BROWNIE
叔父さん達が居ないとなると、一応、警戒は必要か・・今回はメイド長だけでは
なく、爺ちゃんと婆ちゃん。それにコウヤもいる。前回より万全だ。
デザートも食べ終わり、解散。
僕は春さんを連れてアトリエへ行く。明日に備えて春さんの装備を作る。
まずは刀。確か鍔なしだったと記憶している。下緒は赤、銘は神刀「春風」。
サイズは実際に夕霧を持ってもらって調整した。
銃はオート9、ロボの警察のやつだ。重いかなと思ったが意外に春さんは力が
あって問題なかった。巫女服にオート9・・マニアックだな・・・。
ナイフはもちろんバヨネット。それとアイテムボックスが使えないという事
なので、ウエストバッグも作る。忘れてはいけないハートガードと結界の
アームレット。
「はい、春さん。」
「なんかそう簡単に頂いていいような物では・・全部から神気でてますし。」
「気にしないで、僕らの標準装備だから。」
「ありがとうございます。」
「刀術はどうしようか?今、学べるのは小梅達と同じ桜花流、僕の斑鳩流。
美月に頼んで、熊野流。これは居合術だね。」
「一応、九尾時代に使ってた刀術の記憶は少しあるんですが・・・。」
「確かに、やばいの使ってたね。九十九さんに聞いてみよう。」
「はい。」
「カモナ、みんなどこ?」
「訓練場に居ます。」
「了解。」 訓練場に行く。
「みんな、風呂に行こう。」
楽しく遊びながら入浴。驚いた事に春さんは水に変化できる。僕ですら
全くどこに居るかわからなかった。これ、玉藻に見つからないんじゃ・・。
そう思って聞いてみたら、玉藻と九十九さんには、なんとなくわかるらしい。
元は1人だもんな。
朝のルーテインをこなし、美味しい朝食を食べ庭のドックに集合。帝都に向け
出発だ。イド君は最後尾でなんかあった時のフォローだ。初フライトなので
無理はせずゆっくり飛ぶ。それでも6時間くらいで到着する予定だ。
爺ちゃんと婆ちゃんに後の事は任せ、全船空に舞い上がる。先頭はルドルフ、
バート夫妻だ。
「カモナ、イド君。なんかあったら教えて。」
「「かしこまりました。」」
6時間は有意義に使おう。僕はベル姉達の祝いの品を作る、拡張型の家だ。
そこそこの広さと機能を付ける。それぞれの部屋とキッチンとリビング、
あとトイレとお風呂を異空間に作る。ドアだけになるのでカモフラージュの
テントも用意する。IAは必要なら自分達で付けてね。
これがあればダンジョンでも、旅の途中でもゆっくり休める。うへぇ、魔力が・・
ひと休みしてお昼にしよう。リビングに行くと、諭吉が蕎麦をうっていた。
「昼は、牡蠣蕎麦の試食だ。」
おお・・それは楽しみだ。
「カモナ、異常はない?」
「はい、今の所は。先頭がルドルフから黒翔に替わったくらいです。」
「了解。ちょっと午前中に魔力を使い過ぎたから、蕎麦を食べたら森の部屋
で寝るよ。なんかあったら起こしてね。」
「かしこまりました。」
蕎麦ができた。いただきます!
「ウマウマ。」
「おいひ~。」
「うむ。」
「牡蠣がぷりぷりです。」
「蕎麦って美味しいんですね。」
これは燻製なみにヒットするのでは?
