DAYS
小梅達は美月を森に案内するそうだ。
「小梅、コウヤとかラウさん達にも紹介しておいて。」
「わかった。」
「えっ!コウヤ様がいらっしゃるんですか?」
「居るよ、あとキヨさんも。」
「キヨ様も・・・。」
朝食を美味しくいただき、ミーティングだ。みんないる。
「お早うございます。蕎麦屋チームのみなさん、昨日はお疲れ様でした。
お陰で蕎麦屋大将をゲットできました。」
「初めまして、蕎麦屋大将のユキチ・ショウゲツです。こっちは美月。
よろしくお願いします。」
「子供店長だわ・・・。」
「美月ちゃん、リーファン様のえじきだわ・・・。」
「蕎麦屋チームは今日から本格的に始動して下さい。諭吉に見てもらって
材料の確認と購入手続きをまとめて下さい。農地の件も。そうだ、諭吉の
服と日用品もお願いします。」
「わかりました。」
「諭吉は夜に、店舗の打ち合わせもあるから。」
「わかった。」
「ケーキ屋チームはどんな感じ?」
「はい。店舗の建築が始まりました。必要な粉系はダニエルさんの紹介で農家の
方達と購入契約を結びました。栗もです。問題はカカオとコーヒー豆ですね。
ガーネットで栽培してませんので・・。輸入品に頼るしかないんですが
不足気味で割高になってます。」
「カカオとコーヒー豆はどこから輸入してるんだっけ?」
「システィーナです。」
「ああ、それはしょうがないよ。世界樹も森も再生したから、もうじき安定する
とは思うけど。安くなるまで様子見だね、業者は押さえておいて。」
「わかりました。今の所はそれぐらいです。」
「了解。じゃあ今日もがんばりましょう。解散。」
僕は諭吉を連れて執務室へ向かう。ノックして、
「失礼します。カエデです。」 バート夫妻がいる。
「朝、神楽から戻りました。それで、報告があるのですが。」
「なんだ?」
「はい。神楽から蕎麦屋大将をスカウトしてきました。」
「初めまして。ユキチ・ショウゲツです。タチバナのツムギ様の依頼にて
参上いたしました。」
「ショウゲツ?松月家の事かね?」
「そうです。」
「シュリからもらった資料によると、蕎麦屋ではなく忍者の一族となってるが?」
「それは、副業です。俺の代から・・・。」
なんだと!そうなのか・・・。蕎麦屋がメインジョブなのか。
「学園には行かないといけないみたいなので、それまで蕎麦屋をやりますので
よろしくお願いします。」
「了解した。こちらこそよろしく頼む。住む所はあるか?部屋は余ってるが。」
「店舗ができるまで、カモナに部屋を用意してもらった。」
「わかった。マリア、なんかあるか?」
「諭吉ちゃん、店舗なんだけど、商店街と敷地内とどっちがいい?」
「それなんだけど、諭吉に従魔がいて人化しやすいのは敷地内なんだよ。」
「わかったわ。敷地内ね、夕食を食べながら店舗の打ち合わせをしましょう。」
「了解。」 執務室を出る。
「ふぅ~、やべえな2人とも。とくにマリア様がやべえ。」
さすが、天才馬鹿。いや、馬鹿天才だったか・・どっちでもいい。
「僕は、あの2人とシュリ夫妻には逆らわないようにしている。
悪い事言わないから、諭吉もそうした方が平和に過ごせるぞ。」
「そ、そうする。そう言えばシュリ様とボタン様は?挨拶しておきたい。」
「今、2人は出張中。どのみち迎えに行くから、いっしょに行こう。」
「わかった。今日は百合子さん達と行動すればいいんだな?」
「うん、材料の目利きしてきて。それと、百合子さんはこっちに居る時
リリーさんだから。呼び方を間違えるとガントレットでしばかれるぞ。」
「こえんだな、ガーネットって・・・。」
「こえんだ。」
通りがかったメイドさんに、リリーさん達を食堂に呼んでもらう。
なんか諭吉がリリーさんに、ビビってる。
「リリリーさん、お願い申し上げそうろう。」 なに言ってんだ?
