ADJUSTMENT
「みんな、お疲れ~。次のフロアーの様子を見て帰ろう。」
「おう!」
階段を降り、次のフロアーのドアを開ける。
「うへぇ・・。」
ジャングル・・しかも植物がでっかい!白亜紀かな?ここのモンスターは
恐竜か・・・ハードだ。
「帰ろうか・・・。」
僕達は転位して、僕の部屋に。
「いったん解散して、ケーキの試食があるから食堂に集合ね。」
「了解。」 諭吉と美月は自室へ戻る。
「僕達も少し休もう。」
「うん。」
「はい~。」
「うむ。」
それにしても、まさかジャッカルとカスールとは・・。さすがドミニク。
再び食堂に集合し、試食会だ。準備はレイさん達が全て終えていた。
雰囲気的には、ケーキバイキングのような感じだ。成る程、好きな物を
取って食べ、感想を伝えるのね。了解。
みんな、思い思いに2,3種取っていく。僕はミートパイとモカケーキに。
甘いものの中にミートパイは異質だ。しかし、旨い!思ったとおりミランダさん
のミートソースはパイにしても絶品だ。是非とも置いてほしい。
モカケーキもすげえ旨い!コーヒーは例の豆を使ったのかな?後で聞いてみよう。
他のケーキも好評のようだ。
「諭吉よ、食べ過ぎると夕食、食えなくなるぞ。」
「大丈夫だ、レイさんに甘いものは別腹と聞いた!」
「そうか・・・。」 よし、ほっとこー。
精霊達も喜んでいる。しかし・・・。
「エルよ、食べ過ぎると夕食が食えなくなるぞ。」
「大丈夫だ。マリアに甘いものは別腹と聞いた!」
「そうか・・・。」 よし、ほっとこー。
あっという間に、なくなった。レイさんがみなに意見を聞いている。
全く問題はなさそうだ。となると、オープン日をいつにするか・・。
明日のそば粉次第では、松月庵も同時にいけるかも。正直、ばらばらに
オープンするより楽だ。夕食後にミーティングしよう。
僕達はそのまま夕食に突入。さすがに少しにしておこう。
夕食を食べ、カモナのリビングに集合。案の定、諭吉は腹をパンパンにして
唸って寝てる。よし、ほっとこー。
「レイさん、みなの意見はどうだった?」
「はい、おおむね好評でした。ただ、ミートパイがなぜ?という声も多少。」
「まあ、確かにね。僕、食べたんだけど、すげえ旨かったよ。異質ではあるけど
是非、置いてほしいと思ったよ。」
「そうですね。陳列を工夫してケーキ類とパイ類を分ければ問題ないと思います。
あと森のコーヒーとカカオを使用すると味が跳ね上がります。
チョコ系、モカ系はやばいです。」
「モカケーキ、すげえ旨かった。それらとミートパイがパティスリーミランダの
目玉というか名物になりそうだね。」
「はい、私達もそう考えてます。コーヒーがとても美味しいんです。コーヒーも
出してはという意見もあったんですが、現状の人員では難しいのでテイクアウト
オンリーでスタートしようかと。」
「その方がいいと思うよ。カフェは次のステップでいいんじゃないかな。それで、
オープン日はいつにしよう?店舗は完成してるんでしょ?」
「はい、完成してます。その件はリリーとも相談したんですけど、松月庵と同時
オープンがベストではないかと。」
「その方が助かるよ。宣伝とかは特にいいし、美味しいケーキと蕎麦で十分、人は
集まるよ。コンペジターもいないし。」
「わかりました。」
「明日、森のそば粉を試してオーケーだったら今週末にオープンさせようか。」
「わかりました。いよいよですね。」
「楽しみだよ。諭吉、明日の午前中に世界樹にそばの実を取りに行くぞ。」
片手を上げて返事をした。食い過ぎだ。
「んじゃ、そういう事で解散。」
小梅達は今日のダンジョンの反省会を、お菓子を食べながらするそうだ。
