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前世安全管理者の異世界ホワイト戦記~死にたくないので安全部隊を作ったら、勘違いで不敗の魔導名将に。夜の放電メンテナンスを求められて困っています【R15】~  作者: トール
第一章:春の嵐と50人の「退却戦」

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第011話:テレーゼの夜間操業(とろとろメンタルヘルスケア)と機密情報のインポート

 


 ザザザザザザッ、と。


 天幕の薄いリネンを叩く春の冷たい雨嵐の音は、夜が更けるにつれてますます激しさを増していた。


 だが、バウムガルト隊の指揮官であるルディ・フォン・バウムガルトの個人天幕プライベートルームの内側は、外の地獄のような凍える嵐が嘘のように、ハーブの香る魔導温風機アースヒーターによって快適で甘やかなホワイト環境に保たれていた。


「失礼、いたします……、若君様……っ」


 天幕の入り口の幕が控えめに揺れ、そこから入ってきた影に、ルディはサーモグラフィの視界【ガス・温度検知ディテクター】を向け、その熱信号を優しく見守った。


 入ってきたのは、ロベルト子爵領の財務を一手に担わされていた有能な文官令嬢、テレーゼ・フォン・ベルンハルトだった。


 彼女はミリーたちの手によって泥だらけだった全身を綺麗に洗い流され、ルディが予備で温めさせていた、特製の清潔な寝間着――スノー・ロプの綿毛を薄く仕込んだ極上の起毛リネンのガウンを身にまとっていた。


 おろしたての白く清潔な寝間着。だが、その胸元からは彼女の健康的な肌の艶が覗き、琥珀色の丸眼鏡は天幕の暖かさと彼女自身の緊張の吐息で白く曇っていた。隣室で見せつけられたセシルへの「放電屈服」の余韻もあり、彼女の身体は微かに震え、恐怖と未知への期待がないまぜになった熱を帯びていた。


「緊張しなくていい、テレーゼ。これよりお前の『第三工程(夜間操業):メンタルヘルスケア』を開始する。……そこに座れ」


 ルディは、ふかふかのスノー・ロプのクッションが敷かれた温かいベッドをポンポンと叩いた。


 テレーゼは、そのベッドから漂う微かなハーブとバームの香りに、心臓を激しく高鳴らせながら、壊れ物を扱うようにそろそろと腰を下ろした。


「あ、あの……若君様。私は……何をされるのでしょう。やはり、お風呂で綺麗に洗われたのは、若君様が私のこの身体を……前任のロベルト様のように、汚らわしい玩具にする、ため、なのですか……?」


 テレーゼは、細い肩を抱きしめるようにして寝間着の胸元をキュッと握りしめ、怯えに震える瞳でルディを見上げた。無能な上司に尊厳を穢され続けたトラウマが、彼女の心に深い傷(心理的ハザード)を残していたのだ。


 ルディは、そんな彼女の丸眼鏡をそっと外し、乾いた清潔なリネンで曇りを丁寧に拭き取ってやりながら、この上なく甘く、そしてロジカルな声で語りかけた。


「ハッ、玩具? 誰がそんな非人道的で、労働能率を著しく低下させる愚行を行うか。お前は、あの暗黒ブラック企業において、一人で納税台帳の計算や兵站ルートの構築をさせられるという、致命的な『過重労働ワンオペ』と『パワーハラスメント』の重複ハザードに晒されていたんだ。……お前のその知的な脳と美しい身体は、すでに精神的倒壊パンク寸前だったんだよ」


(前世の企業でも、無能な経営陣の下で優秀な経理や総務の担当者がワンオペで潰れ、結果的に組織全体が崩壊する事例を腐るほど見てきた。彼女のような「替えの効かない優秀な労働資産」のメンタルケアは、組織運営において最重要課題だ!)