「諭吉、牡蠣って安定供給されるの?」
「いや、難しいな。この牡蠣は天然だ。保護の為、漁期が決まってる。」
「残念だな、目玉になると思ったんだけど。」
「季節感がでて、いいと思うがな。」
試食とはいえ、牡蠣蕎麦は大満足だった。デザートにミルクレープを食べ
森の部屋に移動。諭吉以外みんなきた。
「美月、諭吉は?」
「執事の修行だそうです。」
「あっ、そう・・・。」
さて、ハンモックで昼寝だ、魔力を回復させないと着いたらドック作りが待って
いる。叔父さん達のフライトも問題ないようだし、到着までぐっすりだ。
「そろそろ到着します。」 カモナに起こされた。
「了解、庭に着陸して。僕はドックを作るよ。」
「かしこまりました。」
「ボタン先生、ドックを作るよ。」
「了解、今降りるわ。」
あらかじめ父さんが整地してくれていた。これなら早くできる。
2人で穴を掘って壁を固める。
「小梅、水お願い。」
「わかった。」
ガーネットはアクアに頼んだが、霊水だからここではNG。
小梅に聞いたら余裕との事。
今後、水の交換が必要だが近くに湖があるらしく、そこから水路を引くとの事。
完成!2隻に着水の指示を出す。さすがIA、静かに着水。
「カエデ、お疲れだ。休んでくれ。我々は帝宮に挨拶に行ってくる。」
「了解。」
今のうちに帝都にあるイカルガの屋敷に行ってこよう。
どうなってるかな・・・。少し、気が重い。
「みんな、ちょっと屋敷の確認に行きたいんだけど付き合ってくれる?」
「屋敷?なんのだ?」
「僕の。」
「へっ?よくわからんが、お姉様達はまだ帰ってないようだし、いいぞ。」
ここから、そう遠くもないが子供がぞろぞろ歩くのも、目立ってしまう。
「カモナ、イド君。お願い。」
「「かしこまりました。」」
すぐ着いた。帝都のガーネットの屋敷の半分くらいの広さだ。
ここに結界はない、なぜなら・・・。
「お~い、ワイズー。僕だイカルガだ。」
ものすごい突風とともに1人の老婆が現れた。みんな驚いている。
「イカルガ様ー!って、誰だおまえ?」
「だからイカルガだって。」
「んなわけあるかい!イカルガ様はもっとダンディなお方じゃ、お前みたいな
チンチクリンな訳ないじゃろ!」
「んだとー!誰がチンチクリンで可愛いだー!あと、チンチクリンはこいつだ!」
諭吉を指さす。
「・・・たしかに。」
「んだとー!誰がチンチクリンでカッコイイだ!カエデより俺の方が
大きいんだぞ!3ミリ。」
「同じじゃないかい!はっ!さらにチンチクリンが5人!」
「んだとー!」 5人が一斉に成獣化。
「ぎゃー!怪獣大戦争ー!」
あかん、全く話がすすまん。僕は封魔ブレスをはずす。
「んっ?この魔力は・・。本当にイカルガ様なのですね・・・。さては、呪いの
木の実を食べましたな!」
そんなの、あるのー!初めて聞いた。
「ちがーう!事情を説明するから中へ。」
「わかりもうした。」
リビングに通された。ワイズは老婆の姿から女の人の姿に。
「みんな、紹介するね。ブラウニーのワイズ、この屋敷の管理を
任せてるんだ。」
「先ほどは失礼を。ブラウニーのワイズです、以後お見知りおきを。イカルガ様、
事情の説明をお願いします。」
転生から、今までの事を手短に話す。
「そんな事が・・、どおりでイカルガ様がいらっしゃらないはずです。」
「すまなかったね、ワイズ。」
「いえ、人の寿命は短いですから・・・。
それに転生なさっているではありませんか。」
「そうだね・・・。」
「私はイカルガ様の・・いえ、今はカエデ様ですね。覇権の為、日夜努力
してまいりました。」
「んっ、どういう事?」
「はい、帝都の土地と建物を買いまくり、今は不動産王ワイズと呼ばれて
おります。帝都の4分の1はカエデ様の物でございます。」
「なにしてんのー!」
「ほとんどアパート化しており、家賃でウハウハで軍資金もたんまり
溜まっております。」
「なに、このブラウニー、賃貸経営してるのー!僕は帝都を乗っ取る気は
ないからね。」
「そうなんです?まあ、始めてしまってますから今更止める訳にも
いきませんし、次はダルタニアに進出しようと考えていたところです。」
