ASSASSIN
イド君は森の上空にいる、というか浮いてる。
「カモナ、ステルスは?」
「はい、安定しています。」
「レイさん、ポイントまでナビよろしく。30か所、サクサク終わらせよう。」
「了解。」 あっという間に、一つ目のポイントに。
「ボックル、いっしょにお願い。」
「わかった。」
僕は、ボックルを肩に乗せ飛び降りる。この大木でいいか。
ボックルが大木に、なにか言っている。
「オーケーだって。」 式札を大木に貼る。
この作業をあと29回・・・。ふぅ、大変だ。と思っていたけど、イド君が
瞬間移動でもしてるんじゃないかって位、速い。僕とボックルは席に戻らず
搭乗口で待機。しかもゼロGだ。あっという間に30か所終了。
誰も見てない所で印を結ぶ。式札が光って発動、これで人払いの結界完了。
最後はトラップだ、その前におやつにしよう。
「カモナ、操縦をイド君に頼んでおやつにしよう。」
「かしこまりました。」
リビングにみんな集まって、モンブランを食べる。カモナが給仕してくれる。
「ウマウマ。」
「おいひー。」
「うむ。」
「うまいよう。」
「それにしても、本当に空を飛んでいるんですね。」
「驚きすぎて逆に冷静になったわ、速いし・・。」
「そうだね、行動範囲が一気に広がったよ。」
「しかも、カモナさんドックになるんですよね?」
「そうなるね、浮いてるからプールいらないし。」
「やばくないですか?」
「ステルス様々だよ。」イド君には、ゆっくり飛んでもらっている。
「マスター、そろそろポイントに到着します。」
「了解。みんな、降りてみる?」
全員、降りる事になった。音も無く着陸、というか高度を下げる感じ。
イド君、すごいわ。
降りて、周りを見回すともうここしかないというポイントだ。
カモナもすごいわ。
ドミニクに言われた通り、開いてエンターを押す。ブーンと音がして虫型の
ドローンが方々に散る。特に風景は変わらないが仮想空間化されてるはず。
頼むよ、ドミニク。お客がもうそこまで来てるんだ。
「ドミニク、聞こえる?」
「聞こえてるわよ。」
「お客が3人来るんだけど、こいつらは直接やりたいんだけど、できる?」
「できるわよ、こっちで操作しとく。」
「ありがとう。」
「みんな、お客さんだよ。ボックルは危ないからイド君に戻って。」
「わかった。」
「レイさんとリリーさんは、ツーマンセルで。イチとニイは助けてあげて。」
「「了解。」」
「カモナと僕はソロで、小梅は両方のフォローよろしく。」
「うん。」
「おまかせを。」
「森の中に入ってきたら、問答無用で殺っちゃって。」
「殺っちゃっていいんです?」
「仮想空間内は奴らも僕らも死なないよ、外に飛ばされるだけ。遠慮せずに
奴らにトラウマを植え付けるんだ。」
「「了解。」」
来た。
「おや?こんな所に黒目黒髪のターゲットに良く似た子が。森を歩かなくても
すむなんて、なんたる幸運。」
「こちらも、待ってたよ。歓迎する。」
マテバFJ弾をプレゼント。それを合図に全員戦闘に入る。
全弾、軌道を変えた?冷気が漂っている、氷魔法・・いや氷結魔法か・・
成る程、超電導によるマイスナー効果か・・へぇ、おもしろいな。
飛び道具は軌道がそれ、近づいたら凍結か。さっきもらった炸裂弾を試そう。
グレイスに持ち替え1発撃ってみる、Aさんがのけ反る、効果ありだ。
残り5発も撃つ、いっしょに僕も跳ぶ。
「夕霧。」
「はい、主。」
「斑鳩流、竜巻。」
のけ反っているAさんの両腕と両脚を斬る。恐怖の顔をこちらに向けている。
刀が良く見えるように眉間に夕霧を突き刺す。
「ばいばい。」
さて、カモナは・・。Bさん、どてっ腹に大きな風穴が開いてるよ、僕と同じ
ように眉間にレイピアを突き刺す。ばいばい、と手を振る。
Cさんはどうかな?こちらも両腕をちぎられ、リリーさんにトンファーで
ズタズタに斬られ、最終的にレイさんに腹を串刺しにされていた。
う~ん、弱い。本当に闇ギルドの人かな?レイさんが言うには、手の甲の入れ墨は
闇ギルドの紋章らしいけど・・・。
仮想空間の外で気絶してる3人を叩き起こし
「帰って、ギルマスに伝えろ。ガーネットに手を出したら終わりだと。」
3人は失禁した、タグも付けた。これで闇ギルドの場所はわかる。トラウマ完了。
僕達はイド君に乗り屋敷に戻る。庭に降りてカモナのドックに転位。
カモナのリビングでお茶をする。
「弱かったね、暗殺者。」
「まわりがまわりなんで、今ひとつ自分たちの力がわかりませんね。」
「2人は前より、各段に強くなってるよ。今度、マリア先生に挑んでみれば?」
「「嫌です!」」
「カモナもすごかったねえ、Bさんライデンフロストを使ってたでしょ?」
「そうでしたね。しかし、当たらなければ意味はございませんので。」
おお・・そのセリフ、今度僕も使おう。
「まあこれで、あとはトラップが間者の相手をしてくれるし、森は静かになるよ。
グロ見せてごめんよ、ボックル。」
「平気。」
「暗殺者の人達が帝都の戻り、報告に行った時に闇ギルドを潰します。」
「「わかりました。」」
