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GENTLE LIFE  作者: 一聖
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TRAP

朝いつものルーティンをこなし、朝食後カモナで作戦会議だ。ランニングの時に

ボックルにも協力を要請した。


「昨夜、バート叔父さんの許可はもらったので、今日から作戦スタートです。

 時間をかける事でもないので、速攻、電撃戦で片をつけまっせ。」


「「おお・・・。」」


「まず、リリーさんはドルトさんの所へ行って、進行状況を確認してなるべく

 急がせて。手段は問わない。」 ニヤ。


「わかりました。」 ニヤ。


「レイさんは、暗部でもギルドでもいいので、闇ギルドの情報を集めて。」


「わかりました。」


「カモナは地図を分析して、トラップの位置の策定をおねがい。」

「かしこまりました。」


「僕はDMと話を付けてくる。それぞれの連絡は小梅、イチ、ニイの念話で。」


「すでに森に侵入している者は、どうしますか?」


「それについては、コウヤとラウさん達と協力して叩こう。」


「わかりました。」


「他に質問がなければ、行動開始!」


「「はい!」」


僕と小梅は、そのままダンジョン本部へ転位。


「ドミニク、ドミニクー。商談をしよう。」


「何、藪から棒に?」


僕は事情を説明し、ミニダンジョンの設置のお願いをする。もちろん、見返りの

データの件も。


「ふーん、この世界も前の世界と似たような事をしてるのねえ・・。いいわよ、

 商談成立。こちらの世界のアサシンとかスパイのデータは興味があるわ。

 ミニダンはそれ位でも、仮想空間で充分に恐怖は与えられるわ。カエデと

 小梅ちゃんの戦闘能力を、ゼロ君とフェンリルのアバターにコピーね。」


いいね、それ!ゼロ君もフェンリルも元々かなり強かったから、素体としては

十分だ。コンビとしても、僕達に近い連携がとれるだろう。


「僕はいろいろ秘密が多いけど、限定はできるかい?」


「できるわよ、あくまでデータだから。」


「じゃあ、短槍術と銃かな。」


「了解。小梅ちゃんは?」


「クナイ以外は、オーケー。」


本部の訓練場でゼロ君とフェンリル相手に模擬戦、あいかわらず強い。

斑鳩流を使わないと負けるな。小梅も同様だ、ただ今は龍神の力がある。

僕よりは余裕がありそうだ。


「オーケーよ。じゃあ、仮想空間とアバターの調整をするから明日とりに

 きてちょうだい。」


「了解。明日ケーキも持ってくるよ。」


「それは楽しみねえ。」


自室に転位。ニイ経由でリリーさんが、屋敷に戻っていると報告を受けたので

カモナに来てもらう。


「ただ今、戻りました。」


「お疲れ様。それで、どうだった?」


「はい、ほとんど完成してるそうです。あとは可動式の翼を組み込めば完了です。

 あと3日と言われましたけど、結局、明日完成します。」


「えっ!なにしたの、リリーさん?」


「リリーマジックを使いました。」


なにそれ・・・。大丈夫かなドルトさん・・多めに支払おう。


「じゃあ、明日取りに行こう。アイテムボックスに入ると思うから。」


「どんだけ容量あるんですか!」


助かる。これで、お札の設置が楽になる。


「カエデ様、トラップの設置位置の策定、終了しました。」

「ありがとう、見せて。札は30枚ってところ?」

「はい、30枚あれば網羅できます。仮想空間の設置場所はここです。」

「成る程、絶妙な位置だね。これでいこう。」

「ありがとうございます。」


「あとは、レイさんが戻ってくれば・・・。」


「お戻りになったようです。お通しします。」


「ただ今、戻りました。」