「じゃあ、みんなよろしく。」
僕はBPOに、いやBPTにスロライをしに行く。
向かう途中、精霊達に最近の森の様子を聞いているとあっという間にBPT。
ハンモックを張るのに丁度いい木を見つけた。湖も見えるし最高だ。
「カモナ、コーヒーをお願い。」
「かしこまりました。」
野営用のテーブルを出してぼうっと湖を泳ぐ虹色の魚を眺める。
いやあ・・気持ちいいな。天気もいいし。ここで焚火をするのは無粋なような
気がするよ。ふぅ・・。
ニダさんの所にも行かないと。歩いていて思い出したが結界石に全く
手を付けていない。今日の夜にでも・・駄目だ、蕎麦屋の店舗の打ち合わせだ。
明日の夜にでもコウヤを訪ねよう。念話で
「コウヤ。」
「カエデか、なんだ?」
「明日の夜って忙しいかな?」
「いや、大丈夫じゃ。」
「食堂で飲んでる?」
「ああ。」
「じゃあ、訪ねるよ。」
「わかった。」
ニダさんも明日の昼間にしよう。今日は夜までのんびりしよう。
ああ、コーヒーうめえ・・・。眠くなってきた。
どの位、寝たんだろう・・。誰かに突かれた。
目を開けると小梅達が居た。
「お昼。」
「もう、そんな時間か・・。カモナ、昼にしよう。」
「かしこまりました。」
「桜花、どこにいるの?」
「神楽よ。」
「お昼、いっしょにどう?」
「ナンパかしら。」
「ちが~う!弟子を一人、増やしてほしいんだ。」
「わかったわ。」
カモナのリビングでランチタイム。僕は天丼、みんなはカレーとかハンバーグ
とか、今日はいろいろだ。
「美月、ガーネットの森はどう?」
「すごいです!人化の霊力、ほぼ使いません。」
「ああ確かに、ここはいろいろ溢れてるからねえ。」
「それに、実家の森にも似てて・・・。」
「熊野だっけ?諭吉もそんなような事、言ってたよ。」
「諭吉はよく、熊野の森で修行してましたから。」
「来たわよ、いい匂い。私もお腹が空いたわ。」
「やあ、桜花。好きなもん食べてよ。」
「そうね、私も天丼にするわ。」
「かしこまりました。」
「あら、美月じゃない。なにしてるの?」
「お久しぶりになりますか、桜花様。」
「あれ?知り合い?」
「まあ、業界は違うのだけどね。」 そりゃそうだ。
「もしかして、新しい弟子って美月の事かしら?」
「そうだよ。」
「いいの、美月?あなた、居合を修めてるじゃない。」
「そうなの?」
「そうなんですけど、桜花流にも興味があって。」
「まあ、別に構わないけども。」
「それで刀なんだけど、小烏丸があるんだ。」
「えっ!確か小烏丸はイカルガ様がお持ちのはずですが?」
「あれ?美月はイカルガの事を知ってるの?」
「直接は面識ありませんが、おじいさまが行動を共にしてたので。」
「うそ!美月ってヤタさんの孫なの?」
「はい。」
「世間は意外と狭いものだねえ、僕はイカルガの転生体だよ。ヤタさんは今、
箱庭でスリープ中。数年したら会えるよ。」
「まあ!そうだったんですね。おじい様に会えるんですね・・・。」
「小烏丸は、神楽のイカルガの屋敷で保管してたんだ。僕は使わないし使って。」
「小梅ちゃん達は?」
「小梅達は、小烏丸クラスの刀をそれぞれ持ってるわよ。」
「さすが、イカルガ様ですね。」
「今の僕は、カエデ・ガーネットだからね。」
「わかりました。」
「じゃあこれ、小烏丸。桜花に木刀を作ってもらって。それと、小梅達と行動
する事も多くなるから、これもあげる。」
おそろいのバヨネットだ。
「護身用のナイフですか?」
「違う。」
「さかな~。」
「うむ・・・。」
「ははは、バイトでそのナイフを使って干物を作るんだよ。」
「えっ!」
「あさって、やる。」
「頼まれたの?」
「うん。」
「人気あるからねえ。」
「うん。」 小梅達が、嬉しそうだ。
「良いナイフね。」
「桜花も使う?もう1本あるよ。」
「カエデのでしょ?」
「ほら、僕は自分で作れるから。」
