↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
GENTLE LIFE  作者: 一聖
PR
46/322

PUNISHMENT

目覚めるといつもの位置に小梅、イチ、ニイがいてホッとした。

ランニングへ行こう。みんなは?寝る?了解。

1人寂しくラン、たまにはいい。祠の参拝も忘れずに。

走りながら今日の事を考える。午後はチームドルトの活動をするとして

午前中、マリア先生がいれば剣の報告をして、ラムさんの練習かな。

ボス戦はラムさんで挑んでみよう。


「ボックル。」


「なあに?」


「朝食、どうする?」


「行く。」ボックルはいわゆるカーバンクルで額に赤い宝石があるやつだ。


「メニューはなにがあるかな?」


「楽しみ。」


念話で小梅に声を掛ける。


「小梅、朝食に行くからイチとニイも連れて食堂に集合。食べてていいから。」

「うん。」


ボックルが人化して少年の姿に。手をつないで食堂へ、小梅達を探す。いた。

僕はおにぎりと味噌汁と漬物、ボックルはフレンチトースト。サラダもお食べ。

飲み物はミルクだ。


「おは。」

「うん。」

「おはようございますう。」

「うむ。」


子供テーブルだ。僕が一番お兄さんだ。食べだしてしばらくすると、

レイさんチームとリリーさんチームがやってきた。みんな疲れた顔をしている。


「おはようございます。」


「みんな、疲れてるね。昨日は大変だった?」


「はい、正直ダンジョンなめてました。」


「朝食後、報告して。」


「わかりました。」


コーヒーを飲んでくつろいで、子供チームはボックルと森へ。

ラウさんとメグさんに、いろいろ教えてもらうとの事。

ボックルは、燻製木の実をもらい喜んでいた。

さて、話を聞こう。僕も聞きたい事があるし。


「昨日はお疲れ様。それでどうだったの?」


「11階フロアーは森林で昆虫モンスターでした。」


ああ・・。女子は虫が苦手な人が多いもんな。


「イチとニイのフォローがなかったら、やばかったです。」


「飛行系のモンスターが多く、魔導師の負担が大きかったです。」


確かに、飛行系はやっかいだな・・・。


「レイさんは、斬撃を飛ばせない?」


「練習はしてるんですけど、まだできないです。」


「リリーさんは?」


「私もです。」


そうなると・・・やっぱ装備かなあ。

レイさんのチームは、レイさんが遊撃で司令塔。アマネさんが剣士で前衛。

ミロさんが魔導師で後衛か。

リリーさんのチームは、リリーさんが前衛、司令塔は・・無理。ユキナさんが

ナイフで遊撃。イルマさんが魔導師で後衛。射程が短いゴリゴリの近接だな。


「それぞれの得物を見たいから、場所を変えよう。」


庭に移動。まず、アマネさんの剣を見せてもらう。超普通の剣だ、質は悪くない。

マリア先生の道場に通ってるそうだ。ミロさんのロッドも見る。これも普通。

まあメイドの仕事がメインジョブなわけだから業物はいらないだろうし・・。

ユキナさんのナイフは軍用ナイフによく似てる。


「ユキナさん、これは?」


「はい、父親から譲り受けました。」


「なる程。」


イルマさんのロッドも普通。ミロさんと一緒にボタン先生に習ってるとの事。

緊急時は魔導部隊で、ボタン先生の指揮下に入る。う~ん・・よし!


