VAMPIRE
いつも通り起床。朝のルーティンをこなし、おいしい朝食の後ミーティング。
「お早うございます。今日はケーキの試食会なのでケーキ屋チームのみなさん
よろしくお願いします。蕎麦屋チームも昨日に引き続き、お願いします。
今日、僕達はダンジョンに行ってきます。レイさん、リリーさん、イチとニイを
ダンジョンに連れていきたいんだけど、大丈夫?」
「「大丈夫です。」」
「では今日も1日、がんばりましょう。諭吉達は装備に着替えて僕の部屋へ。」
「わかった。」
部屋に戻りダンジョン装備に着替える。いつもの黒いやつ。そろそろ新しい装備に
替えようかな・・・コートは替えれないか・・・。
「来たぞ。」
「よし、じゃあ行こーか。」
転位して古ぼけた街の門のところへ。朝食の後なのにここは夜だ。三日月まで。
幸い街灯が灯っているので、真っ暗ではない。
諭吉と美月が斥候で前、小梅、イチ、ニイは遊撃。僕がしんがりだ。
デル君とホーンをとりあえず持つ。街に入った瞬間、門が閉じられ狼の鳴き声が
聞こえる。始まった。
「来るぞ!」
前から狼が10頭くらい走ってくる。しょっぱなからこの数か、さすがレイド用。
「みんな、銀弾で撃ちまくれ!」
諭吉と美月は動くものを相手にするのが初めてなので、なかなか当たらない。
「デル君。」
「イエス、マスター。」
氷弾で動きを止め、動きの鈍ったやつから仕留めて行く。コインをスロットに
入れるのもだいぶ早くなった。諭吉以外はさすがの神系、後半は100%命中。
「諭吉、もっと近づいて撃ってもいいんだぞ。」
「あっ、忘れてた。俺、忍者だった。」
シュンと消えた。忍者を思い出した諭吉は狼よりも速かった。なんだかんだ、
瞬く間に壊滅。先に進もう。ワーウルフと何戦かして、この空気になれたら
城まで飛ぼう。
「みんな、銃だけでなく刀も使ってね。次あたりワーウルフが来るよ。」
「次、来たぞ!」
狼とワーウルフの混成部隊だ。やっぱり、ワーウルフが銃を持ってる。けど、
古いリボルバー、コルトじゃん!やばい、意外にカッコイイ。
「諭吉と美月はワーウルフをお願い。小梅達は狼を片付けちゃって。」
諭吉と美月はシュンとワーウルフのすぐ傍に。美月はまだ銃に慣れてないので
子烏丸だ。しかも居合。シャリンと鳴ったかと思うと銃を持つ腕が飛んだ。
お見事!斑鳩流にも居合の技はあるけど、やはりどこか違う。
ワーウルフ達は銃を撃つ間もなく、倒されていく。ワーウルフが弱いのか、
2人が強いのか?後者だな。並みの冒険者なら銃を撃たれるだろう。
小梅達も問題なく、狼達を壊滅。僕、まだ氷弾しか撃ってないんだけど・・。
ドロップは魔石とコルト、このフロアーから銃もドロップするのか・・。
ロバートさんに報告だ。古いコルトでも参考になるだろう。
「諭吉、先に進もう。」
「おう!」
あと城まで半分くらいかな?もう一戦したらランチタイムにしよう。
「なんか、来た。あれは・・。」
おお・・ワーウルフと巨人・・。フランケンか?ワーウルフがガントレッドとか
付けてグレードアップしてる。
「小梅達はやばかったら成獣化して。」
「わかった。」 乱戦か、どうする?
「カモナ、手伝って!」
「かしこまりました。」
「諭吉と美月と僕は巨人担当。小梅達はワーウルフ。カモナは小梅達のフォロー。
これ終わったら昼食にするから、がんばって!」
僕達はワーウルフを飛び越えてフランケンへ。
「デル君。」
「イエス、マスター。」
炎弾を顔に叩き込む。フランケンがわたわたしてる間に、
「夕霧。」
「はい、主。」
「斑鳩流、雷光!」美月に触発されて、僕も居合を使う。
瞬歩で通り抜ける時、刀を抜いて戻す。チンと鳴ってフランケンの首が落ちた。
1フラ。少し離れたフランケンにレールガンをブチかます。2フラ。
さらに、片足を斬り傾いたところで首を落とす。3フラ。諭吉達も2フラ目に
取りかかっている。こっちは大丈夫だろう。小梅達は、どうだ?
