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GENTLE LIFE  作者: 一聖
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SNOWFIELD

「キャロル、キャロルー。」


「いらっしゃいませ、カエデ様。」


「防寒具が欲しいのだけど。」


「防寒具ですか・・今の季節は難しいですね。いや、ちょっと待って下さい。

 たしか、倉庫に・・・。」


持ってきてくれたのは、上下真っ白なフィンランド軍っぽい雪迷彩だ。

ちゃんと子供サイズ。


「これは冒険者家族が、雪国に遠征に行く時に作ったものですが、発注ミスが

 あって、1着余ったものです。」 ファーまで白いよ。


「いいね、これ。でも、お高いんでしょう?」


「デル君と封魔ブレスが売れに売れてるカエデ様のおっしゃる言葉とは

 思えませんが・・・。」


「それはそれ、これはこれ。」


「まあ、カエデ様のお陰で、この店も来週から拡張工事です。お礼といっては

 少々しょっぱいですが、差し上げますよ。」


「おお、ありがとう。ついでに白いグローブとブーツもお願い。

 それは、ちゃんと払うよ。」


「ありがとうございます。」


僕は雪原セットを抱え、ホクホクで屋敷に帰った。部屋に戻ると小梅達が腹出して

寝てた。


「鍛錬、終わったの?」

「終わった。」

「疲れましたあ~。」

「コウヤは鬼だ。」 鵺だけどね・・・。

「夕食まで時間あるから、少し休んでて。」


僕はもらった防寒具の内側に、発熱のサーキットを仕込む。これでホカホカだ。

ダンジョンではIAを使うため、実弾銃、蜻蛉、桜花の剣、マリンの剣の出番は

ない。マリア先生に剣が進化してる事、伝えないとな。正直、こんなに武具が

あってもしょうがないと思うが、半分は趣味だから使う場面が無い方がいい。

父さん達が帝都でやってる事とか、この前の他国のSランク君とか世界では

いろいろ起こってるんだろう。だが、すべてスルーだ。

今、僕の頭の中は夕食の事でいっぱいだ。カツ丼食いたい。あるかな?