「イルマさんとミロさんは、ロッドのグレードを上げていいかボタン先生に確認

 して、オーケーだったら僕がサーキッドを組み込むから。」


「「はい。」」


「アマネさんは、マリア先生に剣の長さを10CM伸ばしていいか確認して、

 オーケーだったら一緒にガークさんのところへ行こう、費用は僕が持つから。」


「よろしいんですか?」


「いいよ、全然。」


「ユキナさんは、スローイングナイフの方が得意なんじゃ?」


「はい。なぜ?」


「ナイフの形状がね。ユキナさんは自分の使い易い形をガークさんに発注して。

 費用は僕が持つから。」


「わかりました。ありがとうございます。」


「本当は、魔導銃の方がいいんだけど、魔力がねえ・・次のステップかな。」


「私達はどうしましょう?」


「レイさんとリリーさんは現状の武器で問題ないでしょ?中・長距離はチーム

 メイトと連携でなんとかして。それとレイさんは、キャロルの所で人数分の

 ハートガードを発注してきて。」


「わかりました。」


「リリーさんは、午後から僕と造船所へ。」


「了解しました。」


「それと、勇者がダンジョンにアタックしてるって聞いたんだけど、情報ある?」


「エルシア国の勇者で、ハーレム系です。私達は女性のみのパーティですので

 勧誘を受けました。」


「ほう・・・。」


「ガーネット家のものだと、お断りしているのですがガーネット家に話を

 つけてやると息巻いており、はっきり言ってうざいです。」


「なるほど、で、みんなはどうするの?」


「ガーネット家を辞めて、勇者について行くなんて事はありえません。」


「わかった。その件はまかせて。」 ニヤリと笑う。


「あのカエデ様、ニヤリが怖いです。程ほどでお願いします。」


なにを言う、春日部。中途半端はいかんのだよ。


「大丈夫さ、殺ったりしないから。グヘヘヘ。」死んだ方がましと思わせるだけ。


「・・・。」


僕はみんなと別れ、執務室へ向かう。バート叔父さんに勇者をギッタンギッタンに

するための許可をもらうためだ。マリア先生がいれば、剣の話もできるし。

んっ?なにやら執務室がさわがしい。


「離せ、ボタン!」

「バートもやめて!」


2人ともいるのか?ノックしてドアを開ける。すると、今にも飛び出してして

行きそうな2人を先生達が必死に止めてるの図。


「どうしたの?」


「カエデちゃん!ちょうどいい所に2人を止めて!」


「バート叔父さんもシュリ叔父さんも落ち着いて!」


「あいつは、絶対ぶっ殺す!」


「・・・。」


バート叔父さんは声こそ出してないが、完全にメガネが闇落ちしている。

これは・・。2人を抑えているマリア先生とボタン先生に


「なにがあったの?2人ともやばいよ!」


「勇者に勧誘されたの!」


ああ、まさにその話をしにきたんだけど、もう耳に。それにしても怒りが・・。


「私達が!」 プツンと僕の中で糸の切れる音がした。


「ふっふふ・・、そうかそうか。よかろう、ならば戦争だ!」


僕は執務室から飛び出そうと、全力で走りだす。


「ああー、カエデちゃんまで!まずいわシュリ、カエデちゃんを止めて!」

「殺っちゃう前にカエデちゃんを止めて!バート!」


執務室から飛び出る寸前に2人に取り押さえられた。小さい身体がうらめしい。


「チッ。」

「今、舌打ちしたわね。」


僕が動き出した事で、2人は我に返ったようだ。


「離して!勇者を海の底に沈めてくる!」

「だめだ、海が汚れる。」

「ならば、寄り木の肥やしに!」

「埋めるのは、もっとだめだ。」


「カエデちゃん、冷静に!熱くなれば相手の思うつぼよ!」 たしかに・・。


「ふう、大丈夫です。落ち着きました、説明お願いします。」


「エルシア国の勇者が、ダンジョンにきている事は?」


「はい、先程レイさん達から聞きました。レイさん達も勧誘されたそうです。

 断っているにもかかわらず、ガーネットに話をつけてやると息巻いていた

 そうですので、ギッタンギッタンにする許可を頂きにあがりました。」


「もう来たんだ。メイドを寄こせとな。」


僕は再びドアに向かって駆け出した。今度はマリア先生に捕まった。


「離して!今ならまだ側にいる、討伐の許可を!」


「だせる訳ないでしょ!相手は魔剣アスカロンを持った、正真正銘の勇者よ!」


「しかも『魅了』を使うのよ!」 なに?