えらいぞ、みんな。
「カモナ、後よろしく。」
「かしこまりました。」 僕はドミニクの所へ行く。
「ドミニクいる?」
「あら、カエデ。」
「ダンジョンの報告に来たよ。」
「ご苦労様。」
「今日はバンパイアフロアーに行ってきた。」
「銃を導入したフロアーね。どうだった?」
「コルトには驚いたよ。僕達は全員銃を持っていたから対処できたけど、
冒険者はどうするんだろう?」
「弾は普通の鉛だから、結界で防げるわよ。」
「だったら、大丈夫だね。ドロップはコルトだったし。あと、飛行型モンスター
も良かったね。」
「カエデ達は、空から突入したのね。」
「ショートカットしたよ。ガルーダが出てきて、これも驚いたけど。」
「イレギュラー対応よ。あっさり撃破してるじゃない。しかも、カタコンペまで
あれを使ったのね。」
「ああ・・ジェットコースター・・。あれは、2度とごめんだ。」
「大人サイズだと、無理だしね。」
「ジャッカルとカスールは、正直びびった。」
「バンパイアと言えば、それしかないわ。」
「あの銃、貰ってもいいの?」
「いいわよ。外にもバンパイアはいるでしょうし。」
「ありがとう。それと、神居のダンジョンなんだけど・・。」
「行ってきたの?」
「うん。あそこのDMは、100%日本人の転生者だね、しかも歴史に詳しい。」
「神居という土地には、あってるわね。」
「亡者と戦国武将が相手だったけど、モンスターなんかは妖怪が出て来るだろうね。」
「実は今、神居のダンジョンとトップを争ってるのよ。」
「ああ、なんかわかるわ。どっちもゲームっぽい。」
「意図的のその要素は入れてるわね、銃も登場させたけどこれからミリタリー
要素を入れていこうと思ってるの。」
「おお、いいねー楽しみだ。あっそうだ、これ持って来たんだ。ケーキの
詰めあわせ。お茶する時にでも食べて。」
「ありがとう。」
「じゃあ、次のフロアー攻略したら、また来るよ。」
「ええ、待ってるわ。」
自室に転位して、カモナに入る。
「カモナ、射撃場お願い。」
「かしこまりました。諭吉様がおります。」
射撃場に行くと諭吉がセブロを撃っていた。僕はジャッカルを1発だけ
撃ちにきた。13MMは機関銃用の弾だ。それをハンドガンでだから、
う~ん・・今は無理だな。ドウン、後ろに吹っ飛ばされた。やっぱり~。
イタタタ・・。大人になっても無理じゃね?
「なにしてるんだ?マゾか?」
「違うわ!的を動かしてもらえば?」
「できるのか?」
「カモナ。」
「かしこまりました。」 的が生きてるかのように、動き出す。
「くっ!当たらん!」
「クナイとか手裏剣を投げる時、どうしてるんだ?」
「そうか!同じ事か!」
見違えるように、当たりだした。コツをつかんだようだ。
「風呂行こう。」
「おう。」
「みんな、風呂行くよー。」
「わかった。」
みんなで風呂で遊んで、森のコーヒーでグレードアップしたコーヒー牛乳を
飲んで、それぞれの部屋に戻る。小梅達は速攻でベットで腹だしている。
ふぅ、少しまとめをしておこう。手帳を出してタスクのチェックだ。
そばの実は明日、取りにいく。
パティスリーと蕎麦屋のオープン。
UWBの件でニダさんとキャロルの所へ。
父さんと叔父さん達のプライベートシップ。
シュリ夫妻を迎えに帝都へ。
キヨさんと山吹さんを送って帝都へ。
父さんにバイクの事を聞く。
アガードの確保。
ダンジョンアタック。
う~む、なにかを終わらせたと思ったら新しいタスクが増える・・・。
いかんなあ・・。まあ、今はひとつひとつこなすしかない。命を懸ける
なんて事もないし。学園に行った方がのんびりできるのでは?