なけりゃ、自分でつくろう。小梅達を起こし、食堂へ。

カツ丼はあった、しかも激ウマ。小梅達もお子様ランチと迷ってたがカツ丼に。

早めの時間だったので、人もまばら。従魔会はもっと後かな。

僕達はカツ丼を満喫し、部屋に戻って一休みしてお風呂へ。3人は湯船に腹出して

浮かんでいる。いいな、僕も腹出して浮かんでみる、気持ちいい。平和でござる。

風呂上りには冷たいコーヒー牛乳だ。


「小梅、明日は雪原ダンジョンだけど、防寒具とか平気?必要だったら商店街に

 寄っていくけど?」

「平気。」

「了解。明日に備えて早く寝よう。」


朝いつも通り、みんな腹出して寝ていた。

ランニングを短めにして、桜花の剣とマリンの剣で素振り。マリンの剣は重く、

高周波ブレードを発動しながらだと、うまく振れない。要練習。

逆に桜花の剣は軽すぎる、こちらも要練習。

小梅は時ポ。イチとニイは成獣化の練習。ひと汗かいて朝食だ。

3つの祠にはきちんと手を合わせている。


カリカリベーコンと目玉焼き、クラムチャウダー、トーストを僕は取り、

イチは僕と同じもの、可愛い奴め。

小梅とニイは和食を取って、レイさん達のテーブルへ。


「おはよう、今朝は人が少ないね。」


「バート様たちがそれぞれ行動を起こしたので、それに伴って皆

 動きだしました。」


「ああ・・そういう事。大変だねえ。」


「人事・・・。」 だって、春日部。


「まあ、僕達は僕達のやるべき事をやろう。」


「それは?」


「朝食をしっかりと食べる。」


食べながらメイドさん達の事を聞いた。しっかりとディビジョン制がとられており

それぞれに専属の人達が付きサポートしてるそうだ。


「そうなんだ。で、僕担当がレイさんのチームとリリーさんのチームなわけだ。」


「そうです。カエデ課は少ないですね。」


「仕事してるわけではないからねえ。」


ふと子供達を見ると、小梅が2人の面倒を見ている。

2人に「小梅姉様。」と呼ばれ、満更ではないようだ。


食べ終わり、コーヒーを飲みながら朝礼をする。


「さて、カエデ課はどういう予定を立てた?」


「はい、メイド長には基本の仕事をしたうえでと条件はつきましたが、オーケー

 はもらいましたので、早速、今日からダンジョンに行きます。」


「レイと2人でとも考えていたんですけど、基本業務の中に下の育成というのも

 あって、チームで別れてアタックします。」


「なるほど、頻度は?」


「週2回程でしょうか。」


「了解。ドロップ品はチームで均等に分けてね。それと、ボス戦はできるだけ

 2チーム合同で当たるように。ダンジョンの外の様子もたまに報告して。

 ポーションは多めに持って、けっして無理はしないようにね。」


「わかりました。」


「僕は予定がなければ10日に一度くらい行く予定だよ。造船の都合によるけど。

 今日は久しぶりに行くよ、お土産渡したいし。」


今日の予定を確認して解散。去り際に、そっと小声で


「イチ、ニイ。みんなを守ってあげて。」

「はい~。」

「うむ。」


部屋に戻り防寒具に、ゴーグルは忘れない。今日はシノさんの出番が多そうだ。


「小梅、行こうか。」

「うん。」


あの冷たい扉の前に、転位。なんか、すごくひさしぶりな感じ。

扉を開けると冷気が顔にかかる。おお・・さび~。防寒具のサーキットに魔力を

流す、おお、暖かい。小梅が中に潜りこんできた。


「やっぱ寒い。」僕の首の下から顔を出した。可愛いからオーケー。


雪原に入った。一面真っ白だ、高低差もわかりにくい。これは、なかなか・・。

遠くに雪のない山が見える、あれが、ゴールかな。とりあえず、あれに向かって

進もう。途中、雪系のモンスターが襲ってくるだろう。

モニタリングのため、そのまま進む。


「デル君。」

「イエス、マスター。」


「夕霧。」

「はい、主。」


「なんか、来る。」


目を凝らすが、全体が白いのでよくわからん。だが、気配でわかる。


「炎弾。」 ドンッ、ドンッ。2発命中。


近寄って見ると、大きな雪豹だった。目でさがすとわかんないな、

ドミニク鬼畜の件。その後、何度か雪豹とバトル。数が増えてきた。小梅も

参戦しだしたので、問題はない。しかし、吹雪いてきた。

激しくなってきたし、昼頃だと思うから休憩にしよう。アースコントロール

でかまくらを作り、中に入ってそのままカモナへ。


「カモナ、モニターオンにして、結界お願い。」

「かしこまりました。」

「昼はパンケーキでいい?」

「うん。」


部屋は適温で管理されている。防寒具を脱いで乾かす。


「ふぅ、結構きついフロアーだね。」

「視覚が使えない。」

「気配察知の練習になるよ。」


パンケーキにパテと野菜とチーズを挟んで、ハンバーガー風に。あとコーヒーも。

いただきます。


「ウマウマ。」


バンズもいいけど、これはこれでいい。ドミニクの分も作っておこう。

コーヒーを飲みながらモニターを見る。


「カモナ、生命反応ある?」

「はい。クマ系のモンスターとゴーレムですね。」

「小梅、クマ系やってみる?」

「うん。」

「じゃあ、僕はゴーレムを狙撃してみるよ。コアを探せるか試したいし。

 時間的には、その後のボス戦は無理かな。」


このフロアーが、思っていたより広くて日帰りはむずかしいかも。雪原での野営は

大変だぞ、冒険者諸君!拡張型テントの販売をDMにおすすめしよう。高いけど。

吹雪きが止んできた、砂嵐と同じパターンかな?んっ!結界に白い熊がかじり

ついている。白熊ではなく白いグリズリーだ。こいつやばいな、吹雪きの中

襲ってくるんだ・・・。


「小梅、大丈夫?なんか、強そうだけど・・。」

「問題ない。」成獣化して、やる気マンマン。

「やばそうだったら、結界の中に戻って。」

「うん。」小梅が白グリに向かっていった。


僕もゴーレムを探そう。かまくらの上に上り見回す。いた!ちょ、ちょっと

でかすぎない?再生もしそうだ。


「シノさん。」

「イエス。マイロード。」

「FJ弾。」

「イエス、マイロード。FJアクティベイト。」


スコープを覗いてコアを探す。はっきりとはわからないけど、なんとなくわかる。


ドンッ。パッキーン。えっ!弾いた!雪なのにすげえ硬てー。気付かれた!

こっちに向かってくる。まずい!小梅の邪魔にならないようにしないと・・。


「シノさん、デル君コンバイン。」

「イエス、マイロード。デル君コンバイン。」

「炎弾!」

「イエス、マイロード。FBアクティベイト。」


ドンッという音をおいて、青い炎の弾丸が錐もみしながらコアを貫く。

ふぅ、あせったよ・・。小梅は?

あれ?雪がない。そうか、小梅は気候を操れるんだった。雷ではなくクナイで

戦っている。白グリの攻撃は桜花の結界で防ぎ、時ポを使って至近距離からの

投擲か・・えぐいっす!小梅さん!

これで新しいクナイが、高周波ブレード化したら無敵じゃないですか?

