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GENTLE LIFE  作者: 一聖
PR
74/322

LICH

朝、目が覚めると小梅、イチ、ニイがいつもの位置で腹出して寝てて、

一瞬、自分がどこにいるかわからなくなった。


「カモナ、着いてる?」

「いえ、あと数分で到着です。」

「了解。」


みんなを起こし下船の準備。なにもありませんように・・・。

レイさん達は、一度部屋に戻ってから食堂に来るとの事。僕達は荷物がないので

直行する。食堂へ行くと精霊達が飛び交ういつも光景でホッとする。

何も起こってはなさそうだ。あっ、バート夫妻がおる。挨拶しよう。


「お早うございます。ただ今、戻りました。」


「お早う、お疲れ様だ。」


僕は、おそるおそるマリア先生の隣に座る。


「どうしたの?カエデちゃん。ビクビクして。」


「いや、あのう・・エルフ系の問題が発生してないかと・・・。」


「あら、鋭いわね。発生してるわよ。」


「えっー。」


「今朝、システィーナから救援要請が届いたそうだ。」


「長老がドラゴンゾンビの封印に失敗した?」


「そうらしい。しかも敵はドラゴンゾンビだけではないという事だ。」


それは、予想外。


「なんだかわかってるの?」


「いや、はっきりとはわかってない。伝令のエルフが途中でこと切れたそうだ。

 兄上は呪いか霊障ではないかと言っていた。幸い聖女がいたから浄化し

 事無きを得た。」


最悪だ・・・奴だ・・・。


「どうしたカエデ?」


「バート叔父さん、マリア先生。これはイカルガの記憶からなんだけど、

 それは間違いなく霊障で、相手は・・・リッチだ。」


「なんだと!いかん!」 バート叔父さんはあわてて、どっか行った。


「軍隊を出すと他国を刺激するからって、姉上とドラゴンスレーヤーのクロ達を

 派遣する事にしたそうよ。」


「なっ!母さんはともかく、クロ兄達は学生だよ!なにしてくれてんの!

