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ソラノつぶやき ~feel 1~  作者: 空野 翔


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5/8

名前もなく

ただ通り過ぎてゆく

それでも、風は確かにいた


その風はどこから来たのか

次はどこへ行くのか

それは誰もわからない

たぶん、あの風もわからない

次を決めてない

ただ、それだけだ


草が揺れたことが証拠で

髪が乱れたことが証拠で

頬が少し冷えたことが証拠だ


誰かの声を運んで

誰かの涙を乾かして

風はそのことを覚えていない


覚えていないから

また次の場所へ行ける

それが風の、やさしさかもしれない


触れたものすべてに

少しだけ力を渡して

跡も残さず、消えてゆく


それでいい、と

木の葉がひとつ

静かに落ちた


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