勝負ありだな。

ズズンと白グリが倒れた。子猫に戻った小梅とハイタッチ。

コアを回収して本部へレッツゴー、転位。


久しぶりの本部。受付嬢に神居のお土産を大量に渡し、開発室へ。


「ドミニク、久しぶり!」


「あら、カエデじゃない、久しぶり。」あれ?元気そうだな。


「どうしたの?不思議そうな顔をして?」


「いや、なんか元気そうだなって思って。」


「長官が食堂を新しくしてくれて、3食ちゃんと食べるようになったのよ。

 カエデの叔父さんが監修していて、キッチンが繋がってるらしいわよ。」


「えっ!シュリ叔父さんが?成る程、それは良かった。じゃあ、僕と同じ物が

 食べれるんだね。」


「そういう事。」


すげえな、シュリ叔父さん。神の料理人だけでなく、ダンジョンの料理人でも

あるんだ。やっぱり、世界最強の武器は料理だな。


「これ、神居のお土産。」


「んっ、コマ?これは・・ジャイロ?」


「そうだよ、こういう物の方がドミニクは喜ぶと思ってさ。」


「ふむふむ・・成る程、これは使えるわね。ありがとう。」


「それと、神居酒。飲みすぎないでね。」


「おお・・日本酒っぽいやつね。日本酒は好きよ。」


「雪原ダンジョンに行ってきたよ。」


「あそこね・・どうだった?」


「ドミニク、鬼畜って感じかな。」


「フフフ。そうでしょう。」


「今日はボスまでたどり着けなかったよ。広すぎて1日じゃ無理だね。」


「当然よ。あそこは雪の中で、いかに野営をしていかにモンスターと戦うかを

 問われるフロアーよ。」


「やっぱり・・。だとすると、ダンジョンの街の商店街で防寒具と空間拡張型の

 テントを販売するといいよ。」


「確かにそうね。長官に伝えておくわ。」


「長官は?」


「長官は、DM会議に行ってるわ。」


「そんなの、あるんだ?」


「ダンジョンはたくさんあるから。神居にもあったはずよ。」


「そうなんだ。機会があれば行ってみるよ。冒険者達はどうだい?」


「ゴーレムフロアーはもう少しで攻略できそうね。勇者のパーティが参加して

 てね、やっぱり強いわねえ。」


「そっかあ、勇者が・・。追いつかれちゃうな。別に構わないけど。」


「次の遺跡フロアーは簡単に攻略できないわよ。」


「それもそうか。」はっはっはっ、と2人で笑いあう。


「銃の調子はどう?メンテするけど?」


「メンテは大丈夫なんだけど、銀弾のシリンダーがもう1個あると助かる。

 ワーウルフがいてね有効だった、たぶん、吸血鬼もいるし。」


「あるわよ、実は私も練習を始めたの。マテバのシルバーを作ったのよ。」


「やっぱりマテバはいいよね、もちろんグレイスのようなブレイクオープンタイプ

 も好きだけど。」


「フフフ。マニアックね。」


好きなだけ持ってってと言われたけど、銀と黒を1個づつもらう。

ドロップを提出し、少し気になった事を伝え、ギャラをもらっておいとまする。

今度、銃を教える約束もした。


「じゃあ、また来るよ。」


「ええ、待ってるわ。」と言ってハグされた。おお・・巨乳・・。


まわりに巨乳が多いよな、春日部以外。コウヤも巨乳だったし・・。

がんばれ、春日部。貧乳回避はできるだろう・・。

面倒なのでドミニクの所からそのまま転位。あれ?来る時もこれでいいんじゃね?


自室に戻り、普段着に。夕食まで小梅と次回の作戦会議をする。


「光彩(改)で一気にボスの所へ行きたいよね。」

「うん。」

「成獣化して僕を乗せて、雪道いけるかな?」

「問題ない。」

「了解。じゃ次回はそれでいこう。」


あっ、ミスリルの事を聞くの忘れてた。まあ次回でいいか。エンジンが先だし。

小梅を肩に乗せて食堂へ。僕はローストビーフ丼にオニオンスープ。小梅は

ビーフシチューにガーリックトースト、なんか渋い。

レイさんもリリーさんもいないな。イチとニイがついてるから滅多な事は

ないだろうけど・・・。


「小梅、イチとニイと念話できる?」

「できる。」


ならなんかあったら、小梅に連絡が来るだろう。ゆっくり、食事をとり

コーヒーを飲んで、自室へ戻る。


「カモナ、射撃場を。」

「かしこまりました。」


新しい銀弾のシリンダーを試す事にした。マテバもグレイスもシリンダーは

ノンフルートだ。これがまた渋カッコイイ、マニアックだけど・・。

小梅はプリンを食べながら、僕の射撃を見ている。

全弾、同じ所へ、6発撃っても穴はひとつだ。

「見事。」小梅にほめられちっちー。

今度、モンブランを作ってあげよう。栗いっぱいあるし。

銀弾シリンダーは問題なしっと。


「小梅、風呂いこう。」

「うん。」


僕達は、腹を出してプカプカ浮かんだり(やばい、この浮遊感は癖になる)

泳いだり(浴槽はプールサイズだ)して、のぼせ気味で風呂から上がる。

冷たいコーヒー牛乳をのんで、おやすみなさい。









 




















 


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