HANDGUN
「小梅、スノさん達を呼んで。」
「わかった。」
僕はそのままカモナに入り、イド君のスタンバイ。しばらくするとみんなと、
ラウさんとメグさんがきた。
「ラウさん、メグさん。急にごめんね。」
「いや、小梅から理由は聞いた。」
「騒動が片付いたら、またいつでも連れて来れるから・・。」
「ああ、ありがとう。」
ラウさん達は3人を抱き締めた。
「じゃあ、行こうか。カモナ、イド君。発進!」
「「かしこまりました。」」
「ガーネットの森はどうだった?」
「最高でした!」
「帝都にもあるといいのに・・・。」
「・・・楽しかった、小梅達と友達になった。」 スノさん、長セリフ。
「うん、友達。」
小梅とスノさんが、手をつないでいる。
「そうか、良かったね。帝都まで片道2時間位だから、またすぐ会えるよ。」
「「うん!」」
「夕食にしよう。カモナ、よろしく。」
「かしこまりました。」
「デザートは、苺ショートだよ。」みんな、嬉しそう。良かった。
皆で楽しく夕食を食べ、甲板に出たり、いつの間にかできていた森の部屋で
鬼ごっこしたりして遊ぶ。僕はそんな皆を見ながら考え事。
エルフの件は、おそらくアサヒが目覚めれば解決するだろう。その辺の事は
バート叔父さんが父さんに報告するだろうし。せっかく帝都に行くし、クロ兄に
ライトニングホークを渡したいな。しかし、イド君はまだ知られたくない。
特に母さん。ベル姉にもスノさんの事を伝えておかないと危ないし・・。
しょうがない、スノさんにクロ兄とベル姉を呼んでもらおう。
「そろそろ到着します。」
「了解。スノさん、ベル姉とクロ兄を呼んできてくれる。」
「念話できる。」
「おお、すごいね。じゃあ、お願い。」
帝都の屋敷の庭は、ガーネットのそれより広い。モニターで外の様子を
うかがってると、出てきた。あちゃ・・みんなで出てきた。
もう、しょうがないな。
「カモナ、全員承認して。」 外に出て、出迎える。
「みんな、話は中でするから入って。」
「カエデちゃん、なにここ?」
「イド君、上空50Mへ。カモナ、お茶よろしく。」
「「かしこまりました。」」
人数が多いからカモナに移動。
「みんな、とりあえず座って。いろいろ話す事があるから。」
「カエデちゃん。3日ぶり。」
「3日ぶり。まず、ここなんだけど拡張型テントの中。そして僕達は今
上空50M位の位置に浮いてる小型の船の中です。」
「えっー!」
「従魔のみんなを連れてきたよ。」
「えっ、みんなは?」
「森の部屋で遊んでるよ。話が終わったら呼ぶから。」
「いや~、カエデちゃん。すごいわ~。」
僕はエルフの顛末を話す。当然、ベル姉が大激怒。月天弓と村雨をだして
カモナから出て行こうとするのを、みんなで必死に止める。
「ベルが本気だしたら、システィーナが滅ぶからやめて~!」
と、クロ兄がしがみついて止める。
「ベル姉、エルフの件は長老が目を覚ましたら解決するから落ち着いて。
ガーネットに襲撃してきたハイエルフもエルフも、メイド隊がボコボコに
したから、今は抑えて。」
「・・・ふぅ~。わかったわ。」
こえー、ベル姉!イド君、びびって揺れたよね。
「まあ、エルフの件はバート叔父さんから父さんに報告いくと思うから。
それと、タケル兄と華姉。今つかってる刀はボタン先生が来るまで
使わないでね。」
「なんかわかったの?」
「あ~、わかったんだけど・・・。アス姉とアリ姉は、マリア先生が半神なのは
聞いたよね。」
「ええ、びっくりよ。でも納得もしたわ、私とアリスが2人がかりでも
かすりもしないのよ。」
「えっ?まさか、おふくろも?」
「タケル兄、ボタン先生も半神だよ。2人の変形した後の刀の名は『草薙』
またの名は『天叢雲剣』だよ。」
「えっ!それって?」
「そうだよ、クロ兄。草薙はスサノオの剣。つまり、正真正銘の神剣だ。」
「う、うそ・・・。」
「でも草薙は危ないんだ。使用者の魔力を吸い尽くすんだ。だから、ボタン先生
に制御の仕方をちゃんと学んで。」
