SIGN
昨日はさんざんな目にあった。
デル君もシノさんも封印だ。夕霧も封印中。とは言え別に取り上げられている訳
ではない。アイテムボックスに入っている。緊急時はもちろん使う。
今日の午前中は、剣と短槍の稽古だ。朝のルーティンをこなして、朝食を食べ
道場までランニングで行く。
「お早うございます。」
今は夕霧ではなく、道場の木剣と棒を使っている。まずは素振り。それにしても
普通ってむずい。現時点で、叔父さん達にはそう思ってもらってないな。だが、
ロマンも止められない、欲しい銃が二丁ほどある。これは大人になるまで我慢
するか・・・。それに、おそらく僕の知らない所で、いろいろ事件が起こって
いるのを大人達が、解決してるようだ。感謝しかない。
「カエデちゃん、お早う。」 マリア先生が来た。
「昨日はすんませんでした。以後、普通の7歳児でいれるよう努力します。」
「フフフ・・。まあ、でたらめな威力だったわねえ。」
「本当に反省しています。普通ってまじ難しいです。」
「そうくさらないで。カエデちゃんは魔剣・魔槍の事は知ってる?」
「本で読んだ程度ですが、簡単に言うと妖刀の剣・槍バージョンすかね。」
「そういう事ね。IAは元々、人工的に魔剣や魔槍を作ろうとした産物ね。
現存してるオリジナルは、数が少ないしほとんどは国宝として各国が
管理してるわね。」
僕の「箱庭」でも何本か、管理している。「勇者」とか「英雄」の加護がないと
使えない。そして、威力が強すぎて使う場面がほとんどない。
マリア先生の言いたい事が、わかった。
「強すぎる力は国に管理、もしくは縛られる。」
「ジレンマよ。自身を守れる位は強くなってほしい。でも、強くなりすぎると
目を付けられて自由に動けなくなる。」
「IAを使うのは裏で、表ではIAを使わない鍛錬をするって感じすかね。」
「IA達には悪いけど、今はそうしてもらうしかないわね。」
「了解です。」
IA達の為にDMとの交渉は必須。ストレスはかわいそうだ。
短槍はだいぶ感覚が戻ってきた。「箱庭」にある魔槍をたまに使ってたからな。
なぜか、剣はダメダメなのだが・・・。短槍はマリア先生にほめられちっちー。
ほめられて伸びるカエデだ。
「ありがとうございました。」
帰りは、「キャロル、キャロルー」
「いらっしゃいませ、カエデ様。」
「昨日はさんざんだったけど、キャロルとロバートさんは、バート叔父さんと
うまくやってね。」
「わかりました。カエデ様の取り分は変わらないそうなので安心しました。」
「そうなの?なんかラッキー。路銀にするね。」
「ロバートも、燃えていますよ。」
「よかった、まだ相談したい事もあるし。」
「えっ・・まじですか・・。わかりました。」
そういってロバートさんの家の方角に合掌した。
屋敷に戻る途中、屋台でサンドイッチを買い小梅と分け合って食べる。
食べ過ぎるとシュリ叔父さんの昼食がたべられなくなるからね。
「尾行。」
「そうだね、面倒だからまいちゃおう。」
小梅を頭に乗せて、「朧」発動。屋根の上を走って帰る。
無事に屋敷に戻り、「朧」解除。
「レイさん、途中でまいたけど、誰かにつけられてた。」
「わかりました。」
シュッとレイさんが消えた。忍者かよ!レイさんチームとリリーさんチームが
街に飛び出していった。「メイド隊、出動!」と心の中で言ってみる。
そっちはメイド隊に任せて、僕はおいしいランチを小梅と食べる。
「誰?」
「う~ん、予想はついてるけど今度の授業の時、バート叔父さんに聞くよ。」
午後からは庭で、剣とチャクラムの練習だ。さっきみたいに尾行されたり、
襲われたりした時はやっぱり戦う事もあるだろう。IAだと強力すぎる。
となると、セレクトできるのが剣とラムさんになるわけだ。今は木剣だが
早々に、業物の剣がほしい。マリア先生に鍛冶屋を紹介してもらおう。
そのマリア先生の動きを思い出しながらトレース。難しいな、でもできないから
ラムさん同様に楽しくなってきた。コツコツがんばろう。
次はラムさんだ。
「ラムさん。」
「イエス、マスター。」
「今日は二枚で練習するよ。」
「イエス、マスター。」
指から糸がでてラムさんと繋がるイメージ。元々、刀と銃を同時に使っていた
せいか1枚より2枚のほうが使い易い。これは発見だ。
しばし動かす練習をし、ラムさんにも褒められ気を良くし次の練習の時には
10枚でトライする事にした。一休みしていると、
「カア坊。」
おっ、待ち人がきた。枝切りばさみをもった軍服を着たおっさん。
「将軍。」
「久しぶりだな。ダンジョンに来たそうだな。」
「そうだよ。ってか『将軍』がDMだなんて知らなかったよ。
普通に庭師だと思ってた。」
「はっはっはっ、聞かれてなかったしな、それに庭師でも問題ない。」
「いろいろ相談したい事があってさ・・。」
「相談?ああ・・まあ、察するが・・。今日は庭の剪定をしてからシュリ夫妻と
夕食と思っておったし。よし、これをやるから明日の夜、わしの所へ来い。
ここでは話せん事の方が多いのでな。」
将軍はあのカードを僕にくれた。行くのはいいが、メイド隊にばれずにダンジョンまで
たどり着けるか・・。その旨を伝えると。
「そのカードでカア坊の部屋から直接、転位できるぞ。」
「おぉ・・転位魔法。」
「では、明日の夜に待っておるぞ。」
そう言って、剪定しに行ってしまった。どんだけ好きなんだ。