「落ち着け、カエデ。最後まで話を聞け。」


おまえが言うな、という突っ込みは呑みこんで。


「わかりました。」


「その話をしている時に、たまたまマリアとボタンがここに来た。そして

 2人を見て、こいつらも寄こせと言ってきた。」


「あほか・・。」


「もちろん、メイド達も2人もきっぱりお断りした。そしたら奴は『魅了』を

 使って2人に言う事をきかせようとした。」


「えっ!この場で?」


「そうだ。私とシュリは金縛りにあったように動けなくなった。」


「2人は?」


「それが私達も、朦朧としてきたんだけど、カエデちゃんからもらった杖が

 レジストしたの。」


「私は鉄扇がレジストしたわ。」ありがとう、マリアさんと紅葉。


「それで私達が魅了されない事を怒って、ダンジョンでスタンビートを

 起こすと言って去っていったわ。」


「2人はしばらく動けなくて、動けるようになったと思ったらあの状況よ。」


「なるほど、しかし『魅了』は禁忌のはずでは?」


「当然よ。エルシアはどうか知らないけど、この国では重罪よ。」


「つまり既に犯罪者という事だね。」


「そういう事になるわね。」


「ふふふ・・よかろう、ならば戦争だ!」


「ちょっとカエデちゃん、人の話を聞いてた?どんなクズでもゲスでも

 相手は勇者よ。」


「マリア先生、クズでゲスならそれはもう勇者とは呼べないよ。」


「そりゃそうだけど、実力は本物よ。」


「バート叔父さん、シュリ叔父さん。奴をギャフンと言わせる許可を。」


「考えがあるのか、カエデ?」


「はい、スタンビートを起こすというならそれに呑みこまれさせます。その

 どさくさに紛れて、奴の魔剣をぶっ壊します。おそらく『魅了』は魔剣の

 力です。」


本物の「魅了」はそんな甘いもんじゃないんだよ。「傾国」とも呼ばれ、男女

関係なく「魅了」されるんだ。金縛りなんて聞いた事がない。


「そしたら、暗部に拘束させてください。現行犯です。DMに頼んで録画 

 してもらいますから。」


「そんな事できるのか?魔剣を壊すなんて・・。」


「可能です。光学迷彩(改)でいっさいの気配を絶ち、これで壊します。」


僕はソードブレイカーを見せた。


「あら?植物の彫刻なんてあったかしら?」


「これはドライアドの加護です。」


「「えっ!」」


魔力を流して見せる、チュイ~ンと高周波ブレードに。


「これで魔剣をばらっばらにして、モンスターのせいにしちゃう。」


「やばいわね、カエデちゃん。」とマリア先生は笑った。


「時間がないので、すぐダンジョンに行きます。バート叔父さんはエルシアに

 損害賠償の準備をしてもらっていい?」


「もちろんだ。たっぷりミスリルを奪い取ってやろう。」メガネがキラリン。


「シュリ叔父さん、ダンジョンで魅了されてる人達を分断してほしい。」


「まかせろ!黒刀のデビューだ。」


「私達は?」


「留守番に決まってるでしょう。」


「「ブーブー。」」


さあ、勇者よ、覚悟しろ。あれ?魔王っぽい。

僕はすぐに転位し、ドミニクに事情を話し協力を要請する。


「おもしろそうじゃない、うちの子達を利用しようなんて、いい度胸ね。

 長官の留守中はDM代行よ。権限を使って遊んであげるわ。」


「頼むね。あとこれチョコレートケーキの試作。モニター見ながら食べて。」


「おいしそうね。」


食堂にシュリ叔父さんを迎えに行く。食堂は繋がってるからね。


「シュリ叔父さん!」


「おう、カエデ。打ち合わせは済んだのか?」


「うん。これつけて、認証阻害のお面を借りてきた。」


「お面って、ゴーレムじゃねーか・・。顔だけゴーレムって・・。」


「ゴーレムのフロアーで足止めしてほしいんだ。勇者はそのまま通して

 遺跡のフロアーでギッタンギッタンだよ。」


「殺りすぎんなよ。」


「わかってるよ。魔剣だけ壊すからあとは暗部の仕事。

 通れるように頼んでおいたから。」


「来たわよ。」 ドミニクからインカムで通信。


「了解。」ミッションスタートだ。


転位してゴーレムフロアーに。さて勇者君はっと、おじさんじゃん!