 雷帝と父さんは!」


僕はあわててイド君に向かおうとする。


「待ちなさい!カエデちゃん、どうするの?」


「ちょっと、ばれないようにリッチとドラゴンゾンビを絞めてくる。」


「ばれないように?」


「ばれないように。」


「私も行くわ!」


「ちょっとマリア先生、ガーネットはどうするのさ?」


「母さんがいるから、大丈夫よ。」


「バート叔父さんは?」


「軍師が必要案件よ!」


「了解。僕はすぐ飛べるよう庭で準備してるから。」


「わかったわ。バートを連れてすぐ行くわ。」


「霊障と瘴気のオンパレードだから防具を忘れないで、ないよりまし。」


「了解。」


「小梅、レイさん達に庭に向かうよう言って。」

「わかった。」


僕は庭に行きイド君のスタンバイ。


「カモナ、イド君を。」

「かしこまりました。」


イド君が庭に転位してくる。ステルスはかけてない。


「何事ですか?」


「レイさん、リリーさん。フラグが最悪で成立。」


「まじですか?」


「まじ。詳しい事は道中で、レイさんはシスティーナまでの時間をカモナと

 算出して。リリーさんは艦砲すべて確認しておいて。」


「副砲もですか?」


「うん。今回はたぶん必要になる。小梅達に副砲の撃ち方おしえて。」


「了解しました。小梅ちゃん達、こっちへ。」


叔父さん達がきた。


「カモナ、イド君。システィーナに向け、発進!」


「レイさん、所要時間は?」


「4時間です。昼頃には着きます。」


「了解。朝ごはんにしよう、食いそびれた。」


イド君に任せ、僕達はカモナのリビングへ。


「カモナ、朝食お願い。」

「かしこまりました。」


詳しい事は食べてからにしよう。話を聞いたら、食欲なくなると思うし。


「零がフラグを立てるからいけないのよ。」


「百合子だって立てたじゃない。」


「まあまあ、結局、フラグは立てるものではなくて、折るものだって事だよ。」

「違う。」


などと、ギャースカギャースカ言い合いながら朝食終了。

続いて、作戦会議。


「カエデ、しってる事を全部話してくれ。」


「わかりました。正直、ドラゴンゾンビの事は僕も詳しくは、わかりません。

 現長老のアサヒが封印したという事くらいです。」


「そのアサヒ長老は、知り合いか?」


「知り合いです。問題のリッチですが、おそらくアサヒの姉サンドリアです。

 サンドリアは長老の座を巡る争いでハイエルフこそが最高の種族であり

 他国はシスティーナに従うべきとだと主張し、戦争を起こそうとしました。

 それを止めたのがアサヒです。戦いに敗れたサンドリアは終身刑に

 なりましたが、ハイエルフの秘術でリッチになりアサヒに復讐しようと

 しました。アサヒと仲間のハイエルフ達が、多大な犠牲を出しつつも

 なんとか封印しました。」


「イカルガ様は、からんでたのか?」


「はい。リッチになったサンドリアと戦いました。死霊術で大量のゾンビ、

 スケルトン。さらに本人の魔力も膨大な為、苦労しました。イカルガは

 滅するべきだと主張したのですが、アサヒが世界樹の根本に封印を希望

 したので従いました。」


「世界樹がドラゴンゾンビの瘴気で弱ったため、サンドリアの封印が解けた、

 という事か・・・。」


「おそらくは。そのドラゴンゾンビにはサンドリアが絡んでる気がします。」


「大量なゾンビとスケルトンが相手ね。」


「はい。厄介なのはサンドリアを封印するか滅するまでは無限に湧き出ます。」


「それは、うざいわね。」


「その大量な敵の中からサンドリアを探し出すのが、戦うより大変でした。」


「それは、私がなんとかしよう。」


「私達は、バートがサンドリアを見つけ出すまで時間稼ぎをするわ。」


「「えっ!」」


「当たり前じゃない、レイもリリーも強くなってるんでしょう?」


「「わかりました。」」


「まず、アサヒに会って状況を確認します。」


「そうしてくれ。」


「あと、防具を出して下さい。霊障を防ぐ処置をします。」


「あら、カエデちゃん。そんな事もできるの?」


「できるよ、イカルガ知識で。」 イカルガ万能説、便利。


僕はお札を書いて、防具の裏側に貼り付けていく。もちろん、レイさんと

リリーさんのハートガードにも。最後に祝詞をつぶやいて印を結ぶ。

ふぅ・・これで大丈夫だろう。


「見た事のない魔法ね。」


「これは魔法ではなくて、陰陽術と言ってこの世界にはない物だよ。」


「この世界にないって・・。もしかして、イカルガ様は別世界の人なの?」


「そうだよ。神居によく似た日本という国から召喚されたんだ。」


「驚きの事実ね。」


「まあ、遥か昔の話だしね。この術で霊障は平気、瘴気は無理だけど。」


「そろそろ、システィーナですが、ワイバーンゾンビとガーゴイルゾンビが

 わんさか飛んでます。」


「了解。予想通りだ。リリーさん主砲スタンバイ、小梅、イチ、ニイは副砲へ。」


「わかりました。」

「わかった。」

「はい~。」

「まかせろ。」


「カモナ、イド君。世界樹まで直進。ステルスはキープ。」

「「かしこまりました。」」


「バート叔父さん、マリア先生。突っ込むよ。」


「「了解。」」


「リリーさん。主砲、最低出力でぶっぱなして。小梅達は周りで飛んでるやつ

 好きに打ち落として。」


「撃ちまーす。ファイヤー!」

「ギャオ~ン!」やっぱ、ギャオーンなのね・・。副砲は?

ドンッ!ドンッ!ドンッ! って普通かよ!あっ、でも副砲の方が落としてる。

頼むぞ、春日部。


「世界樹が見えてきました。ついでにドラゴンゾンビも見えてきました。」


「了解。シノさん、スコープを。」

「イエス、マイロード。」


スコープでドラゴンゾンビを見る。・・・なにあれ?でかい!

エレメンタルドラゴン?なんで?