 ルディの指先が、テレーゼの滑らかな白首から、緊張でガチガチに強張った肩のラインへと滑っていく。


「前世――いや、我がバウムガルト隊の労働安全基準において、作業員のメンタルヘルスケアは最優先の義務(SOP)だ。……テレーゼ、お前はよく耐えたな。あの無能ロベルトの元で、誰も理解してくれなかった膨大な数字のハザードを、たった一人でねじ伏せていたお前の実務スキルは、奇跡チートそのものだ。俺は、お前のその有能な右腕としての実力を、そして一人の美しい女性としての存在を、世界で一番、手厚く管理し、評価してやる」


「あ……、あぁ……っ……!」


 テレーゼの切れ長の瞳から、ポロポロと、大粒の温かい涙が溢れ出した。


 ずっと、誰にも言えなかった。剣を振るうだけの脳筋騎士たちに「数字をこねくり回すだけの税金泥棒」と罵られ、一人で冷たい部屋で夜を徹して計算に追われ、最後は理不尽に泥の中へ蹴り落とされた地獄のような日々。


 そのすべての苦しみと、自らの努力の結晶である「実務スキル」を、この目の前の少年は――完璧に、これ以上ないほどにロジカルに理解し、肯定し、優しく包み込んでくれたのだ。


「ル、ルディ様……っ! 私……私、ずっと……ずっと寂しくて、苦しくて……っ!」


 テレーゼは、ルディの首にしがみつき、彼の胸板に顔を押し付けて激しく泣きじゃくった。


 その瞬間、彼女の精神にかけられていた「トラウマの呪縛」は、ルディの圧倒的な過保護(ホワイト待遇)によって完璧に粉砕された。


「よく泣いたな、テレーゼ。……だが、精神のストレスが解消されたら、次は『肉体の緊張緩和』と、快感による『自己肯定感エンドルフィンの強制分泌』が必要だ。……これが、安全管理者としての俺の治療デトックスプロセスだ」


「はい……っ、はいぃっ、若君様! 私の身体の、脳の隅々まで……どうか、あなた様の管理下に置いてください……っ!」


 テレーゼは、丸眼鏡をかけ直されたその知的な瞳を潤ませ、自ら寝間着のガウンを少しはだけさせ、ベッドの上にうつ伏せに横たわった。


「素晴らしい労働資産だ、テレーゼ。……ミリー特製のハーブバームを塗るぞ。静電気アース、開始だ」


 ルディは、バームをたっぷりと手のひらで温め、自身の指先に魔法【微弱放電マイクロディスチャージ】のパルスを走らせた。


 そして、テレーゼの過労で最も強張っている肩甲骨から背骨のライン、そしてうなじへと、ゆっくりと、しかし正確にその手のひらを滑らせた。


 バチバチバチッ!!!


「ひゃううううううううううううっっっっっっ!!!???」


 テレーゼの身体が、電流の快パルスによって、ビクン!!!と激しく痙攣した。


 彼女の知的な脳髄を、ルディの指先から流れ込むバチバチとした微弱な電撃が、ダイレクトに貫いていく。


 それは、ただの暴力的な刺激などでは断じてない。


 テレーゼの過労で強張っていた自律神経に、低周波の電気パルスがダイレクトに働きかけ、血流を極限まで活性化させ、脳内麻薬を強制的に分泌させる、極上のメンタルヘルス・ケアマッサージだった。


「ビリビリするの、背中の奥が、バチバチして……頭が、溶けちゃうぅぅっ!」


「フッ、お前のように数字を使いすぎて凝り固まった脳には、この微弱な電気刺激による神経リセットが最も効果的なんだよ。……ほら、ここが気持ちいいんだろ?」


 ルディの、前世で培った「整体プロセスマネジメント」そのものの正確無比な指先が、テレーゼの背中を力強く揉みほぐし、そのまま腰のくびれ、そして最も疲労が溜まっている太ももの内側へと、深く、容赦なく滑り込んでいった。


 バチバチバチバチッ!!!


