↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の人生は誰のもの?~運命の番なんてお断りです!~  作者: 結記
第5章『終わりへのカウントダウン』
63/71

5

「全ては、手筈通りに。」


 エリザベス(親友の姉)が発動させた魔法の痕跡。

 それを上書きするように、緻密な計算の下、描き足していくレノンバルト(親友)の魔法陣は思わず息を飲んでしまうほどに美しくて。


 こんな状況でなければずっと見ていたかった!


 と、嘆きたくなる気持ちを押し殺して、クルトは今もナメクジのように諦め悪く藻掻いている男(兄)へ拘束魔法を厳重に施していく。


 ……本来の予定よりも、三重程強く固くしてしまったけれど、他意は無い。うん、このくらいなら、これからすることへの支障もないだろうし、厳重であればあるほど良いだろうしね。この兄には。


(魔法陣の完成まで見届けれなかったからって、不満では無いんだよ。そう、不満なんか……抱いて……)


 頭を振りながら次に取り出したのは、指定魔力封印道具なるもの。

 端的に言えば、魔封じと呼ばれる魔法使い専用の枷である。


 ただこれは―――従来の魔封じに改良を重ねて、登録された人間の魔力だけを封じる。だけでなく、封印時に『鍵』として登録された魔力の持ち主であれば、封じられた対象者の魔力を扱うことが出来る機能も備え付けられているのだ。

 

(ただ、『鍵』には2種類の魔力……つまりは、最低でも二人の魔法使いが必要ってところだけが難点なんだけど……)


 魔力を扱うにも、枷に付けられた魔塵石※と同じもの―――つまりは、一つの塵石を綺麗に真っ二つ、もしくは人数分割った上で加工する必要がある―――を用意しないとと駄目だし……


 ちなみに今回は綺麗に真っ二つ割れたので、持てるのは『鍵』の内1人だけ。

 レノンバルトと話し合った結果、ブローチに埋め込んでクルトが管理することになった。


(……まぁ、逆に言えば、開錠しようにも『鍵』となった魔力が全て霄わないと駄目ってわけだし……装着時の面倒さと今後のことを比べたら、これもある意味の対策が一つになるのかなぁ……なんて。)


 パチリ。カチリ。

 一つづつ、丁寧に。

 間違えないように、慎重に。


 首に輪を回し、ベルトを締めていく。見た目よりも機能面を重要視してあるため、塵石を埋め込むための台座は首の後ろ。項より少し上のあたりに来るよう固定すれば、クルトがするべき下準備は完了だ。


 あとは、レノンバルトの準備が終わるのを待つのみである。


(……にしても、)


 本当に哀れな人だ。と、未だ彼女の名前を呼び続けているベネディクト(一応の兄)には、ある意味感服してしまう。もう、運命の番と言う繋がりが断たれてしまったと理解しているはずなのに、それでも絶えず求め続けるその心根は、執念かそれとも―――本当に、彼女をあいしていたからなのか。


(だとしても、あなたのそれは余りにも一方通行過ぎたから……せめて、)


 せめて……と思っては見たものの、その先が何一つ浮かばない。

 そもそも、出会いからして間違っていたんだから。


 と、軽く肩を竦めたクルトは、「やっぱり、救いようないね」と誰にも届かないぼやきをため息に込めて、一つ空気に溶かした。

※魔力が無くなった魔石のこと

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。