おっ、成獣化しないでがんばっている。ならば、少し手助けしよう。
僕は適当な家の屋根に飛び上がり、光彩(改)発動。
「シノさん。」
「イエス、マイロード。デル君、コンバイン。」
「銀弾。サイレンサーで。」
「イエス、マイロード。SBアクティベイト。」
パス、パス、パスと3ウル。もひとつおまけにパスパスパス。これで6ウル。
あっ!あれは・・。シャドウマンが諭吉を狙ってる。
「シノさん、光弾いける?」
「イエス、マイロード。FBアクティベイト。」
パス。シャドウマンの弱点は光だ。
「ギャ~。」 消滅。 終わりそうだ、戻ろう。
「お疲れ~。ちょっと空き家に入って昼食にしよう。」
「おお・・・。」
「カモナ、結界お願い。」
「かしこまりました。」
装備を外して、昼休み。僕と諭吉はカツカレー、「まねすんな!」と言ったが
「いやだ、俺も食いたい!」という事で同じ。小梅達は仲良くみんなパスタ。
最近、ボロネーゼにはまってるらしい。ミート旨いもんね。
「どうだった?」
「右手で撃つのはいくらかましだが、左手は全然だめだ。今の所、俺は銃と刀を
同時に扱うのは無理だな。」
「確かに慣れるまで時間かかるよ。精進あるのみだ。」
「そうだな、練習するわ。」
「美月の居合は見事だったね。ほとんど見えなかったよ。」
「カエデ様の居合も見事でした。『雷光』、初めて見ました。」
「いや~、お恥ずかしい。あれは、なんちゃってだね。本物は通った後が
焦げるんだ。まだまだだよ。」
「なんか、すげえ話をしてるような・・まっ、いっか。」
諭吉が、馬鹿で良かった。
「小梅達も、だいぶ人化してても動けるようになったね。」
「うん。」
「はい~。」
「うむ・・。」
「さて、次は空中戦だ。飛んで城へむかうと、おそらく下級の吸血鬼が襲って
くるから、魔法でも銃でもいいから、とにかく落とす感じで。あと、城に
入ったらシャドウマンにも気をつけてね。」
「おう。さっきは助かったぜ、全く気付かなかった。」
「小梅達は、気配でわかるね?」
「うん。」
「バンパイアの親玉はノスフェラトウと相場が決まってるから。あと、
カーミラもいるね、たぶん。2人は魅了も使うから注意して、特に諭吉。」
「なんでだよ!」
「神系には、ほとんど通じない。諭吉はノワールに霊力流せる?」
「いや、できん。そんな事できるのか?」
「ノワールはできるよ。霊刀になるんだ。バンパイアとか妖怪は復活できなく
なるから、練習しておいて。」
「わかった。」
「今回は僕が止めをさすから陽動して。イチ、これを渡しておくから合図したら
風魔法で雨にして。」
「わかりました~。」
「さあ、とっとと終わらせてケーキの試食会だー。」
「おー。」
カモナを出て、みんな成獣化。おお・・みんな、でっかいな。壮観だ。
ヤタガラスもでっかいんだな・・。ヤタさん、小さいけど・・。
諭吉は美月に、僕は今回ニイに乗せてもらう。小梅はフリーに動いて
バンパイア共を蹴散らしてもらう。さあ、レッツラゴー。
城に近づくと、わんさか飛んでいるのが見える。
「うへぇ・・・。」インカムから声が聞こえる。
「突っ込むよ!」
「おう!」
小梅の黒雷がドッカンドッカン落ちる。僕達に当てないでね。
ニイの炎弾だ!それをイチが風で煽る、火災旋風!コンビ技だ、さすが双子。
美月が口から超音波を・・・なにこれ?
「怪獣大戦争・・・。」 同感だぞ、諭吉。
「諭吉、先に城へ行っていろいろ調べて。」
「了解。」美月がスピードをあげ、城に突入。
ちょっと、僕、なにもしてない。ほとんど終わってない?
「変なの来る!」
おっ!なんだあれ?近づいてきた、カラス天狗?赤い・・ガルーダだ!場違い!
でも、あれも神の使い、強敵だ。
デル君に銀貨を入れる、ドッチュ~ン!ナイス、エフェクト!
「1人で、やる。」
「わかった。やばそうだったらシノさんで狙撃するからね。」
「わかった。」
「イチ、見てて。ニイ、急いで僕を城に降ろして。」
「はい~。」
「うむ。」
ニイが加速。うへぇ~、首もげる~。城に到着。
「ニイ、イチといっしょに小梅のフォローしてあげて。」
「まかせろ。」
僕は狙撃ポイントをあわてて探す。ええい、ここでいい!
「シノさん。」
「イエス、マイロード。」
「空なんだけど。」
「問題ないです。」
スコープを覗く、始まった!あれ?考えてみればここはダンジョン、本物の
ガルーダの訳ないか、ああ、びっくりした。焦っちゃったよ。
「カエデ、どこにいる?」
「ああ、ごめん。2階のテラスみたいな所。」
「わかった。今いく。」
シュッと諭吉と美月が現れた。シノさんを構えて腹這いになってる僕を見て
「なにしてんの?」
「いや~、小梅達のフォローをしようと思って。」 空を見上げる、諭吉と美月。
「カラス天狗?」
「なんだ、ありゃあ?」
「ガルーダだよ。」
「なんと、場違いな・・・。」
「そうだよね、イレギュラー対応だな、きっと。」
念話が来た。 「しぶとい、めんどー。」
「了解。シノさん、レールガン。」
「イエス、マイロード。RGアクティベイト。」
サイレンサーは必要ない。一発、派手に決めてやろう。
「小梅、イチ、ニイ。離れて!」 離れたのを確認して。
ドウン。ちょっと、今サーキッド6枚だったよ。
ガルーダは、跡形もなく消えた。
「ヒュ~。」
「外でガルーダに会ったら、逃げてね。あれ不死だから。」
「わかった。城の中だけどな、親玉は地下だ。地上は雑魚がわんさかだ。」
「地下に直行できる隠し通路かなにかが、あればいいけど・・・。」
「あるぞ。」
「あるの?」
「ああ、俺達ぐらいのサイズなら、通れる。」
「よし、それで行こう。」 小梅達は人化した。
諭吉の案内でダクトへ・・やっぱり~!