「あ、あ、ああぁぁぁっ! そこ、そこは、バチバチしすぎですぅっ! 太ももの奥が、ビリビリして……、壊れるぅ、おねだり……私、もっとビリビリしてって、おねだりしちゃいますぅぅっ!」


「おねだりしろ、テレーゼ。俺の管理下において、不要なプライドは厳禁だ。……お前のその、納税台帳を一枚の木札も狂わずに計算し尽くす知的な頭が、快感でドロドロの忠犬にされていく様を、じっくりと見せてみろ」


 ルディは、テレーゼの曇った丸眼鏡の奥の、完全に理性を溶かし尽くされた恍惚の瞳を覗き込んだ。


 ルディの指先から流れ込むビリビリとした快感の電撃パルスが、テレーゼの知的な脳の防壁(情報セキュリティ)を、跡形もなく蹂躙していく。


 逃れられない極限のリラクゼーション。その代償を支払うように、テレーゼは自らの知性に刻まれたロベルト領の「極秘データ」を、激しい吐息とともに口から溢れ出させ始めた。


「あ、あああっ! だ、ダメ、頭が、数字が溶けちゃうぅぅっ! ロ、ロベルト様の……っ、執務室の、裏にある肖像画の裏に……っ、隠し金庫の鍵が……か、隠されて……ひゃあぁぁっ! そこ、そのツボ、すっごく効くぅぅっ!」


「ほう、執務室の額縁の裏か。いいデータだ。もっと出せ、テレーゼ。お前の脳内ストレージをすべて俺にインポートしろ」


「デトックス、されちゃうぅっ! おねがい、もっと、もっとほぐしてぇっ! 領民の……領民の不満が高まって、暴動寸前なのは、に、西部の第三村と……第五村ですぅっ! そこにバウムガルトの兵糧を流せば、みんな、みんな若君様の奴隷(領民)になりますぅぅっ! あん、ああんっ!」


 ルディの無慈悲で強烈な指圧と放電が、彼女の最も敏感な「知の牙城」を穿つたびに、門外不出の軍事・財務機密が、甘美な自白尋問としてボロボロと吐き出されていく。


「あ、あああっ! 東の関所の、警備の兵が薄くなるのは……夜中の、夜中の二時から、三時の間、の、一時間だけですぅぅっ! その時に、裏道の、防柵を外せば……一兵も失わずに、関所を落とせますぅっ! ひゃあああっ、腰の奥がビリビリして、壊れるぅぅぅっっっ!!!」


 テレーゼが心地よい汗を流すたびに、ロベルト領を戦闘なしで無血開城させるための「完璧な攻略データ」が、ルディの脳内スプレッドシートへと次々にインポートされていく。


 ただの電気マッサージが、これ以上ないほどに確実で冷徹な情報収集セキュリティ・ハッキングとして機能している。この非言語尋問による圧倒的な支配感と合理性に、ルディの管理者としての征服欲は狂おしいほどの昂ぶりをみせた。


「素晴らしいぞ、テレーゼ! 完璧なロジックとデータだ。お前のその有能な身体と頭脳は、これより一生、俺の専属右腕として、操業率百パーセントで稼働してもらうからな!」


「はいっ、はいぃぃっ! 一生、あなた様の有能な秘書として、おねだりし続けますぅぅっ! あぁぁっ……! あなた様の電気の中で、私、完全にリセットされちゃうぅぅぅっっっ!!!」


 ドクン!!!と、テレーゼの身体が激しく跳ね上がり、彼女の自律神経はルディの完璧なコントロール下で限界点に達した。


 テレーゼは白目を剥き、激しく痙攣しながら、心地よいデトックスの汗で清潔な寝間着をぐっしょりと濡らし尽くして、すべての機密を吐き出しながら完全脱力システムシャットダウンしたのだった。


「……インポート完了、ヨシ」


 ルディは、とろとろの笑顔を浮かべて深い眠りに落ちたテレーゼの肩に、優しく毛布を掛けた。


 夜間最終工程(テレーゼのメンタルケア兼情報収集)、完全完了である。




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