「レイさん、イド君と帝都と神楽までの航行時間を算出しておいて。」
「はい。」
「リリーさん、闇ギルド本部は主砲を試そうと思ってるから、よろしく。」
「わかりました。」
「僕はダンジョンにお礼にいって、あとはバート叔父さんに報告にいくよ。」
ダンジョン本部開発室に転位。
「ドミニク、ありがとう。炸裂弾、助かったよ。」
「こっちもおもしろいデータがとれたから、お互い様よ。それにしても、
マイスナー効果にライデンフロスト効果か、物理法則がわかってるのかしら?」
「どうだろう?実弾を使う人を自分以外まだ見た事ないしなあ・・。」
「これからトラップに引っかかる、スパイ達が楽しみよ。」
「うまくダンジョンに活かしてね。」
「もちろんよ。」
「近々で、雪原フロアーのボスにアタックするよ。」
「了解よ。」 自室に転位。
「ちょっと、バート叔父さんの所へいってくるね。」
「わかった。」
執務室へ行くと、マリア先生もいた。
「報告に上がりました。」
「ご苦労。聞かせてくれ。」地図を開いて説明する。
「森の進入路と思われる所に、人払いの結界を配置しました。」
「この地図の×印がそうなのかしら?けっこうな数ね。」
「はい、30か所ほどです。」
「この広い範囲を1日でか?」
「船が完成したので、試運転も兼ねて飛んで回りました。ボックルの協力もあり
大木達もすんなりオーケーしてくれたので早く済みました。」
「「えっ!」」
「ドルトさんには、湖で試運転をすると言って回収してきました。バート叔父さん
ありがとう。内装超豪華でびびった。」
「いや、カエデの貢献を考えるとそれくらいはな・・。例のあれ、使ったのか?」
「はい、多重構造体の位置に設置しました。予想以上の性能で、やばいです。
ステルス必須案件になりました。」
「誰か、シュリとボタンを呼んでくれ!」
やっぱりそうなるか・・。まあ、個別に説明するより手っ取り早いか。
「カモナ、イド君のスタンバイを。」
「かしこまりました。」
すぐに、シュリ叔父さん達が来た。
「続きは船で話します。」皆でイド君のドックへ。
「これが・・・。」
「不思議な形ね。でも、カッコイイわ。」
「おい、浮いてねーか?」
「浮いてるわね・・。」
「乗って、リビングの方へ。」
「いいわね、落ち着いた内装。」
「外から見るイメージより、全然広いわね。」
僕は地図を広げ直して、追加の説明をする。
「この丸印の所に、ダンジョンに協力してもらったトラップが仕掛けてあります。
内容は仮想空間と、僕と小梅のデータを移植したモンスターです。」
「極悪ね。」
「モンスター達は、侵入者にトラウマを植え付けるようプログラムしています。」
「トラウマ・・呪いね・・・。」 さす半。
「30か所に設置した人払いの結界により、侵入者は知らず知らずの内にこの
仮想空間に入る事になります。これから、そのポイント行きます。
カモナ、発進して。」
「かしこまりました。」
「もう、飛んでるの?」
「飛んでるよ。窓の外を見て。」
4人とも。それぞれ窓を覗く。ちょうど夕日だ。
「・・・。」
「すごいわ!」
「綺麗ねえ・・。」
「全然、揺れてない・・。」
その後、ブリッジと機関室を見学してもらい甲板にでた。機関室でクロスリング
を見て、言葉を失っていたが。結界があるからトップスピードでも無風との事。
すげえな、イド君。
4人は夕日に、感動していた。
「我々の領地の森は、こんなに美しいのだな・・。
兄上が守ろうとしているのは・・。」
「ポイントに到着しました。」
僕達は下船し、仮想空間に近づいた。中に入るとトラップが発動するからね。
「ここです。って、あっーマリア先生!入ったら起動するって!」
「テストよ、テスト!」
ゼン君とゼツ君がでてきて、マリア先生に襲いかかる。半神のマリア先生を相手に
どこまでやれるか・・。確かに、テストだ。
バート叔父さんがハラハラしてる、死なないから大丈夫だよ。
シュリ叔父さん達は「がんばれー。」などと盛り上がっている。
実際すげーな、マリア先生。ゼゼ組も負けてない、目にも留まらないスピードだ。
僕って短槍、あんなに使えたんだ。リボルバーなのに弾ぎれしてないよ・・。
ゼツ君もすごい、的確にマリア先生の死角から、えぐい魔法を撃ってる。
かわす、マリア先生もえぐいわあ・・。だが、きりがない、止めよう。
「ドミニク。」
「はい、はい。」 ゼゼ組を、一度消してもらった。
「なによ!いいところだったのに!」
「マリア先生、日が暮れちゃうよ!」
「あら、わたしとしたことが、オホホホ・・・。」
マリア先生は、バート叔父さんから小言を頂戴していた。当然である。
「夜になる前に、戻ろう。」
「合格よ!極悪コンビよ!あれは私でもトップギアにしないと勝てないわ。」
誰が極悪コンビだ!
「とまあ、マリア先生のお墨付きも頂いた事だし、森の件はこれで終了かな。」
「そうだな、マリアといい勝負できてたし、侵入者は突破できないだろう。」
「トラップに引っかかった間者の映像は、カモナに届くから報告するよ。」
「頼む。」
「お話し中失礼します。到着しました。」