「砲撃やめ!道はできた。そのまま、世界樹へ。」

「了解。」


僕達は世界樹にたどり着く、確かに枯れかかっている。でも、上の方までは

瘴気は来てない。


「小梅達は待機。あとで空の奴らをやってもらうから。カモナ、指揮を。」

「かしこまりました。」


僕達はイド君から降り、世界樹の上に立つ。


「大きいな、ガーネットの森の世界樹が苗と言われて納得する。」


「私、世界樹に立つの初めてよ。」


「エルッ!」


「やあ、カエデ。来てくれたのかい?」


「ごめん、遅くなった。状況を聞かせて。」


「わかった、こちらへ。」


世界樹の中の神殿っぽい所に案内された。懐かしいな・・・。

床からテーブルとイスが生えてきた。


「どうぞ、座って。紹介するよ娘のエディットだ。」


「初めまして皆様、エディットです。」


「状況なんだけど、正直良くないね。ドラゴンゾンビもさる事ながら、リッチの

 サンドリアが復活した。世界樹の半分くらいの所までゾンビとスケルトンが

 迫って来てる。」 やはり、サンドリアか・・。


「なんとか、精霊達が総出で結界を張り浄化をして、凌いでる感じだね。」


「アサヒは起きたの?」


「起きたよ。今、最前線で指揮をとってる。」


「大精霊達も?」


「さすがに、みんな呼んだよ。」


黙って話を聞いていたバート叔父さんに


「バート叔父さん、作戦ある?」


「うむ、エル殿、サンドリアの再封印は可能か?」


「ここまで世界樹にダメージがあると無理だね。」


「わかりました。カエデ、おまえは姿を隠して行動してくれ。我々は5人しか

 いない。腹を括ってドラゴンゾンビは姉上達に任せる。姉上達が到着するまで

 あと半日くらいだろう。それまでに露払いは終わらせる。」


「おお、得意の電撃戦だね。」


「作戦とも言えんがな。レイとリリーはマリアの指揮下に。問答無用で奴らを

 ブッ飛ばし世界樹の内部を綺麗にする。カエデはアサヒ殿にサンドリアを

 滅する事を伝えてくれ。その間に私はサンドリアを探す。

 サンドリアを滅すれば、ゾンビ達は消えるんだな?」


「そうだよ。」


「よし、上空はカモナとイド君に任せて小梅ちゃん達も奴らを押し返すのに

 参加してもらう。」


「小梅達、きてちょうだい。」

「わかった。」

「はい~。」

「まかせろ。」


「そこまでやったら後は、イド君で姉上達のフォローという見物をする。」


おお、いいなそれ。実際に戦ってるところ見た事ないもんな。


「ウフフ、アスカの成長を見れるのね。」


「ねえ、カエデ。この人達なに?この状況で笑ってるんだけど。」


「エル、気にしたら負け。ガーネットにとってこの程度の事は日常なんだから

 いだだだ!縮むう!」


「誰のせいだ!誰の!」


「不可抗力でふう・・・。」


「時間が惜しい、行くぞ!」


「了解。」


みんなにインカムを渡す。エディットの案内で水脈エレベーターを使って

現場まで降りる。

バート叔父さんがメガネを外した。おお、男前。違う、魔眼だ。

そうか、魔力の流れでサンドリアを探すんだ。さすバー。

水脈エレベーターが開いた瞬間、飛び出してゾンビとスケルトンに襲いかかる。

マリア先生は鉄扇と銃で、あっという間に50はやったね。リロードしてないのに

何で撃てるんだ?あとで聞こう。

負けじとレイさんもリリーさんも敵に襲いかかる。2人とも高周波ブレードだ。

小梅達は成獣化して、雷、氷、炎、風の上級魔法の雨霰。

バート叔父さんは魔眼に魔力を持っていかれてんのか、銃をメインにしてる。

カッチョエエー。

これ、僕いらんのでは?おっと、見惚れてる場合じゃない、アサヒはどこだ?

いた!怪我してる!霊障だ!