「もう・・・、そういうのは任せるよ。あこぎな事をしないなら
好きにやって。」
「承知しました。」
「当分はガーネットで、12歳になったら学園に通わないといけないから
帝都にくるよ。」
「フフフ・・・、覇権の時がもうそこまで・・・。」
「ここを秘密のアジトにしようと思ってさ。」
「アジト・・いい響きでございます。もちろん、すでに改造済みでございます。」
「嫌な予感しかしない・・・。」
「ロイド卿の屋敷とは地下通路で繋がっております。帝宮も含め帝都の主要な
場所には、全て地下を通って行けます。」
「なにしてんのー!いや、でも使えるぞ、移動で表を歩かなくて済む。
でかした!ワイズ!」
「おほめに預かり、光栄でございます。」
「こいつら・・やばい・・・。」
「やばやば。」
「やばいです~。」
「ふふ・・・。」
「はぁ・・。」
「学園に入る前にもちょくちょく来るから、よろしくね。」
「承知しました。皆様の個室を用意しておきます。」
「じゃあ、ガーネットの屋敷に戻るよ。早速、地下通路を使わせてもらう。」
「はい。どうぞこちらに。」 と地下に案内され、僕は膝を突いた。
「地下鉄じゃん・・・。」
「私が開発した魔導ムーブです。このコクーンに乗って魔力を流して頂ければ
1分でガーネットの屋敷です。」
「無駄に高性能ー!はぁ・・助かるよ、ありがとう。じゃあ、また来るね。」
「お待ちしております。」
「諭吉、魔力を流してみて。」
「わかった。」
流した瞬間、身体にGが。ヒュンといってトップスピードに。
「うわー!」
本当にあっという間。どこにでるんだ?
駅っぽい所の扉を開けると、屋敷の庭の木の陰にでた。成る程な・・・。
「便利だな。まあ、みんな内緒でよろしくー。小梅、スノさん帰ってる?」
「うん。一番大きい屋敷。」
「会いに行こう。」
「たのもー。」 メイドさん達が驚く。
「カ、カエデ様!いらっしゃいませ?」 なぜ疑問形。
リビングに通される。
「カエデちゃん!」 ベル姉に抱き締められる。ウホッ!
「父さんの船を届けにきたよ。あと、ドラゴンスレーヤーのお祝いも。」
「ありがとう!」
「ここじゃ出せないから、庭に行こう。」 アリ姉も華姉もでてくる。
「僕からは、持ち運べる家だよ。」
「家?」 出して見せる、見た目はただの扉だ。青い猫じゃないよ。
「扉を開けてみて。」 ベル姉が開ける。
「えっ!どういう事?玄関だわ。」
「ささ、入った入った。」
みんなで入って、まずリビングへ。なぜか諭吉が執事にはや替えをしていた。
「ここがリビング、魔導コンロも付いてるよ。あとその廊下を行くとそれぞれの
個室と客室。反対側の廊下を行くとトイレとお風呂があるから。」
「すごいわ、カエデちゃん!時空魔法をつかいこなせるのね!」
「まあ、そうだね。さっきの扉をテントの中で出せばここで寝泊まりできるから
ダンジョンとか遠征の時に使って、拡張したかったらIA化してね。」
「「「キャア~!」」」 3人にもみくちゃにされる。
「お嬢様方、お茶はいかがですか?」
「キャア~!、チビッ子執事よー!」 諭吉も3人にもみくちゃに。
あっ、喜んでる・・・。
「内装とかは好きにレイアウトしてね。」
「「「ありがとう!」」」
「カモナ、なんかケーキとかある?」
「はい、ミランダ様の新作を頂いております。」
「おお・・じゃあそれでお茶しよう。」
新作は木の実タルトだ、紅茶と頂く。カリカリしてて美味しい。
みんなも大喜びだ。戻ったらミランダさんに感想を伝えよう。
「で、どうなの?ドラゴンスレーヤーになった感じは?」
「そうねえ・・特殊個体という事もあって皇帝から勲章とかもらったわねえ。」
「あとは冒険者ランクが上がって、3人ともSランクになったわ。」
「ほぇ~、12歳でSランクかあ・・・。すごいねえ・・・。」
「いやいや、カエデちゃん達のお膳立てがあったからじゃない。」
「僕達はなにもしてないよ。なんにせよ、目標達成おめでとう。」
しばし、楽しく歓談。
「父さんの船を停めてくるね。」
さっき作ったばかりのドックへ行き、父さんの船を出す。これで運搬完了。
操作方法は叔父さん達に聞いてね。
あとは・・・。