「お疲れ様。早速だけど聞かせてくれる。」 カモナがお茶を用意してくれてる。


「はい、まず間者ですが他国、他領とかなりの人数が入り込んでますね。」


「目的はなんだろう、デル君の秘密?」


「だいたいはそのようです。デル君と封魔ブレスの開発者が同一人物ではという

 噂が流れ、その人物の特定とヘッドハンティング。もしくは誘拐ですね。」


「正直、7歳児の僕にはたどり着けないと思うんだけど・・。」


「キャロルさんもロバートさんも、ガーネットの指示で動いているというのが

 大方の見方になってるようです。」


「それで秘密はガーネットに有りという事で忍びこんで調べたいと。」


「そういう事ですね。それと、闇ギルドの件ですが確かに暗殺者が3名、

 入り込んでるようです。」


「それこそ目的はなんだろう?今は情報戦をしてるのに・・もういっその事

 殺っちゃえって感じなのかな?」


「どうやら、暗殺者に関しては別案件らしいです。帝都でガーネットに痛い目に

 合された貴族の逆恨みと暗部は考えてるそうです。それで、間者のどさくさに

 紛れて・・カエデ様を暗殺する事で帝都にいるガーネット家に復讐という。」


「う~ん、逆に狙いが僕という方がやり易いね。暗殺者の皆さんには引退して

 もらうとして、こういう事が続くなら大元は潰しておきたいよね。」


「大元というと、依頼している貴族ですか?」


「どこぞの貴族と闇ギルドかな。」


「帝都に乗り込むんですか?」


「もちろん。内密にばれない様にだけどね。」


「はぁ~。もう止めはしないですけど、同行はしますよ。」リリーさんも頷く。


「わかったよ。大体の事はわかったけど、暗殺者の皆さんには直接会おうかね。

 貴族の事は聞かされてないだろうけど、闇ギルドの事は聞いときたい。」


「おとり作戦ですか?」


「そうだね鴨ねぎ作戦だ。まあ、その前にトラップの設置を終わらせよう。船も

 こんな事でデビューになるとは思わなかったけど、役立ちそうだ。」


どこぞの貴族と闇ギルドへの5倍返しは確定事項として、他にも痛い目に合された

貴族はいそうだ。それも調べておいたほうがよさそうだな。


「今日は前祝に、おいしい物を食べよう。カモナ、頼めるかい?」

「かしこまりました。」


昨夜は少しだけ贅沢な食事をカモナに作ってもらい、皆で楽しんだ。

今日からバトルモード、全く・・スローライフはままならない。

クロ兄達が帰って来てくれると、こういうのは解消されると思うけど・・。

主人公チームだし・・。そう考えると、来年から本格的にスロライいけるかな。

船もできるし、金もある。なんか、わざわざ学園に行かなくてもいいような・・

父さんと母さんに交渉してみようかな。ああ、夢が広がりまくりんぐ。

おっといかん、バトルモードでにやけていると、戦闘狂に思われる。


「きめえ。」 遅かったー。

「違うよ、小梅。来年の事を考えてただけだよ。スロライを本格的に着手

 できると思うとさ。」

「・・・疑問。」

「やめてよ!波乱万丈はノーサンキューさ。今日は忙しいけどがんばろう!」

「・・・おう。」


朝のルーティンを終わらせ、船を受け取りに港町へゴー。ワクワクが止まらない。


「ドルトさん、ドルトさ~ん!」


返事がない。昨日、リリーマジックで完成してるはずだが・・・まさか!

僕達はあわてて、中に飛び込む。


「ドルトさん!」


ドルトさんがうつ伏せで倒れている。しまった、間者の手がここまで・・・。

ジェット推進器もステルス素材もトップシークレットのはずなのに・・。

暗部の気配もなかった。すまない、ドルトさん。僕のミスだ、かたきは必ず

とるから安らかに眠れ・・。レイさん以外全員で黙祷。

アンデッドにならないよう、灰にしておくか・・。


「デル君。」

「イエス、マスター。」


「ストープッ!ストープッ!生きてますから、寝てるだけですって!

