りだ。考えてみれば僕も諭吉も
木刀を持ってないな。
「諭吉、僕は木刀を作ろうと思うのだか・・・。」
「奇遇だな、俺も考えていた。しかし、どこで作ればいいんだ?」
「やっぱ、マリンさんの所じゃないか?」
「よし、作りに行こう。金、貸せ!」
「わかった。けど、朝礼で予定を聞いてからだ。オープン近いぞ。」
「そうだった!わかった。」
祠に参拝して食堂へ。爺ちゃん達と叔父さん達が朝食をとっていた。
「お早うございます。」
「カエデちゅわ~ん、散歩して驚いたわい。精霊達がわんさかいたぞ。」
「食堂にも沢山いるのねえ、可愛いわあ。」
・・・そのうち大精霊とか大妖怪とか神と遭遇するから・・。
「カエデ、ご苦労だった。呪いの話もシュリから聞いた。ありがとう。」
「バート叔父さん達の分も、夜に作るから。」
「カエデちゃん、お礼しないとね。」
「気にしないで、マリア先生。元は捨てる石だからコストゼロだよ。
バート叔父さん、父さんから預かってきた魔石を後で執務室に届けるよ。」
「わかった。」
さて、何を食べようか。僕も小梅達と同じ和定食にしよう。美味しく頂き
朝のミーティングだ。
「お早うございます。いよいよオープンが明後日です。何か問題ありますか?」
「問題という訳ではないんですが、すでに問い合わせが殺到していて、オープン
時の混乱が心配です。」
「松月庵も?」
「パティスリーほどではないですが、問い合わせが来てますね。」
「混乱か・・。ミランダさん、初日にどれだけ用意する予定です?」
「各50個を考えてました。1人だとその辺がマックスです。」
「わかりました。作るのに僕も入りますので100個分くらいの材料を用意して
おいて下さい。」
「わかりました。」
「松月庵はそんなに広くないので、ホールは1人でも大丈夫かな?諭吉。」
「ああ、問題ない。厨房は美月に手伝ってもらう。」
「じゃあ、リリーさんとニイは松月庵に。ユキナさんとイルマさんはパティスリー
に入って下さい。小梅、イチは用心棒ね。」
「「わかりました。」」
「オープンして2,3日すれば落ち着くでしょう。それまで負担かけますが
ボーナスだすんでふんばって下さい。解散。」
おお・・。と声が上がる。
「諭吉、午前中はバート叔父さんの所にいったりで忙しいから、午後から丸吉に
木刀を作りにいくぞ。」
「わかった。さすがに明日は1日、スタンバイだしな。」
「じゃあ、昼食後、庭に集合って事で。」
「了解。」
僕はそのまま、執務室へ。
「失礼します。」 執務室にはバロン爺ちゃん達とバート夫妻がいた。
「魔石を持ってきました。」
「こっちに置いてくれ。」
「爺ちゃん達も居たんだね。」
「ここ最近、誰かのお陰で業務が増えに増えている。正直、私達だけでまわすのが
きびしくなってきている。」
「なんか、すんません。」
「あやまる事ではないがな。まあ、そこで丁度父上と母上が元気になった事だし
現場への復帰をお願いしたと言う訳だ。」
「それは心強いです。そんな話を聞いた後で大変心苦しいのですが、マリア先生、
パティスリーまずいです。増員お願いできないでしょうか?」
「オープンは明後日ね。」
「はい、店内はなんとかなると思うんですが、ケーキを作る方がミランダさんと
僕しかいません。」
「わかったわ、シュリと相談して厨房から人をまわすわね。松月庵は?」
「はい、食数が少ないのと、営業時間も短く設定してあります。なにぶんにも
諭吉はまだ7歳なので、遊びと勉強もあります。」
「カエデちゃんもよ。人員の件は私がなんとかします。バート、孤児を雇うのは
問題あるかしら?」
「いえ、ないです。」 その手があった。
「あの、少し多めに雇えないでしょうか?母さんから帝都にもケーキ屋が
欲しいと言われてまして。」
「そうね。将来的な事を考えても、今から職人の育成に力を入れたほうがいいわ。」
「お願いします。」
「オープンが落ち着いてからでいいのだが、例の浮遊サーキッドも頼む。」
「了解。爺ちゃんが空間拡張する時にいっしょにドルトさんの所へ行くよ。」
「ああ、それとシスティーナのアサヒ様が明日、到着するそうだ。」
「あれ?まだ着いてないの?帝都にもういなかったよ。」
「兄上達は船を勧めたそうだが、怖いと言って陸路で向かってるそうだ。」
「陸路か・・。今日、午後から丸吉に行くから帰りにひろってくるよ。」
「見つけたらでいいから、頼む。」
昼までまだ時間があるから、マリンさんのお土産にクレープを作ろう。
「カモナ、クレープを作ろう。」
「かしこまりました。」
今日は腸詰めじゃなくて、燻製肉を使おう。これはこれで美味しいと思う。
もちろん、甘い物も作る。これくらいあればいいかな。けっこうな量を作った
からもう昼だ。
「小梅、お昼はクレープでいい?」
「うん。」
コーヒーは森のコーヒーだ。本当にうまいな。ではクレープをいただきます。
おお・・さすが燻製肉、旨い!
「ウマウマ。」 後で、諭吉達にも食わせよう。
食休みをして、本を読んでいたら諭吉達が来た。そういえば、久ぶりに本を
読んだような気がする。
「よし!じゃあ丸吉に出発だ。カモナ、イド君。よろしく。」
「「かしこまりました。」」




