TRANSFER
「僕達は明日の帝都の準備をしようか。スノさん達のお土産どうする?」
「カエデスイーツ。」
「なにがいいかな?」
3人はスクラムを組んで話し合う。どこで覚えた?
「アップルパイとカスタードパイ。」 自分たちが食べたいだけでは?
「スノさん達、まだ食べてない。」
「了解。カモナはアップルパイをお願い。僕は厨房でカスタードパイを作る。」
「かしこまりました。」
厨房へ行き、端っこの方を借りてカスタードパイを作る。屋敷の人達と精霊も
食べるだろう。ホールで大量に作ろう。手の空いてる人達も手伝いにきた。
みんなで、うおおう・・・と50ホールを焼きあげた。お店なみだ。
お土産分をキープして、あっ、マリア先生が2ホール持ってった。たくさん
あるからオーケー。あとは食堂でだしたげて。メイドさん達と精霊が手と手を
取り合って喜んでいる。ふぅ・・疲れたけど良かった。
遅めの夕食を食べよう。
「小梅、夕食にしよう。」
「わかった。」 イチとニイを伴って、やってきた。
「今日はカスタードパイがつくよ。」
「やった。」
「わ~い。」
「おお・・。」
僕はちょっと胸焼け気味なので、あっさり刺身定食。みんなも同じにしたようだ。
おいしく食べ終わり、3人はカスタードパイをゲットした。
コーヒーで付き合う。
「どお?」
「ウマウマ。」
「おいひ~。」
「うむ。」
「スノさん達、喜んでくれるかな?」
「うん。」 お土産オーケー。明日に備えて風呂入って寝よ。
グッドモーニング。朝のルーティンを簡略化し祠に参拝して食堂へ。
叔父さん達がいた。丁度いい、銃を渡しておこう。
「お早うございます。」
「お早う、カエデちゃん。カスタードパイ、美味しかったわ。で、お店はいつ
出すの?夏月FCと紅葉DSの間、空けてあるわよ。」
「美容と舞踊の間にスイーツは、拷問じゃないですかい?」
「・・・ごもっとも。」
「それより、銃ができたから渡すよ。はい、これマリア先生の。」
「あら、早かったわね、ありがとう・・これ、神気でてるわよ。」
「いや~それが、神格持っちゃってるもんだから、僕が作ると神銃になる
みたいで。テヘ。いだだだだ!帝都に行けなくなりまふう。」
「アホか!なんだ、神銃って!」
「大丈夫ですって!普通の銃とかわらないよ、神気に慣れてる人が持つ分には。」
「本当だな?」
「本当だよ。はい、これバート叔父さんの。」
そっと触れる、インテリメガネ。んもぅ、びびりなんだから・・。
「おっ、大丈夫だ。驚いたぞ、神銃なんて言うから。」
「はい、これシュリ叔父さんの黒銃。」
「おう、ありがとな。カッコイイな!」
「弾丸の精製に魔力を持ってかれるから、注意してね。あと、ホルスター。」
「私の道場に、射撃場を作る事にしたわ。」
「マリア先生、後進の育成を、お願いします。もうじきロバートさんの所で
作れるようになるのと、ダンジョンでもドロップも始まるから。それと、
コウヤは、いつ迎えに行けばいい?」
「屋敷に併設してるFCとDSが、あと2,3日で完成するから、その後ね。」
「了解。シュリ叔父さん、食べたら帝都に向かう?」
「おお、そのつもりだ。」
「じゃあ、庭に来てね。用意しておくから。」
「わかった。」
僕は、そそくさと庭に出る。これ以上、神銃について突っ込まれるとまずい。
頭がもたない。
「小梅達はゆっくり食べてていいからね。」
「うん。」
庭に着いて、「カモナ、ホットドッグお願い。」
コーヒーは自分で淹れる。ふぅ・・神銃の説明は難しいな。
なんせ、神を殺せちゃうから・・。ボタン先生は知ってると思うけど。
そんなもん、ポンポン作っていいわけない。やっぱ、僕は誰かに作ってもらった
のを使う事にしよう、スローライフ未来に戦いは必要なし。
食べ終わって、リビングでくつろいでいると、みんな来た。