 わざとですよね、そうですよね?呼吸してるのわかりますよね?」


むう・・確かに。おっ、ドルトさんに動きが!


「ヒッ、ヒッ・・・。」


「ヒッ?」


「貧乳回避ぃー!」


リリーさんが消えた。次の瞬間、ドルトさんが壁に叩きつけられていた。


「ちょっと、百合子さん!本当に殺ってどうすんの!」


「デル君!」

「・・イエス、マスター・・・。」

「ヒール&栄養弾!」パンパンと2発、ドルトさんに撃つ。


「はっ、私はなにを・・なにかとても恐ろしい夢をみていたような・・。」


春日部が、レイさんにはがいじめにされている。こっちはこっちで、


「あのマスター、私、本格的に注射器になりそうなんですけど・・・。」

「だよね・・。ごめんて、デル君。貸しにしてといて・・・。」

「はぁ~、わかりました。」 朝からカオスだ。僕の船~。


「あっ!カエデ様。お待ちしておりました。キリッ!」


キリッ!じゃねーから、あんた寝てただろ!しかも、壁に叩きつけられてただろ!


「完成してますよ、推進力を除けばパーフェクトです。キリッ!」 もうええー。


「早速、見せてもらえますか。」


「ええ、こちらへ。」


僕はドキドキだ、専用ドックに案内される。あった・・これは・・超カッコイイ!

