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前世安全管理者の異世界ホワイト戦記~死にたくないので安全部隊を作ったら、勘違いで不敗の魔導名将に。夜の放電メンテナンスを求められて困っています【R15】~  作者: トール
第六章:呪われた廃鉱山

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第049話:魔物ゲートの永久機関化(SDGs)と、地下ホワイト温泉リゾートの開掘

 


 大陸暦一二五五年、春の終わり。


 ゼーフェルト辺境伯領北部、かつて『呪われた廃鉱山』と呼ばれていたその場所は、ルディ・フォン・バウムガルトの圧倒的な安全衛生工学によって、わずか数週間のうちに「完全安全坑道(ホワイト鉱山)」へと劇的なカイゼンを遂げていた。


「ルディ様! 第二立坑の採掘、本日のノルマ(安全基準内)を達成しました! NATM工法のおかげで、天井の岩盤も絶対に崩れません!」


「新鮮な空気がダクトからバンバン入ってくるから、いくらツルハシを振っても全然疲れないよ! 安全第一、ヨシ!!」


 黄色い安全ヘルメットと防塵マスク、そして安全靴を身につけたアイラたちドワーフの少女たちが、汗だくになりながらも、健康的な笑顔で次々と魔力鉱石を掘り出していく。


 落盤や有毒ガスの恐怖ハザードから完全に解放された彼女たちは、ルディへの狂信的な愛を胸に、まるで坑道というステージで輝くアイドルグループのように、驚異的な作業効率で坑道を突き進んでいた。


 だが、プロの安全管理者であるルディの脳内スプレッドシートは、次なる『本命の危険源(最大ハザード)』の到達予測を弾き出していた。


「……よし。ディテクターの異常反応がピークに達している。アイラ、全員下がれ。ここから先は『特級危険区域レッドゾーン』だ」


 ルディがピカピカのハイブリッドダウンベストの襟を正し、先頭に立つ。


 アイラたちが退避したその奥――坑道の最深部の岩壁を、前線要塞から引き継いだ『エコ重機ブリザード・エイプ』がシャベルで打ち砕いた瞬間だった。


 ゴオォォォォォ……ッ!!!


 岩壁の向こうに開けた広大な地下空洞から、鼓膜を圧するような低い地鳴りと共に、禍々しい紫色の瘴気が噴き出してきた。


 そして、その空洞の中央には、空間そのものが歪み、どす黒い魔力を渦巻かせる巨大な『亀裂ポータル』が口を開けていた。


「ひぃっ!? あ、あれは……っ!」


 アイラが恐怖に震え、ルディの背中にしがみついた。


「あそこから……あそこから、魔物が無限に湧き出してくるんです! 前のブラック代官ゲルドの時は、あそこから這い出てきた魔物に、仲間が何人も食べられて……っ」


 ズズズ……、ガシャン、ガシャン!


 アイラの悲鳴に応えるかのように、紫色のゲートから、鋼のように硬い岩の皮膚を持つ『ロック・ゴーレム』や、大八車ほどの大きさを持つ凶暴な『ケーブ・アント(大顎蟻)』が、次々と無限に這い出してきた。


 獲物の匂い(熱源)を感知した魔物たちが、一斉にルディたちに向けて殺気を放つ。


「ルディ様! 危険です! 私の『黒鉄の警備』で、一匹残らずスクラップ(排除)いたします!」


 現場警備主任のヒルデが、大剣を構えて前に出ようとする。


 超高熱線魔術師のエルザも、「私の基準内熱線で、ゲートごと綺麗に焼却(5S)して差し上げますわ!」と指先に青白い光を点滅させた。


 だが、ルディは不敵な管理者スマイルを浮かべ、二人を手で制した。


「待て。ヒルデ、エルザ。お前たちは『モノの価値リソース』というものが分かっていないな」


「えっ……? リソース、ですか?」


 ルディは、無限に湧き出す魔物の群れを、まるで黄金の山でも見るかのようにギラギラとした瞳で見据えた。


「よく見ろ。燃料もエサも必要とせず、ゲートから『無尽蔵に湧き出してくる、強靭な肉体と馬力を持った無給の存在』だぞ?


 これをただ討伐(廃棄)して終わらせるなど、経営者としてあり得ない『機会損失(大赤字)』だ。


 ……これより、この無限湧きゲートを、我が鉱山の『サステナブルな永久機関(動力源)』へとSDGsリサイクルする!」


 ルディは、両手に【微弱放電マイクロパルス】をバチバチと纏わせ、迫りくる魔物の群れへと単身で歩み寄った。


「グオォォォォッ!」


 先頭のロック・ゴーレムが巨大な岩の拳を振り下ろす。


 だが、ルディはその拳をスッと躱すと、ゴーレムの眉間(魔力制御核)へと、電撃を帯びた指先をピタリと突き立てた。


 バチバチバチッ!!!