「勇者おじさん・・。」


「ププ・・。たしかにおっさんだな。」


「シュリ叔父さん、Aさんがいるよ・・。」


「胡蝶・・・。」 シュリ叔父さんは、頭を抱える。


「お願い!」


「おう!」黒刀ゴーレムが女性陣に襲いかかる、プププ・・。


勇者おじさんは、女性陣を置き去りにしてボスに攻撃する。

ボスはわかりやすく、コアを露出している。撃破ー。喜び勇んで次の

フロアーへ。そりゃそうだろう、ゴーレムは生物じゃないからね。

階段を駆け下り、ジャングルに。

魔剣アスカロンを掲げ「しもべ達よ、我に従え!」と叫ぶと魔剣が光る。

うはあ・・超ださい。獣型のモンスターがわんさか現れる。


「整列!」モンスターがきれいに並ぶ。


どうやってスタンビートを起こすんだ?階段狭いし・・となると転位魔法か。

魔剣を地面に刺した。広がるサーキッド、今だ!インカムでドミニクに連絡。

証拠映像もオーケー。


「了解。」


モンスターが目をハートにして、勇者おじさんに襲いかかる。モンスター達は

「魅了」によって発情期を迎えたのだ。人間ほど理性はない、欲求に忠実だ。


「なにをする!言う事を聞け!」


ドミニクによって書き換えられたプログラムだ。「魅了」を使えば使うほど

モンスター達は興奮していく。そろそろだ、違う意味で勇者が死ぬ。

マリンの剣に全力で魔力を注ぐ、ズィーンと今までにない音。大丈夫かな?

一発勝負だ。斑鳩流「月光一糸」ヒュンと風切り音がし、アスカロンが真っ二つ

に折れた。というか斬れた。光が消え沈黙するアスカロン。


「馬鹿な、アスカロンがあ、アスカロンが・・・。」


モンスターにもみくちゃにされながら、勇者おじさんは崩れ落ちた。

暗部のみなさ~ん、出番ですよ。

勇者おじさん、名前は知らんは拘束され連行された。ここからは

バート叔父さんの仕事だ。ミスリルが欲しいです。

斬れたアスカロンだが・・・。


「でてこいよ、見てただろヴァル。」


「気づいてたんだ。久しぶり楓。」


「久しぶり、じゃないよ。なんだよあのいかれた勇者。」


「本当に御免なさい。昔はあんなじゃなかったのよ。勇者の称号は

 剥奪するわ。」


「その方がいいよ。うちのマリア先生に加護をもらってるから貸しには

 しないさ。」


「マリア・・・。」


斬れたアスカロンを渡し、「直るかな?」


「大丈夫よ、時間はかかるけど。」


「月詠とアテナとたまには食事にこいよ。」


「わかったわ、お詫びもしたいしね。」


「それじゃ、またね。」


僕は階段を昇り、黒刀ゴーレムを迎えにいった。


「シュリ叔父さん!」


「終わったようだな。こっちの魅了が解けたからな。」


「うん。アスカロンは斬ったよ。ヴァル様が回収していったけど。」


「へっ!ヴァル?ヴァルってあのヴァル様か?」


「そうだね、武神ヴァルだよ。今度、食堂に来るって。」


「・・・まじか?」


「まじで。」


僕達は一度、本部に戻り、シュリ叔父さんは厨房へ。なんかシュール。


「ありがとう、ドミニク。」


「いやいや、はっきりいって爆笑してたわ。映像はカモナさんにダウンロード

 したから、いつでも見れるわよ。」


「シュリ叔父さんが夕食は、腕にのりをかけて作るって言ってたから

 ちゃんと食べてね。」


「それは楽しみね。」


「またくるよ。じゃあ。」


「ええ、待ってるわ。」









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。