「そうか・・。それでボタン姉は刀を使わなかったのね。タチバナ流の免許皆伝は
私が言うのもなんだけど・・刀流のほぼ頂点よ。」
「母さん・・・。」
「華姉、ボタン先生は今まで人として生きてきた。そして、これからも人として
生きるってさ。だけど、2人が危ないわけだからね・・・。
いろいろ、汲んであげて。」
「そうね、母さんは母さんね・・・。」
「それにしても、びっくりだよ。ここに神の眷族が4人もいるんだね。」
「カエデちゃん、私達もとか言わないわよね?」
「あーうん、クロ兄とベル姉は違うよ・・。」
「なんだか気になる言い方ね、カエデちゃん。」
「うん。僕も気になって月詠様に聞いたんだよ、アス姉。で、返答は
2人はイレギュラーだって・・・。」
「プッハハハ・・。」 みんな、笑いだした。
「不思議と納得してしまうわね・・。」
「まあ、みんなそれぞれ規格外だから、いろいろ注意してね。」
「おまえが言うな!」と総突っ込みを頂戴した。
「ボタン先生は、あっちのバタバタが終わったら連れてくるから。」
「わかった。」
「クロ兄、銃ができたから持ってきたよ。」
「えっ、もう?」
「うん、昨日ダンジョンで作ってきたよ。」
「ダンジョンで銃を作る?わけがわからないわ。」
「アス姉、気にしたら負けだよ。」
「・・・そうね。」
「はい、これ。」 ライトニングホークを渡す。ホルダーも作ったよ。
「おお・・。これはカッコイイ・・。」
「でしょー。自信作だよ。」
「カエデ、俺も黒刀が使えないから欲しい。」
「そう言うと思ったから。はい、これ。」 デザートイーグルを渡す。
「少し重いけど、タケル兄なら使えるでしょ。」
「おお・・。これもカッコイイ。」
男2人がはしゃいでいる。銃はロマンだよね。でも・・・。
「ちょっと、カエデちゃん。お姉ちゃん達にはないの?」
「えっ?アリ姉、銃を使うの?」
「使わないけど、欲しいの。」
「私も。」
「えっ、ベル姉。月天弓と村雨って最強最悪コンビだよ?ぐえっ。」
ベル姉にスリーパーホールドを極められる。
「フフフ・・・。」
「あら?華は欲しくないの?」
「私は、もう魔導銃の新作を予約済みよ。」
「なんですって!」
「あー、カエデちゃんが落ちる寸前よ!ベル、離しなさい!」ふぅ、解放される。
「・・ありがとアス姉。まじ死ぬかと思った・・・。」はぁ~、しょうがないな。
「みんな、射撃場に行くよ。」
「本当に、テントの中なの・・・。」アス姉が、唖然としている。
「アスカ、気にしたら負け。」 さすクロ、わかってる。
「クロ兄とタケル兄は、ちょっと練習してて。カモナ、的をお願い。それと、
マガジンの交換とブローバックの事、教えてあげて。」
「かしこまりました。」
「ベル姉達はこっち来て。クロ兄とタケル兄の銃は弾が多いから、精製に
魔力を持ってかれる。だから・・。」
僕はグレイスとマテバを出す。
「これは、リボルバータイプで僕が使ってるタイプと同型。」
「カエデちゃんと、おそろ・・・。」
「どっちにするか、決めて。」
リボルバーの交換の仕方を見せ、実際にやってもらう。
「私はこっちの方が、やり易いわ。」
「私も。」
2人ともグレイスか・・。クッ、マテバにだっていいところあるんだから・・。
「色は、どうする?」
「私は、シルバーがいいわ。」これは、ベル姉。
「私は、ブラックね。」 これは、アリ姉。
丁度いい。叔父さん達のは、また作ろう。
「ベル姉はそれ使って、アリ姉はこれ。」
的を出して、撃ち方を教える。2人とも撃ってみる。えっ!2人ともど真ん中を
撃ちぬいてる!
「反動が、いい感じね。くせになるわ。」
「・・・いいわ。これ。」
「なんか2人を見てると、実弾銃も欲しくなるわね。」
「アス姉も華姉も使う?」
「あるの?」
「あと2人分だったら。」
アス姉と華姉にもリボルバーの交換を試してもらう。2人ともマテバを選択。
良かったね、マテバ。アス姉がシルバーを希望、華姉はブラック希望。
ちょうど在庫がある奴だ。
的を出して、撃ってもらう。驚く事に2人もど真ん中を撃ちぬいた。
なに、この天才たち!
