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GENTLE LIFE  作者: 一聖
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28/322

RAID

朝、いつも通りのルーティンをこなし、朝食の時シュリ叔父さんから、

ビーフシチューを寸胴ごと渡され、皆で食べよとの事。


「ありがとう、行ってきます。」


「おう!がんばれ!」


部屋に戻り、一応着替えて、別に戦闘をするわけではないが、なんとなく。

時間が余れば、銃の試し撃ちしたいし。


「小梅の新必殺技は、もう思いついてるから仕事が終わったら教えるね。」

「わかった。」


忘れ物はないな、バート叔父さんの[ザ・デストロイ]も持ったし。


「行こうか。」

「うん。」


小梅を肩に乗せて、転位。受付嬢にそのむねを伝え、栗きんとんを大量に渡し

開発室へ。


「おはよう、ドミニク。」


「おはよう、今日は特尉って呼んだほうがいいかしら?」


「いや、カエデでいいよ。」


「じゃあ、説明するわね。モニターは12面、超小型ドローンで網羅していて

 死角はないわ。コントロールパネルは、ゴーレムの特性で色分けしていて

 例えば、イエローは小型のボムゴーレムよ。部隊の編成はアイコンを指で

 動かして。戦闘が始まってからの指揮はマイクで指示をだして。」


「了解した。まず部隊編成をする。」 見ていたドミニクが。


「さすがカエデというか、なんていうか、えげつないわね。」


「これでも最初に立てた作戦よりも、ずいぶん下方修正したんだよ。」


[ザ・デストロイ]を確認し編制終了。これで、いつでも戦える。小梅は

ドミニクが用意してくれていたクッションで寝てる。優雅な小梅もまた良し。


「屋敷からビーフシチューをたくさんもらってきたから、あとワインも。

 終わったら食べようよ。」


「それは楽しみね。あっ、来たわよ。」


「了解、ミッションスタートだ、1番隊、2番隊は指示があるまで待機。3番隊

 イエロー予定地点で地面に潜れ。同じくレッド、グリーンは3M間隔で並べ、

 前をグリーン、後ろにレッドで。レッドの射出角45°、グリーンは20°で

 待機。同じくブルー、予定地点へ移動し岩に擬態。指示があるまで待機。」


ふぅ、こんな所か。あとはレイドの方が動きだしてからだな。モニターを注視

しながら、


「なあ、ドミニク。」


「なに?」


「こう言ってはなんだけど冒険者って、装備で職業がばればれってどうなんだ?」


「確かに・・私も思うところはあるけど、モンスターは装備で襲うとか襲わない

 とかないしね・・。」


「まあ、そうだな。軍服って考えられてるよな・・。」


「そうね・・。私は白衣だしね。」


などと、やくたいもない会話をしていると冒険者達が動き出した。推測通り

ロッソさんを先頭に「うお~。」とか言って、突っ込んで来る。AS4は・・

これも推測通り、本体とは別に回り込んでくる動きをしている。


「3番隊グリーン、ロケットパンチ発射!レッド、炎弾発射!弾幕を張れ。」


タンクの人達が盾を構えて前に出てきた、あれじゃ前が見えないだろうに・・。


「工兵アクティベイト、3番隊イエローの3m手前に深さ2M、幅20Mで溝を

 掘れ、2番隊アクティベイト!2番隊イエロー、AS4にとりつけ!よし!