ダクトの中はダンジョンだからか、綺麗で助かった。けど、滑り台じゃん!
「これ行くの?」
「おもしろそうじゃねえか?」
と言って飛び込んだ、さすが忍者!覚悟を決めて、僕も飛び込む。
「うわ~!どんだけちかぁ~!」
ジェットコースターだ。小梅達はキャイキャイ喜んでいる。コークスクリュウに
なったり、左右に振られたりで目が回る。突然ポンッと投げ出される。
「うわ~!」 イチが成獣化して、助けてくれる。
「ありがとー、イチ。」
「はい~。」
「ふぅ。」 ジェットコースターは苦手なんだよ。
落ち着いてあたりを見回す。広い八角形の部屋で真ん中に棺が2つ。
典型的なカタコンペだ。おそらく、ノスフェラトとカミーラだろう。
おっ、棺が開く・・・。
「・・・うそでしょ・・。」
出てきたのは、タクティカルスーツを着た軍人っぽい男女。バンパイア感ゼロ!
諭吉に近いかっこうだ。銃を持ってるし・・。
あれは・・ジャッカルとカスール!なんで自分達を殺せる銃を?
やばいぞ、威力はデザートイーグルクラスだ。
アースコントロールで壁を作り、みんなを避難させる。
「あの銃はやばい!たぶん、あの銃を奪い取ってそれで撃たないと、
バンパイアは死なない。という設定なんだと思う。」
「設定とか言うな!で、どうする?」
話してる間にも、壁はどんどん削られている。
「小梅、壁を作って諭吉と美月をフォローして。諭吉、シルバーとブラック
どっちがいい?」
「えっ!なんの・・銃か!シルバー!」
「カミーラは任せる!がんばれ!」
「おう!行くぞ、小梅、美月!」
「イチは風の刃で陽動して、合図したら例のやつよろしくね。」
「はい~。」
「ニイは人化して銀弾、撃ちまくれ。」
「うむ。」 まずは、ジャッカルを何とかしないとな・・。
「光彩(改)、瞬歩!」 ノスの後ろに回り、マテバで銀弾6発全て心臓へ。
動きが一瞬、止まった。夕霧でジャッカルを持ってる方の腕を斬り落とす。
ジャッカル、ゲット!ノスは特に苦しむ様子もなく、タクティカルスーツが
びりびり破れだし、羽根の生えたいわゆるバンパイアに変身した。
身体能力のアップだ。デル君の炎弾で腕は塵にしておく。
諭吉の様子を見ると、ヒットアンドアウェイでダメージを与え、美月が
銀弾を撃ちまくっている。
「小梅、時ポ使って銃を持ってる方の腕を切ってあげて。」
「わかった。」
「諭吉、今から小梅が腕を切るから銃を回収して!」
「了解。小梅、頼む!」
「うん。」
時ポからマリンのクナイが飛び出す、カミーラもこれには対応できず、
カスールを落とす。すかさず諭吉がこれを奪う。それを狙っていたのか
血でできた剣で諭吉が斬られる。おいおい、と思ったら空蝉の術だ。ふぅ・・
あぶねー。カミーラも不利と見たのかバンパイア化した。
「諭吉、外に出られると雑魚がわんさか来るから、ここで決める。カスールの
反動、でかいからうまく撃って。」
「わかった。」
「イチ、例のお願い。」
「は~い。」
イチが風に乗せて僕が渡しておいた水を撒く。すると、ノスもカミーラも
力なくフラフラと下に落ちてくる。実はこの水は霊水だ。
「諭吉、今だ!撃て!」
僕もジャッカルを撃つ。反動で後ろに吹っ飛ばされる。なんじゃ、こりゃ!
ごろごろと転がり、壁にぶつかって止まる。諭吉も吹っ飛ばされていたが
さす忍、シュタッっと立っていた。
どうだ?ノスは頭が吹き飛んでいた。カーミラは胸に風穴が開いていた。
「まずい!小梅、ニイ!燃やして!」 僕もしびれを我慢して
「デル君。」 ドウンと炎弾を撃つ。
3人の炎はノスとカミーラを、灰も残さず焼いた。
「ふぅ・・。終了かな・・。」 カタコンペに出口が現れた。




