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山
動かないことを弱さだと思う人がいる
山はそれを聞いても何も言わない
嵐が来ても
雷が落ちても
ただそこにある
それが山の返事だ
春には雪を溶かして麓に水を送る
夏には木々を茂らせて影をつくる
秋には色を燃やして
冬には白く静まる
どの季節も
山は山のまま、変わらない
頂に立った人が「征服した」と言う
山はそれもやっぱり何も言わない
征服されたのか
受け入れてもらったのか
それを決めるのは
登った人じゃないのかもしれない
遠くから眺めるだけでも
なぜか背筋が伸びるのは
山が何かを静かに返してくれるからだ