 全隊へ、AS4のタグ付け完了。指示があるまでスルーしろ。

 残りの2番隊イエロー、後方ローブを着た奴に突撃!3番隊ブルー左右から

 突撃!」


チュド~ン、チュド~ンと魔法師達が次々と消えていく、紙装甲だもんな・・。

後ろの爆発にあおられ、前にでてくるスピードが上がる。


「1番隊はそのまま。2番隊レッド、グリーン、ブルー後方に整列!逃げてくる

 奴らを狩れ!」 タンクがどんどん豪に落ちていく。


「4番隊アクティベイト!4番隊グリーン、豪へロケットパンチ発射!」


盾もどんどん消えていく。なんとか豪を乗り越えてきたのは剣士と拳闘士の

人達かな?これもまた、装備がうっすい。


「3番隊イエロー、地雷起爆!」チュッド~ンとほぼ全滅。


おっ、さすがロッソさん。ボロボロだけど生きてる。よし、ロッソさんとAS4の

見せ場を作るぞ。


「ボス、近衛アクティベイト!抜けてきた奴らと対マンだ!」


さすがAランク、近衛よりもやや強い。おや?妖刀使いがいる!ズーム。

あちゃ~、飲み込まれてるよあの女の人。ちと、まずいな。


「AS4にとりついているイエロー起爆!近衛4を転送!」


チュド~ン。と同時に近衛が消える。これで相討ちに見えるだろう。

さあ、いよいよラストバトル。ロッソVSロックボス。

ロッソさんはボロボロで、肩で息をしている。しかし、目は死んではいない。

あんた、漢だよ・・・。

ウォ~と言いながらボスに斬りかかる。ボスもヌォ~と言いながらパンチを

繰り出す。クロスカウンターか?いや、剣と拳がぶつかる。

あっ、剣が折れた!パンチがロッソさんに当たりすっ飛んでいく、だが目は死んで

ない。ボスは、親指をたて口パクで「いいもん、もってるな。フッ。」

ロッソさんも親指をたて、「おまえもな、フッ。」と笑いながら消えた。

ジ・エンド・・。友情?友情なの?

小梅、ドミニクといつの間にかの長官も大爆笑だ。僕はゴーレム達に声を掛ける。


「完全勝利だ!」 ゴーレム達は、腕を天高く突き上げる。


ここで重要なのは、冒険者達は誰も死んでないし怪我もしていないという事だ。

30階でドミニクの操作により、31階が仮想空間化していたのだ。報酬もでる。

ゲームだな、こりゃ・・。


庭に出てちょっと遅めのランチタイムだ。


「カモナ、パンできてる?」


「はい、できております。」


ビーフシチュー、焼き立てのパン、サラダ、ワイン、パンチェッタがメニューだ。

長官も含め、みんなでランチ。


「さすが、シュリ。うまいな。」


「この焼き立てのパンの、こおばしさがなんとも・・。」


「ウマウマ。」 しばし、食べるのに集中。


「見事な指揮だった。」


「確かに、冒険者達の見せ場もあったわ。訓練してまた挑んでくれそうね。」


「ほとんどバート叔父さんの、作戦ですけどね。」


そう言って、[ザ・デストロイ]を見せる。


「さすがはバートだ。実に巧妙でいやらしい壊滅作戦だ。」


「ゴーレム達も学習できたし、いい感じになるわよ。」


「話は違いますが今度、神居に行ってきます。」


「神居というと、ジャパンによく似た国だな。」


「小梅の両親と僕の祖父母に会ってきます。戻り次第、雪原フロアーに

 アタックします。」


「わかった、よい旅を。」 長官は仕事に戻った。


「カモナ、コーヒーを。」


「かしこまりました、小梅様はミルクと砂糖をたっぷりで?」


「うん。」


「ドミニク様、いかがされますか?」


「私はブラックでいいわよ。」


「かしこまりました。」


「すごいわねえ、執事がいるみたい。」


「そうだね、レベルが上がったら本当に執事のアバターが出てくるよ。」


「ほへぇ~、是非会いたいわ。」


「ねぇ、ドミニク、銃の試射ができる所ない?」


「それならこの庭で、できるわよ。私の管轄内だし見たいわ。」


庭に出てドミニクが指を鳴らすと、的がでてきた。


「ありがとう。」


まずはグレイスの銃から、身体強化をしてっと。ダブルアクションで6発全て

撃ってみる。思ったよりも反動が少ない。すばやくシリンダーを交換して、

また撃つ。すごいわ、これ。なじむ。僕は実在銃より架空銃の方が、性に

合ってるのかな?次はマテバを試す。こちらもすごい。成長を待たなくても

普通に使える。リボルバーの交換もスムーズにできた。デル君封印中は

これを使おう。


「いや~、ドミニク。すごいよ、これ!長年使ってる感じ。」


「すごいのは、カエデよ。マトに穴がひとつしかないじゃない。7歳ボディの

 君がロングスライドを巧みに操るのは違和感しかないけど。」


「そうだよね、使うのは時と場合を考えるよ。じゃ、戻るね、また、何か

 作ってもってくるよ。」


「ええ、待ってるわ。」 と言って腕を広げた。


僕達はハグをして別れた、ウホッ!巨乳!