「それじゃあ、帝都に向け出発します。」
「レイさん、2時間位で着くようにお願い。」
「わかりました。」
「カモナ、イド君。発進!」
リビングに行き、みんなとくつろぐ事にする。
「帝都の屋敷って、部屋があるんだっけ?」
「あるぞ、あそこも無駄に広いからな。」
「部屋っていうか、敷地内にガーネットほど大きくはないけど屋敷があるわよ。
そこにタケルと華は住んでるの。」
「タチバナの跡取りだもんね。」
「まあな、メイドもタチバナから出向してる。」
「あれ?バート叔父さん達の屋敷もあるの?」
「あるわよ。アスカとアリスはそこね。」
「へえ・・そんな感じなんだね。知らなかったよ。」
「まあ、身内である事には違いないが、四六時中いっしょにいるのも
息が詰まるだろ?」
「そうだよね。」
「カエデは、兄貴達とだから本家というか、一番大きな屋敷に4年は
住む事になるけどな。」
「・・・僕、カモナでいいんだけど。大食堂と同じもの食べれるし・・。」
「現実的にはそうなんだが、姉貴が許すと思うか?」
「全く思えません!」
「だろ。カエデよ人間あきらめが肝心の時もあるんだぞ・・。」
「クロ兄とベル姉を尊敬するよ。」
「あいつらは、パパママ大好きっ子だからな。」
「そう言えばクロ兄達、学園を卒業したら、神楽で暮らすって言ってたけど、
聞いてる?」
「ああ、聞いてる。タケルは地元といえば地元だからいいけど、クロスとアスカ
はいいのかねえ?」
「アス姉は紅葉に弟子入りしたって言ってたから、いずれガーネットの舞踊教室
も引き継ぐんじゃないの。」
「バートが居れば、ガーネットは大丈夫だしな。」
「クロ兄は特に目的はないって、密教相手にスローライフするって言ってた。」
「クロ君がいれば、おじい様もおばあ様も助かるわよねえ。」
「神楽は主人公パーティがいれば、安泰だよ。『雷帝』とか『聖女』とか
『将軍』がどうするか知らないけど。」
「ちょっかい、出してくるかしら?」
「それは、主人公の宿命だからねえ・・・。」
「やな宿命だな、おい!」
「それを解決できるから、主人公パーティなんだよ。密教相手にスロライとか
言えちゃうんだから。」
「たしかにな。」
「ベル姉達だって、十分やばいから。華姉の魔導銃もできちゃったし。」
「やばいのか?」
「やばいよ。華姉の前で魔導師は、ただの人と化す。」
「「・・・・。」」
「さらに!」
「まだ、何かあるのか!」
「この前、スノさん達を送って帝都に行った時、全員に実弾銃を渡した。
いだだだだ!ギブでずう、ギブでずう!」
「全部、おまえが原因じゃねえか!」
「なんか、黒幕はカエデちゃんって気がしてきたわ。」
「俺もだ・・・。」
「そろそろ、帝都の屋敷に到着します。庭に着陸でいいですか?」
「そうして。丁度昼ごろだけど、どうする?カモナで食べる?」
「俺の弟子だった奴が、帝都で店を出してるからそこへ行ってみよう。」
船から降りると案の定、メイド隊に囲まれた。
「すまない。シュリとボタンと、このチビはカエデだ。」
チビだとー!確かに僕は小さい。7歳児だ。
「へっ!シュリ様、ボタン様!」
「カエデ様と申しますと、ご次男のカエデ様でしょうか?」
「そうだな。」
「大変、失礼いたしました!」
「姉さん!」
「えっ!零。それに百合子も!」 レイさんのお姉さんか、似てる・・・。
「ああ、いい。こっちが突然、現れたんだ。気にしないでくれ。早速なんだが
ちょっと出かけてくるから、よろしく頼む。」
「かしこまりました。」
メイドさん達が、シュリ夫妻の荷物を運んでくれるようだ。僕達はそのまま
帝都の街へ食事に出る。シュリ夫妻意外は、完全におのぼりさんと化し、
キョロキョロと周りを見る。初めての帝都組と久しぶりの帝都組・・。
イカルガ時代に何度か来たし、ここにも屋敷がある。あまり変わってないな・・