ミスリル偽装のステルス素材のせいか、光沢のないシルバーだ。

それがまた渋い。


「すばらしい!」 ドルトさんとがっちり握手をした。


「内装もすごいですよ、バート先輩が金に糸目をつけずにやれと言ってくれたので

 超豪華仕様です。」 ありがとー、バート叔父さん。森と闇ギルドはまかせて。


中に入ると・・。感動だ、これはすごい。

ブリッジに席は4つ、操縦席、航海士席、主砲席、船長席。ドアで仕切られ

リビング。リビングが意外に広い、あっ、この船の模型がある。両サイドと

後ろに砲座席、そして機関室。


「倉庫は必要ないという事でしたので、その分リビングを広くできました。

 主砲と副砲は通常時は収納されますので、外からは見えません。翼は

 海上と海中で変形し、空気抵抗と水圧を調整します。」


「天才だ!」


「いや~、それ程でも、このミスリルがとても加工しやすく、思い通りの

 形になるというか・・。」 神の素材だもんな。


「あと、自動操縦用のIAを付けましたので、名付けの方をお願いします。

 機関室へ行きましょう。」


階段を降りて機関室へ。ここも結構広い、推進用のノズルは3本。

本来、多重構造体を設置するところにはなにもない。


「現状の推進力は、帆船程度です。将来、いつでも取り付けはできるように

 してあります。」


「ありがとう。」 なんてな、今日、飛ぶけどね。


「船の説明は以上です。それと、例の推進器ですが、理論上は魔導エンジンの

 2倍、最大で3倍というとんでもエンジンです。コストは10分の1・・。」


「ふぇ~、とんでもないね。」


「ガーネットの新造船に取り付けたので、今日から極秘テストに入ります。」


「くれぐれも、ばれないようにね。」


「はい、その辺の事はキャロルとロバートから聞いております。」


「あと、このエンジンはドルトエンジンと名付けよう。例のあれとか

 わかりづらいから。」


「そんな・・このエンジンはカエデ様が考えられたではありませんか・・。」


「いやいや、僕は最初のトリガーだけで、全部ドルトさんが作ったんだから

 それでいいんだよ。」


ドルトさんは涙ぐみながら、「光栄です。」と言った。


僕は船をアイテムボックスに入れ、ドルトさんは驚いていたけど。

「湖で練習します。」と言うと納得してくれた。

ドックはいつでも置けるように、空けておいてくれるそうだ。


このエンジンは、正式に「ドルトエンジン」と名付けられ、今から5年後に

ガーネットが、がっつり儲けた後特許を取得し、オープンソースとなる。

ドルトさんは、船舶業界の歴史にその名を刻む事となった。


僕達は造船所からトンボ返りだ。ドミニクの所へ行かねば・・忙しい・・。


「カモナ、小さい湖作れる?」

「大丈夫です。訓練場へお越し下さい。」


おお、ちょうど船が収まる位のプールができてた。そこに浮かべて再び

乗り込む。まず、IAに名前を付ける。


「君の名前は、イドだ。」

「イエス、マスター。よろしくお願いします。」


そして、機関室に行き本来、多重構造体を置く位置に龍玉を置く、すると

龍玉は一度沈んでいき、再び浮き上がって来た時には光のリングがクロスされ

ゆっくり回っていた。超SFっぽい、だがカッコイイ。外に出て変化がないか

確認。龍神丸は龍の刻印されてたし、特に変化はないように・・あっ!

龍の紋章が舳にある。ひかえめでカッコイイ。あと、すでに浮いている。

中の戻ってイド君に確認。


「イド君。調子はどうだい?」

「イエス、マスター。すごいです、力が漲ってます。こころなしか浮いてる?」

「実際、浮いてるよ。君は海上、海中そして空を航行できるようになった。」

「まじすか?」

「まじ。」


「中にいると、わかりませんね。」レイさん達も確認をしに外へ。


「本当に、浮いていますね・・。」


「さて、僕はダンジョンに頼んだ物を取りに行ってくる。カモナはイド君と

 話して、いろいろ確認しておいて特にステルスのチェックを。」

「かしこまりました。」


「レイさんは航海士を頼むから、機材の使い方を確認しておいて。」


「わかりました。」


「リリーさんは砲雷長を頼むから、武器の確認をお願い。副砲もね。」


「了解しました。」


「小梅はボックルを呼んで。」

「うん。」


「じゃあ、行って来る。」 ここから、転位。


「ドミニク、ドミニクー。」


「あら、カエデ、できてるわよ。」


そう言って、ノートブック型のパソコンを渡してきた。


「パソコン・・・。」


「に近いなにかよ。設置したい場所でエンターを押すと、風景を取り込み

 ゼロ君改めゼン君と、フェンリル改めゼツ君が登場するわ。超小型

 ドローンで360°撮影し、データはこちらとカモナさんに転送。」


「すごいね・・。」


「フフ・・。もっとほめていいわよ。動力は魔力、侵入者のみの稼働という

 省エネ設定ね。」


「まじ、すごいな・・・。」


「あと、これも渡しておくわ。」 シリンダー?


「新しく作った、炸裂弾よ。テストしてちょうだい。」


「了解、使ってみるよ。弾丸テストをするって事はダンジョンに導入?」


「ええ、そのつもりよ。他のダンジョンと差別化を図らないとね、この業界も

 大変なのよ。」


「それは楽しみだね。あとこれ、モンブラン。トラップに引っかかった連中でも

 眺めながら食べて。」


「ありがとう。」


「これは、今日中に設置するから。じゃ、また来るよ。」


「了解。」


イド君のリビングに転位。


「びっくりしたあ。」


「やあ、ボックル。今日はありがとね。」


「僕も気になってたから、丁度いいよ。」


「すぐ出発するから、ちょっと待っててね。」


「ただいまー。」

「おかえりなさいませ。」

「カモナ、どんな感じ?」

「さすがは、リーファン様と。ほぼ万能です。」

「そんなに?」

「そんなに、でございます。」

「秘密が増えるなあ・・。レイさん、リリーさん。そっちは?」


「はい、イドさんがナビゲートしてくれたので、もう使えます。」


「私もです。」


「よし、じゃあ用意も全部終わったし、行こう。カモナ、どうすればいい?

 一度アイテムボックスに収納する?」

「いえ、ここから転位で発進できます。」

「まじ?」

「まじ、でございます。」

「了解。」僕は船長席に座る。おお・・・感動だ。

「イド君、発進!」











 















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