「いい感じね、華。」
「ええ、やばいわ。」
2人も満足してくれたようだ。女性陣にもホルダーを渡す。
「学園では使わないでね。ガーネットのガンナーズギルドに名前貸して。
それと、メンテナンスがいるから、たまに僕に見せてね。クロ兄、父さんに
射撃場を作ってもらって練習してね。」
「了解、カエデちゃん、ありがとう。」 みんなに礼を言われる。
「どういたしまして、スノさん達を迎えに行こう。」
森の部屋に行くと、みんなハンモックで昼寝してた。起こさないように
そっと、それぞれを抱きかかえる。
「イド君、着陸お願い。」
「じゃあみんな、また。近々、ボタン先生を連れてくるから。カモナ、イド君
ガーネットへ帰ろう。」
「「かしこまりました。」」
夕食を食べながら、カモナとアトリエの打ち合わせ。銃とか刀を自作できるように
したい。叔父さん達の銃を作らないといけないし、結界石も作りたい。
「銃の方は問題ありませんが、鍛冶場は一度みてからでないと難しいですね。」
「了解。神楽のドムル君の所に鍛冶場があるから、今度行った時にでも
見ておいて。」
「かしこまりました。」
「小梅、風呂いこう。」
「うん。」
腹だしてプールに浮かぶ。
「小梅はジェット、できないの?」
「できるけど、調整がむずい。」
「ああ、出力がでかすぎるんだね。」
「うん。」
「海だったらいけるかな?」
「たぶん。」
「よし、今度みんなで海に行こう。」
「うん。」 嬉しそうだ。
海中でも呼吸できる魔導具をつくろうかな。
風呂あがりに、冷たいコーヒー牛乳を飲んで寝た。
今日も忙しかったな・・・。
目を覚ますと、小梅が枕の横で腹出して寝てた。今日も可愛い。
「カモナ、着いてる?」
「はい。到着しております。」
「あとでガークさんの所へ、レイピアを作りに行くから。」
「ありがとうございます。」
「小梅、食堂へ行こう。」
「うん。」
食堂へ行くと、叔父さん達がいた。
「お早うございます。戻ったよ。」
「お疲れ様だ。こっちの方も話はまとまり、ハイエルフとエルフは朝早く
システィーナに戻った。謝罪とか補償は、長老を起こしドラゴンゾンビを
なんとかしてから改めてという事にした。」
「そうなるねよ・・。まったく、あの双子。最初からそうすりゃいいものを・・。
危うく戦争になるところだったよ。」
「全くだ。我々も反省してる。相手が子供だとついな・・・。」
マリア先生とボタン先生が、うんうんと頷いている。そりゃそうか・・。
「ボタン先生、帝都でタケル兄と華姉に草薙の事を話しておいたから都合が
ついたら教えて。送っていくから。」
「えっ!・・・あの子達、なんか言ってなかった?」
「驚いてはいたけど、アス姉とアリ姉がいるし、そんな事もあるか程度
だったよ。待ってるって。」
「・・・わかったわ。ねえ、シュリ。そんな事もあるか程度だったら、もっと
前にカミングアウトした方が良かったかしら?」
「いや、俺は十分に驚いたからな。」
「そうよね・・。カエデちゃん、明後日にお願いできるかしら?」
「大丈夫だよ。準備できたら声かけてね。」
「あっ、そうそうカエデちゃん。母さんがお礼を言ってたわよ。」
「へっ?なんで?」
「ハイエルフに囲まれた時、助けてもらったって。」
「ああ、そういえば・・。どういたしまして。」
「あと、あの双子のハイエルフ。カエデちゃんと同い年だったみたい。
学園で会いそうね。」
「まじで・・。そんな事なら、僕に声を掛けないよう槍さしとけば良かった。」
「槍?釘じゃなくて?」
「そう、槍。腕を落とした方の奴、トラップでゼン君に串刺しにされてたから
トラウマかなって・・。」
「・・それは確かに、槍ね。」
「違うから!」
「まあ、エルフの件はしばらく大丈夫だろう。スノちゃんの件は
ベルに伝えたか?」
「伝えたよ。月天弓と村雨持って、システィーナにカチコミ行きそうになって
たのをクロ兄が、抱き着いて必死に止めてた。ベル姉は怒らせると一番
やばいかも・・。イド君がびびって、落ちそうになってた。」
「・・・そうだな。とりあえず、長老が来るまでそれぞれの仕事をこなそう。」