「グガッ!? ゴ、ゴゴォォォ……」


 ルディの放つ緻密に計算された極低周波パルスが、ゴーレムの疑似神経回路を直接ハッキングする。狂暴な破壊衝動は一瞬でデバッグされ、圧倒的な快感物質(魔力的なエンドルフィン)によって、ゴーレムの目は「忠犬」のように蕩けた。


「よし、自律神経のオンボーディング完了だ。次、大顎蟻もいくぞ」


 ルディが次々と放電を施していくと、無限に湧き出す凶暴な魔物たちは、瞬く間にルディの電気なしでは生きられない「従順なアース奴隷(エコ重機)」へと再起動リブートされていった。


「適材適所(タスク配分)だ。ハンス! このロック・ゴーレムどもを、立て坑の『巨大巻き上げエレベーター』の動力ホイールに組み込め! こいつらの無限の馬力で、掘り出した鉱石を全自動で地上へ引き上げるんだ!」


「ハッ! 無限動力の組み込み、ヨシ!!」


「そしてケーブ・アントどもには、背中に特製の荷台を取り付けさせ、坑道から巻き上げ機までの『自律型ベルトコンベア』として巡回稼働ルーチンさせろ!」


「キチキチッ!(運搬作業、ヨシ!)」


 ゲートから湧き出した魔物たちが、次々とルディの完璧なシステムの中に組み込まれ、一糸乱れぬ動きで鉱山のインフラを全自動で回し始めた。


 それはまさに、魔物という再生可能エネルギーを100%活用した「完全なる永久機関」の誕生であった。


「す、凄いですわ、若君……っ!」


 テレーゼが、丸眼鏡を曇らせて感嘆の声を上げた。


「無限に湧き出すハザード(脅威)を、無限の労働力へと変換してしまうなんて……! これでロベルト領の鉱山は、永遠に富を生み出し続ける『サステナブル鉱山』になりましたわ!」


「ああ。しかも、これだけじゃないぞ」


 ルディは、魔物ゲートの奥から漂ってくる「ある匂い」と「熱対流」を、ディテクターで正確に捕捉していた。


「この豊かな地熱と、豊富な地下水脈……。間違いない。この奥には『天然の地熱温泉』が眠っている!


 アイラ、お前たちドワーフの掘削技術を見せてみろ! あの岩盤の奥へ、安全第一でトンネルを抜け!」


「はいっ、ルディ様! アイドル掘削部隊、いきます!」


 アイラたちがツルハシを振るい、巨大な岩盤を打ち抜いた瞬間。


 ドパァァァァァッ!!!


 岩の隙間から、もうもうとした白い湯気と共に、豊かで透き通った熱い温泉が、地下空洞へと一気に噴き出してきた。


「おおおおっ!! 温泉だ! 本物の温泉だ!!」


「ルディ様万歳! これぞ大地の恵み!!」


 ルディは、あふれ出す温泉を石化コンクリートで美しく誘導し、地下空洞の一角を、広大で衛生的な『地下ホワイト温泉リゾート(スーパー銭湯)』へと一瞬にして造り変えてしまったのである。


「よし! 無限動力の確保、および福利厚生施設(大浴場)の開掘、100%完了!


 労働の疲れ(筋肉疲労)は、その日のうちに温かい温泉で洗い流すのが、労働衛生管理の基本だからな。……これより、全作業員の『特別慰労会』を開催する!!」


 ◇ ◇ ◇


 その夜。


 完成したばかりの「地下ホワイト温泉リゾート」。


 湯気と硫黄の心地よい香りが立ち込める巨大な岩風呂の中で、ルディは極上の「サボり有給ライフ」の真髄を味わっていた。


「はぁ……っ。地下深くの秘密の温泉……。ルディ様とこうして肌を重ねていると、まるで世界に私たちしかいないみたいで、本当に背徳的ですわ……」


 総務主任のテレーゼが、丸眼鏡を外し、湯けむりの中で豊満な双丘を水面に浮かべながら、ルディの背中にピタリと張り付いて熱い吐息を漏らす。


「ルディ様……、私の炉心ボイラーも、温泉の熱で限界まで火照ってしまいましたわ……っ。早く、あなた様のアース(お仕置き)で、私を冷ましてくださいまし……」


 エルザが、湯船の中でルディの太ももに自らの滑らかな太ももを絡ませ、心地よい汗を温泉のお湯に滲ませながら蕩けた声で囁く。


 ヒルデやエリーゼといった幹部ヒロインたちも、湯気で紅潮した健康的な肢体をルディにすり寄せ、その指先の放電を求めて、濡れた瞳で激しいおねだり信号ディテクターを点滅させていた。


 そして、その幹部たちの輪の少し外側で、顔を茹でダコのように真っ赤にして身を縮めている少女たちがいた。


 黄色い安全ヘルメットを脱いだ、アイラたちドワーフの娘たちである。


「あ、あの……ルディ様……。私たちのような泥まみれだった採掘作業員が、幹部の皆様と一緒に、こんなに広くて温かいお風呂に入っても、本当によろしいのでしょうか……?」