道はわかる。
シュリ叔父さんに付いて、ゾロゾロと・・。
「おっ、ここだ。」 おお、混んでる。
「すまん、ゲンジいるかい?シュリが来たと伝えてくれ。」 少し待ってると
「アニキ~!」 と走ってくる、いかついおっさん。
「おお、元気そうじゃねえか!」 VIPルームに通された。
「ここは、鳥料理専門なんだ。適当に頼むから好きなのとって食べてくれ。」
ワクワクするね。何が出て来るんだろう?小梅達も人化して目がキラッキラ。
レイさんとリリーさんも目をキラッキラさせてる。
そう言えば僕らは、あまり外食しないな。食堂、美味しいし。
行くとしても、言い訳カフェと唐揚げ屋くらいだ。
帰ったら、たまに外食しよう。
でてきたー!焼き鳥だ。北京ダックっぽいのに、鍋。あと、丸焼き。
いただきます。まず、焼き鳥を。旨い、懐かしい味だ。つくねも軟骨入り。
シュリ叔父さんが、丸焼きをさばいて子供達に与えている。
「ウマウマ。」
「おいひ~。」
「うむ。」
北京ダック風を食べる。辛みそが旨い!僕の真似をして小梅達も食べる。
3人とも目がまんまるだ。
レイさんもリリーさんも、思い思いの物を取り、食べている。
「おいしいです。」
「ウッマー。」
さて、鍋を頂こう。水炊きっぽい。これも懐かしい味だ。日本を思い出すな。
さすが、シュリ叔父さんの弟子。全てが旨い。
デザートは、なんと杏仁豆腐。ここで中華とは・・ゲンジやるな。
ゲンジがやって来た。
「アニキ、どうですか?」
「おお、全部旨かったぞ。腕を上げたな。」
「グッグッ、アニキ・・。」 ゲンジ、男泣き。でもいかついおっさん。
「しばらく帝都にいるから、またくるよ。」
「お待ちしております。」
「さて、戻るか。」
「僕達は少しぶらぶらして、帰るよ。」
「わかった。誘拐されんなよ。」
「やめてよお、了解。」 店の前で叔父さん達とは別れる。
「これから自由時間にします。イド君に泊まりつつガーネットに戻るので、
ゆっくり帝都を楽しんで下さい。これは特別手当なので自由に使ってね。」
レイさんとリリーさんに小袋を渡す。お土産を頼んでもう一袋。
「僕達は、スノさん達に会いに行こう。」
「うん。」
「スノさん達はどこにいるかな?学園かな?」
「念話する・・丁度、屋敷に戻った。」
「じゃあ、戻ろう。」
イチとニイは、スノさん達と会うためいっしょに居る。4人でのんびりと
屋敷に戻る。あやうく迷子になるところを、カモナに助けてもらう。
ふぅ、あぶねー。
「カエデちゃん!」
「ベル姉、この間ぶり。」
ベル姉に抱き締められる。ウホッ、成長期か!
小梅達とスノさん達も抱き合っている。
「シュリ夫妻を連れてきたよ。」
「さっき、会ったわ。」
「パイ、食べる?」
「食べる!」
アリ姉も呼んで、ルフさんに華姉も呼んでもらう。
みんな揃ったので、カモナのリビングへ。
「カモナ、パイとお茶をお願い。」
「かしこまりました。」
子供達は目をキラッキラさせて、パイを待っている。この子供達には
ベル姉達も含まれる。
「カモナアップルパイとカエデカスタードパイだよ。おかわりは自由だけど
食べ過ぎて夕食を食べられなくならないように。」
「わかった、カエデパパ。」 誰がパパか!僕はKAPだけにしておく。
「美味しい!なにこれ!」
「本当においしいわね。母さんが言ってた通りだわ。」
「カエデちゃん、まじパテシィエ。」 違うから!
「スノさんもルフさんも、たくさん食べてね。ミルさんの分はちゃんと
あるから。」
「うん。」
「うん。カエデママ。」 誰がママか!
騒がしくも楽しく、おやつタイム終了。
小梅達はスノさんとルフさんに屋敷のまわりを案内してもらうそうだ。
「いってらっしゃい。気を付けてね。」
「行って来る。カエデママ。」
もうええ!