「私は、ショタ好きになってしまったのかしら・・。」とぶつぶつ。


転位。自室に戻った。ふぅ、なんだかんだと疲れたな、少し休もう。

着替えてベットで横になる。小梅も定位置にきて腹をだす。それにしても

あの妖刀に憑りつかれた人は大丈夫かな?バート叔父さんに報告して、

主人公っぽい人になんとかしてもらおう。そうしよう。

リリーさんが呼びにくるまで、僕達は熟睡してたようだ。さあ、夕食という

報告会に挑もう。


食堂に着くと既に皆そろっていて、こちらを見ている。う~ん、緊張するよね。

とりあえず、自分の席についてバート叔父さんに親指を立てる。


「うむ。」 とうなずいて満足気に食事を始める。


スキ焼きだ!取り皿に、小梅の食べたいものを聞いて、取り渡す。


「ウマウマ。」


舌鼓をうち、満足するまで黙って食べる、フゥ、お茶を飲んで食休み。そして


「報告します。VSレイドは作戦通りに事が進み、冒険者の皆さんを

 壊滅させました。Aランクの冒険者の皆さんにも、見せ場を作り

 ましたので・・。特にロッソさんの単独でのボス戦は目を見張る物があり

 なにやらボスとの間に友情すら芽生えたようです。」


「友情?ロッソの奴、何をやってるんだ?」


「イレギュラーな事はなかったのか?」


「はっ、ひとつ気になる事がありました。助っ人Aランク4人の内の一人が

 妖刀を使用していたのですが、呑みこまれているようでした。」


「なに!それはまずいな。マリア、暗部を走らせてくれ。ギルドマスターに

 伝える。妖刀を使っていた奴の名前はわかるか?」

 

「はっ、たしか『胡蝶』だったと思います。」今度はシュリ叔父さんが


「何!」


「知り合いか?」


「知り合いというか、同郷だな。神居出身だ、ちょっと様子を見てくる。」


「頼む。」シュリ叔父さんが飛び出していった。


「それで、カエデ。手ごたえというか感想はあるか?」


「はい。手ごたえとしては、戦略が全てツボにはまりましたので・・。Aランクの

 4名が想定以上でした。あらかじめ、ボムゴーレムが取り付いていましたので

 最終的には起爆させ、近衛ゴーレムを転位させる事で相討ちっぽく演出

 しました。今回の作戦の肝は、やはりボムゴーレムでした。」


「そうだな、私もそう思う。ボムがなければもっと接戦になっていたな。」


「DMもその辺は、調整するとの事でした。」


「そのほうがいいだろう、なんにせよ大勝利だ。よくやった。」


ほめられちっちー。妖刀の事は気になるが、主人公っぽい人と大人達がなんとか

するだろう。僕達は部屋に戻り、小梅の新必殺技の研究を始める。


「ではただ今より、小梅新必殺技の開発を行いまっす。」

「パチパチ。」

「権じいが言っていた、時空魔法を利用します。小梅は今まで、雷や氷を飛ばして

 たけど、両方とも真っ直ぐにしか飛ばないから、フェンリルみたいな動きの速い

 敵にはよけられてしまう。」

「うん。」

「なので、時空魔法でいろんな所から発射できるようにします。」

「?」

「実際にやってみるから見てて。」


僕は小さい水球を出して浮かせる。フヨフヨと移動させ小梅の前に持っていって

時空ポケットに入れた。そして、ポケット自体を少し離れた所に移動させポケット

をだすと、そこから水球が飛び出てきた。簡単にいうと対象物のショート転位で

ある。理屈としては、座標指定とかいろいろあるけど、そこは野生の勘で。

じーっと見ていた小梅は「わかった、なるほどな。」と、さすが神獣。


「今のは水球だけど、これを雷や氷でやる。時空ポケットを同時に何個か

 使えれば、極悪武器まちがいなし。」


んっ!これは僕にとっても神楽での武器になるのでは?これを銃やデル君で

使ったら・・。しかも光彩(改)を使いながら・・。完全にスゴ腕の暗殺者だ。

しかし、背に腹はかえられない。よし、練習しよう。

小梅もなんかぶつぶつ言ってる。


「できる。」 そう言って、ポケットをいきなり3個だした。

「へっ!」 すげえな、小梅。


僕達は寝るまで、練習を続けた。さらば、スローライフ。













 



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