はぁ・・・寝よ。みんな、おやすみ。
朝起きて、全てのルーティンを終わらせ(朝食を含む。)カエデ課の
ミーティング。
「お早うございます。ケーキ屋チームに皆さん、昨日はお疲れ様でした。
ほぼメニューも確定し店舗も完成してるので、今日のそば粉次第で
今週末、同時オープンを考えています。」
「わかりました。」
「諭吉は厨房のスタンバイをしておいて。これが終わったら取ってくるから。」
「わかった。」
「じゃあ、今日も1日、がんばりましょう。解散。」
僕は小梅達を連れて、世界樹へ。
「エル、いる?」
「エルはシスティーナに戻ってるよ。そばの実とかいうのは倉庫にあるよ。」
「お早う、ボックル。了解、行ってみるよ。」
倉庫に行くと、そばの実が麻っぽい袋に入ってぎっしりだ。全部は無理だな
入れる所がない。とりあえず10袋ぐらいでいいか。
小梅達は、このままBPOで遊ぶとの事。了解。
「昼は蕎麦の試食だから、戻ってきてね。」
「わかった。」
松月庵に来た。
「そばの実で~す。山ほどあって驚いたよ。どこに?」
「奥の倉庫に頼む。」
1袋だけその場に置いて、残りは倉庫に運ぶ。厨房に戻ると早速、諭吉が石臼で
実を挽いていた。
「これはすごいぞ!」
素人目には良し悪しはわからんが、プロの目から見るとすごいんだろうな。
さすが、精霊のそば。試食は昼なのでバート叔父さんにプライベートシップの
事を聞きに行こう。
「じゃあ、昼くらいに来るよ。」
「おう。」
執務室に行く。ノックして中に入る。
「失礼します。カエデです。」
「なんだ?」
「プライベートシップの件、どうなったかと。」
「ああ、すまないな。忙しいのに。」
「僕は別に忙しくないから、大丈夫だよ。」
「そうか。今3隻、製造に入っている。イド君ベースでそれぞれの持ち主の
好みでカスタマイズ中だ。空間拡張は、父上の元気が有り余ってるらしくてな
完成したら直接、船にするそうだ。」
「けっこう進んでるね。」
「そうだな、あと1週間って所だ。それで、例の浮遊サーキッドだが
どうすればいい?」
「イド君サイズだったら、3枚付ければ大丈夫だよ。バロン爺ちゃんが空間拡張
する時にでもいっしょに付けるよ。それと、ドルトエンジンとは別に魔力が
けっこうかかるから、父さんに魔石を錬成してもらったほうがいいよ。」
「わかった。兄上に頼んでおこう。」
「シュリ夫妻はいつ迎えに行けばいいかな?」
「シュリ達もそろそろ、めどがつくとの事だ。」
「じゃあ、全部まとめて一度にすまそうかな。キヨさんと山吹さんも送って
行きたいし、爺ちゃんもその時いっしょに連れて来ようか?」
「そうしてくれると助かる。父上達は森の事を聞いてしばらくこっちで過ごし
たいそうだ。」
「驚くだろうね。」
「そうだな。」
「昼に松月庵の試食があるから、時間があったらお願い。精霊のそばの実で
作ったそばだから期待して。」
「やばそうだな・・・。」
「おそらく・・。どうしても普通のそば粉だと燻製肉に負けるというか
ケンカするというか・・。」
「諭吉君も7歳だったな・・。遊んだり、勉強するのも忘れるなよ。」
「わかってるよ。その遊びに関連してるんだけど、こういうの作りました。」
「なんだ、これは?」
「水中でも呼吸ができる魔導具でっす。いだだだ!縮みまずう!」
「おまえは・・ケーキ屋と蕎麦屋で忙しくしてると思えば・・・。」
「おもしろそうね、試せる?」
「マリアまで・・。」
「カモナ。」
「かしこまりました。」 2人を連れて風呂プールへ。
「それを咥えて水の中へ。結界に包まれるから服はそのままで大丈夫だよ。
呼吸は普通にしてみてね。」
2人は恐る恐る、お湯の中に。
「なっ!これは・・。」
「すごいわね、熱さを感じないわ。」
ゆっくり、潜っていく。しばらくして、出てきた。
「カエデちゃん、これは画期的な発明よ!」
「全く・・とんでもないものを・・・。」
「海の中を見る為に作ったんだけど、キャロルが言うには漁師さんが助かるって、
海でも使ってみたけど問題がなかったから量産に入ろうかと。」
「安全マージンはどうする?」
「結界があるから水圧は関係ないんだけど、20Mまでにしようかなと
緊急の場合、すぐ浮上できるから。」
「わかった、キャロルと打ち合わせをしよう。確かに、漁師達には環境保全の
為、網を我慢してもらっていたから、これがあれば助かるだろう。それに
船の救命道具として常備しておけばクルーも安心だろう。」
「海の中はどうだった?」
「すごい綺麗だったよ。」
「今度、連れてって。」
「了解。そろそろ、そばができるよ。」
「行きましょう。」