「そうだったわね。じゃあ、いただくわ。」
小梅達は、桜花が来てくれたという事で、ついでだから午後から稽古にする。
僕は自分のバヨネットを作って、またハンモックで寝るとしよう。
バヨネットはやはりというか、当然というか神器になった。戦いに使う訳では
ないので、いいだろう。寝ようと思ったが目が覚めてしまった。
おやつにシフォンケーキでも作っておこう。天気がいいし湖のほとりでおやつ。
丁度、焼き上がった時、小梅達が訓練場からでてきた。
「いい匂い。」 そうだろ、そうだろ。
「シフォンケーキを焼いたから、みんなで外で食べよう。
カモナが野営用の椅子を並べておいてくれた。
精霊達の分もホールで10個、用意しておいた。
「どうぞ、めしあがれ!」
「ウマウマ。」
「おいひ~。」
「うむ。」
「フワフワですね。」
「絶品ね、そう思うでしょ?アクア。」
「絶品、絶品。」 いつの間にか、アクアもいた。
精霊達も桜花とアクアがいるせいか、行儀良く食べている。光ってるけど・・。
森の深めの所だし、アクアの結界もあるから屋敷からは見えないだろう。
「カエデ、美月の銃は用意できるかしら?」
「そうだね、2,3日中には用意するよ。」
さて、そろそろ戻ろうか。BPOにも寄りたいし。
桜花とアクアは夏月FCに行くとこ事。そういえば、紅葉DSはどうなんだ?
「桜花、紅葉DSってどうなってるか知ってる?」
「大盛況よ。紅葉にもう1人よこすよう、頼んだそうよ。」
「それは良かった。」
みんなでのんびりとBPOまで散歩。確かに、熊野古道っぽいよね。
BPOに着くと、エルとボックルがハンモックに揺られていた。
「やあ、エル。この間はお疲れ様。引き継ぎは終わったかい?」
「こっちこそだよ、カエデ。お陰で世界樹と森は完全に復活したから、
エディットもいろいろやり易いと思うよ。僕はもう精霊王じゃない。
ただのエルだ。森の管理はまかせてよ、家賃がわりだ。」
「それはすごいね。エルが管理してくれれば、もっと豊かになるよ。」
「アサヒも近々、来ると思うよ。今、帝都でカエデのお父上や雷帝と
話し合ってるから。あま、同盟国にはなるだろうね。」
「えっー、アサヒが来たら絶対ここに住むとか言い出すよ。」
「ははは、そうかもね。でも、アサヒもそろそろ引退しないと次代が育たない
からね。それに今回は、謝罪だからね。」
「そう言えばそうだった。コーヒー豆とかカカオが欲しいから交渉しよう。」
「コーヒー豆とカカオが必要なのかい?それだったら、この森で自生させるよ。」
「まじで!。ケーキ屋を始めるんだけど、その2つがネックだったんだ。」
「精霊達も、いつも食べさせてもらってばかりではね、少しは働かないと。」
「あはは、それは気にしないで。」
「世界樹に倉庫を作って入れておくから、定期的に取りに来て。」
「了解。ありがとう。」
図らずもコーヒー豆とカカオの問題は解決した。ケーキ屋チームに報告しよう。
屋敷に戻ると、リビングで諭吉がボーっと魂を抜かれていた。これは申し訳ない、
やっぱ屋敷にも部屋を用意しないと別行動の時は不便だ。
「リリーさん居る?」
「はい、お呼びでしょうか?」
「お疲れ様。やっぱり諭吉の部屋を用意しよう。僕の部屋の向かい側って
空いてたよね。」
「はい、丁度用意が終わりました。」
「おお、さすが。ありがとう。おーい、諭吉ー。」
「お、おう、カエデか。」
「別行動の時、不便だから屋敷にも部屋を用意したから行こう。」
「わ、わかった。」
「どうした?」
「人に酔った。都会こわい・・。」
「はは・・まあ、慣れろとしか・・。夕食の時に呼ぶから部屋で休んでて。」
「そうするわ。」
「諭吉の部屋はここ。僕の部屋の向かいだね。」
「この広い屋敷に、カエデだけなのか?」
「他の家族は帝都に居るからね。でも、メイドさん達が住んでるよ。」
「大人の階段・・・。」 なに言ってんだ?