「デル君、浄化弾。」

「イエス、マスター。」


ドウンと1発、完全回復だ。

僕は姿を消したまま、アサヒに話かける。


「アサヒ、僕だイカルガだ。」


アサヒは霊障が治った事に驚きながらキョロキョロしている。


「イカルガ!どこだ!」


「詳しい話は後だ!エルからサンドリアの事は聞いた。今回は封印は無理。

 滅するぞ、いいな!」


「・・・わかった。」


「それとハイエルフ達を下げろ。僕の身内の邪魔だ。」


「あの鬼神どもは、お前の身内・・・。」


「おい、本人達に鬼神なんて言うなよ!僕が危ない気がする。」


「わかった・・。」


アサヒは、ハイエルフ達を少し下げる。これでマリア先生達はもっと遠慮

なくやれるだろう。


「バート叔父さん、アサヒのオーケーでた。」


「わかった、ここにサンドリアは居ない。もっと下だ。」


「ありがとう、カエデちゃん。ハイエルフが邪魔だったのよ。

 これで、本気だせるわ!」


えっ!マリア先生ったら本気じゃなかったの?さすが、マリア半神。

レイさんもリリーさんも青くなってる。


「これを使うのは、久しぶりね。」


あれは?げっ!神剣ログレス!マリア先生が持ってたのか。


「行くわよ!レイ、リリー!」

「「はい~。ひ~。」」


うへー、さっきの10倍はブッ飛ばしてるよ。


「小梅、マリンのクナイも使っていいよ。」

「オーケー、オーケー。」


うへー、小梅もさっきの10倍はブッ飛ばしてる。これ、まじ僕いる?

まだ、なんにもしてないんだけど・・。


「カエデ、雑魚は私達が相手をする。おまえはサンドリアとケリをつけろ。

 ドラゴンゾンビの上に居る。」


「了解。」


僕は躊躇なく世界樹の上から跳ぶ。


「カモナ!」


空中に入り口ができ、僕をピックアップ。


「イド君、ドラゴンゾンビの頭まで。」

「ひえ、かしこまりました。」

「カエデ様、わたくしに砲撃の許可を。」

「了解。思いっきりやっちゃって!」

「よしゃー!いくぜー!全ホーミング弾発射!」


そうだったー、人格かわるんだったー。


「着きました。」

「ありがとう、行ってくるよ。」

「お気をつけて。」


僕はドラゴンゾンビの頭の上に立つ。エレメンタルドラゴン・・・。

下を見るとマリア先生達が、こっちに向かって進みだしている。


「桜花、いる?」


「いるわよ。あなたの身内でたらめね。」


「アクア、いる?」


「久しぶり。」


「2人で世界樹に結界を張って、僕これからサンドリア絞めるから。」


「わかったわ。」

「了~解~。」


「リュウちゃん。」


「わかっておる。こやつはエレメンタルドラゴンのマルテアじゃ・・。

 ずっと行方不明じゃった・・リーファンから言付けじゃ。」


「なに?」


「すまん・・。」


「別にリーファンが悪い訳じゃないさ、それにマルテアを浄化するのは

 僕じゃない。きたよ、主人公達だ。」


世界樹と反対の方から土煙が上がってる。


「バート叔父さん!母さん達が来た!」


「早いな!」


「九十九さんに乗ってる!イド君に回収してもらうから。」


「了解。」


「イド君、叔父さん達を回収して。」

「かしこまりました。」


僕はデル君を後ろに向かって撃つ。銀貨浄化弾だ。


「ギャー!」


「よう、サンドリア。滅するぜ。」


「もう少しで・・もう少しでー!貴様は誰だ!」


「さあな、誰だろうな・・。」


ドウン、ドウン。


「ギャー、な、なぜ再生しない!」 銀貨浄化弾だからな・・。


「マルテア!こいつを殺せ!」 骨の尾が襲ってくる。


「斑鳩流、一閃!」 尾が吹き飛ぶ。


「き、貴様!イカルガかぁー!」


「・・恥ずい。リュウちゃん50%で。」


「足りん!」


「怒りはわかるけどだめだよ、世界樹まで斬っちゃう。なあ、サンドリア。

 おまえ、まだ自分が最高だと思ってんの?」


「当然だ!エレメンタルドラゴンを使役できるのだぞ!我こそが世界の王

 たる器!」


「・・・マルテア、泣いてるじゃん。」 リュウちゃんが怒りで震えてる。


「おまえさあ、7歳児の僕に手も足も出ないのに、王の器?笑わせるな!

 斑鳩流、絶刀。」


サンドリアの首をはねた。


「我はリッチぞ!何度でも蘇る。」


「生首がしゃべるな!キモイ!」


僕は、あらかじめ作っておいた、お札を生首と身体に飛ばし印を結ぶ。


「黄泉。」青白い炎が全てを燃やし尽くす。


「なんだ・・これは・・やめろ!やめてくれ・・・。」


「ばいばい。」


マルテアを残し、全てのゾンビとスケルトンは消えた。


「露払い、完了。イド君!」


僕はマルテアから飛び降り、イド君にピックしてもらう。

後は頼んだよ。母さん、クロ兄達。


ごめんなマルテア、もう少しの辛抱だよ。












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