 アイラが、小ぶりながらも形の良い胸を両手で隠し、内股を擦り合わせながら上目遣いで尋ねた。


「当然だ、アイラ。労働者の福利厚生に、役職の壁など存在しない。それに……お前は今日、誰よりも速く岩盤を打ち抜き、温泉リソースを確保する大功績を挙げた。その『特別ボーナス』を、今夜はたっぷりと支払ってやる」


 ルディは、湯けむりの中で不敵に微笑むと、温泉のお湯で濡れたアイラの細い腰を引き寄せた。


「ひゃぅっ……!?」


「これは『温浴効果を利用した深部筋膜リリース(物理療法)』だ。お前の強張った筋肉の疲労を、俺の電気で芯からとろとろに溶かしてやる」


 ルディの指先から、青白い【微弱放電】がバチバチと放たれ、お湯を媒介にしてアイラの全身へと流れ込んだ。


「あ、あつ……熱いぃっ! ルディ様の、ビリビリするお指が、温泉のお湯と混ざって……皮膚の下まで入り込んできて……っ!」


 ルディの手のひらが、アイラの滑らかな背中から、むっちりとした太ももの内側、そして最もリンパが集中する鼠径部の深奥へと、容赦なく滑り込んでいく。


「あ、はぁぅっ! だめ、ルディ様、そんな奥までビリビリされたら……私、お腹の奥が熱くなって、変な声が出ちゃいますぅっ……!」


「声を出してベント(圧力開放)しろ。温泉の中で我慢は禁物(のぼせる原因)だぞ」


 ルディが、電撃を纏った指先でアイラのツボをグッと強く押し込んだ瞬間、彼女は湯船の中で激しく弓なりに跳ね上がった。


「あはぁっ! ルディ様の電気で、私、ドロドロに溶かされちゃいますぅぅぅっっ!!」


 アイラが極限のリラクゼーションによる心地よいデトックスの汗を流し、完全脱力システムシャットダウンしていく様を見て、周囲の幹部ヒロインたちの自律神経の昂ぶりも一気に限界突破オーバーフローした。


「あぁっ……! もう我慢できませんわ! ルディ様、次は私の番ですわよ!」


「抜け駆けはずるいですわ! 私の内部監査アースも、今すぐ執行してくださいまし!」


 テレーゼ、エリーゼ、エルザ、ヒルデの四人が、自律神経の漏電を起こした忠犬のような瞳で、一斉にルディへと群がった。


 地下深くの安全な密室空間。温泉の熱と、ルディの【微弱放電】が交じり合い、青白い火花と甘い喘ぎ声が、朝まで果てしなく、熱狂的に響き渡るのであった。


 ――第六章・地下温泉リゾートでの無制限ハーレム夜間操業(特別アース)、稼働ヨシ!!


 ◇ ◇ ◇


 数週間後。


 遥か後方、ゼーフェルト辺境伯本陣の豪華な執務室。


 辺境伯ゼーフェルトは、娘であるエリーゼから定期的に届く『内部監査報告書ホワイトレポート』を手に、ガタガタと激しく震え上がっていた。


『ルディ・フォン・バウムガルトは、廃鉱山の無限に湧き出す魔物を完全に調教し、広大な地下帝国と豪華な温泉リゾートを築き上げております。彼はただ、領民と共に平和に湯に浸かり、無害な生活を送っているだけで、地政学的な野心は100%存在しません。監査官エリーゼ・署名』


「む、無害だと……? 嘘だッ!!」


 辺境伯は、白目を剥きながら報告書を握りつぶした。


「無限に湧き出す魔物をすべて使役し、地下深くに広大な帝国(要塞)と魔力の泉(温泉)を築き上げただと!?


 これのどこが無害な少年のやることか! 彼は……彼は、息をするように魔物を使役し、地下から世界を裏から支配しようとする『底なしの覇王(怪物)』だ!」


 辺境伯の脳内で、ルディの「全自動サボり工場の構築」は、世界征服を企む恐るべき魔王の地下帝国建国計画として、特大の勘違い(バグ)を引き起こしていた。


「もはや、ルディを止めることなど不可能だ。エリーゼすらも、彼の温泉と洗脳魔術の前に完全に屈服し、偽の平和報告を送らされているに違いない……ッ!


 今すぐ、ルディの元へ『莫大な復興資金(過剰な賄賂)』と『最高級のワイン』を追加で送りつけろ! 我々ゼーフェルト家が彼に対して絶対の服従と敬意を持っていることを示し、決して機嫌を損ねてはならん!!」


「は、ははぁっ!!」


 かくして、ルディの「ただ安全に温泉でサボりたいだけ」という卑小な有給ライフ計画は、本社(辺境伯)の極限の恐怖と勘違いによって、さらなる莫大なキャッシュと絶対的な権力を彼にもたらすこととなった。


 ルディ・フォン・バウムガルトの、圧倒的な安全衛生工学と勘違いが織りなす「絶対死なないホワイト覇道」は、いよいよその底知れぬ深淵へと突き進んでいくのであった。






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